ここ最近の勝利に繋がるヒーローは日替わりで出て来ている。リチェーリ・福西・そして赤嶺と。
しかし、この「日替わりヒーロー」に落とし穴はないだろうか?日替わりでヒーローが出て来てくれるのは戦力の充実にも繋がることだし良いことには間違いない。しかし、ヒーローが変わる、もっと細かく言えばメンバーが替わると試合の内容・スタイルまでもが変わっているとしたら・・・これは危険なことだろう。チームの勝利がチーム力によるものではなく「そのときたまたま居た調子の良い選手」のおかげだけで勝っていることを意味するからだ。
少なくとも4月頃までの、もっと言えば先週くらいまでの東京は間違いなくこうだった。福西が、今野が、栗澤が、浅利が、ルーカスが、ちょっと調子が良く活躍してしまえば勝ちが拾えてきた。しかし監督はその選手の新鮮なエキスが搾りきるまで使い続ける。固まらないチームの核をその新鮮な選手達に見いだそうと酷使する。エキスを絞りきり、その結果枯れた選手しかチームに残らなかったらその時期はしょうがない、横浜FCにすら負けてしまうレベルまで落ちる。そうしたら絞りきった選手を諦め、また新しく実った選手を探す。これを綺麗に言えば「調子の良い選手を使う」と言うことになるのだけど、「使い捨て」レベルにしか映らなく思えてしまう。それは結局そこにチーム力・組織力の軸が出来てないと感じるからだろう。
ならば今は、どうだろう?
正直、ひいき目に見てもチームとしての大きな進歩はまだ無い気がする。今の好調の要因は伊野波・梶山の両ボランチによるもの、特に梶山の好調さに「のみ」支えられている好調だとまだ見る。中盤で運動量が発揮できて、キープできる起点が揺るぎなく存在しているから攻撃の展開にキレがある。ボール奪取ではプレスの初速が伊野波と共に生まれているから中盤で主導権が握れる。これがチーム力によるものだったとしたら今までの話が杞憂で終わり安心アンシンで終了だ。しかし、とりあえず「リチェーリエキス」はもうすぐ切れると思う。「梶山エキス」だってこの日に切れてしまうかもしれない。もし名古屋戦で「その時」が来たときに、フォローしてくれるのはチーム力なのか?また新しい果実なのか?何もないまま負けていくのか?勢いで3連戦を乗り切ってしまえれば勝ち点的には非常に楽になる。しかし、そんな簡単なもんじゃない。楽観できるほどチーム力の軸は出来上がってない。
勝ちが続き、それでもチームの現状(特に監督に対して)疑問を感じる人は恐らくこの部分が引っかかってるのだと思う。そして、これだけ言っているだけあって自分もそんなイメージがまだ残っている。
厳しい3連戦の最後、さてどういったメンバーで乗り切るか?メンバーが替わったときに同じサッカーが出来るのか?そこにチームの軸はあるのか?