スタメンを見てエヴァウドじゃなくてリチェーリだって聞いた時にはおったまげた。水野とマッチアップするのがリチェと規郎だと聞いた時には諸々を覚悟した。「せめて、リチェがとことん馬鹿になってくれればいいな」結果４得点。
正直、大してチームでしっかり崩すことなく４得点取れたわけだから、ハッキリ言ってこの結果は事故でしょう。何より千葉が悪すぎた。この試合水野が全く仕事が出来なかったが、だからって東京が何か対策をしてそれが功を奏した訳では全くないのだから。そもそも東京には対策は全く無かったわけだし（とは言ってもこの日の規郎は守備面でも結構イイ仕事をしたと思う。身体の入れ方が上手くなったか）。今日の千葉は攻撃の核というか「引き出しの多さ」を持つ選手が水野しか居ないから、良い展開で水野にボールが入らないと厳しい。サイドチェンジが凄い少ないな、と思っていたらハーフタイムでアマルにやはり指摘されていたみたいだし。水野自身も勝負せずにボールを放り込む選択をしたりと調子が悪そうだったが、この結果は事故だと言えどもこの日の千葉の出来は千葉ダービーで見た時のあの華麗さとはほど遠かったし猛省すべき出来ではあった。
と、あくまで千葉の自滅に乗っかった今日の大勝だったが、じゃあ東京も悪かったかというと言うとそうでもない。
まずは良い時の原東京を彷彿とさせる前線高い位置からのプレスとボール奪取がこの日はあった。リチェが、ノブさんが、チョペが（！）。そしてそれを支えるのが中盤の構成力。梶山・伊野波のコンビは水曜に比べれば別人のハマり様だった。
伊野波は危険な人に付くのではなく今日は、工藤・羽生を見つつも「危険な場所」を常に気をかけて潰した。そんなポイントを見つけては一歩目の速さで潰しに向かい、相手ボールホルダーに身体をねじ込んでいく。水曜日に出来なかったアンカーの役割をしっかりとこなした。
そして梶山。間違いなく今日のMOT。正直チームへの献身さと貢献度で言えば今までで一番じゃないかと思えるくらいに凄まじかった。ボールを奪う、ボールを奪われないと抜群のフィジカル。出るか引くかの伊野波とルーカスを含めた３人のポジショニング。ボールを触り展開して行く中での、センスから来る絶妙のアクセント（前半１２分のスルーパス！）。攻守の切り替えの速さからくる高い位置からのファーストチェック。そしてそれを９０分間惜しみなく支えるスタミナ。後半ロスタイムに相手DFを吊る全力ダッシュを仕掛けた時には猛烈な感動が。この日の出来がコンスタントに続けば、マジで北京でメダルだと思います。
だからというのもあるけど、今日はリチェーリにはMOTはあげられない。穿った評価をすれば、年に一度の「リチェーリの日」ってのは東京の定番になりつつあるわけで、A契約に移行する今季は年に一度と言ってられないコンスタントな活躍が求められる競争がある。次回の活躍を願ってね。
と、今日はいわば前線からの守備と梶山のおかげで掴み取った事故なわけで。形はありそうで実は攻撃の崩しはなかったり、高い位置で奪えてた割にシュートがなかったり、後半のガス欠と課題が尽きない危険は状況は変わりなし。今野キャプテンが述べておられた様に、「この結果でクラブも選手もサポーターも浮かれない様に」深く心に刻むべしです。この大勝のせいで今後「ヒロミが続くことになって良かった」と思えるか「あれでヒロミを切るタイミングを無くした」となってしまうのかは私たちにかかっています。
つか最後のインタビューを毎回今ちゃんにしたらいいのに。
