積んでは崩し、積んでは崩し・・・ レビュー ×名古屋グランパスエイト戦

手前味噌で申し訳ないんですが、夜中に書いたプレビューまんまの結果が出たんじゃないかと思っているんですが、いかがでしょうか?

今日の立ち上がり、ボランチは福西・伊野波のコンビ。前半のこのコンビのひどさが試合結果に関して言えば全てだったかなと思います。お互いの性質的には伊野波を自由に動かしてそれを福西がポジショニングでフォローするのが理想だと思うんだけど、お互いに、特に福西があまりに独善的なポジショニングを取る、しかも福西が動かないことで伊野波は本来取るべきポジションにいられないし、伊野波本来の「動くボランチ」が全く活きない。結果、バイタルエリアをぽかんと空けていつもの形での失点。いつもの東京の形(形がないことが今の東京の「形」です)。調子がまだ続いていそうな気配だった梶山が右サイドに置いやられているだけに特性が生かされないポジション配置に歯がゆさしかなかったです。
後半、石川投入で梶山を中央に戻します。これで息を吹き返します。今まで積み上げてきたモノが活かされます。好調な梶山が福西の近くで運動量を発揮し始めて抜群に味方同士の距離感が良くなり、中央で2人が細かくパスを廻しながら展開がつき始めて中盤を圧倒します。立ち上がりの10分間、この時間帯が一番チャンスでした。

ただ、この後福西を何故か下げてしまいます。前半の福西は確かに悪かった、しかし後半立ち上がりは梶山と共に相手の脅威となり中盤を制圧できていただけにイマイチ理解が出来ないです。せっかくこっちに傾いた中盤のミリタリーバランスがこれでイーブンに戻ってしまいます。案の定梶山が孤立し互いの距離がまた広がっていきます。梶山・福西の活躍で大胆な動き出しも出来るようになってきていた伊野波もこれでまた影が薄くなり、百戦錬磨の藤田俊哉に中盤をどんどん浸食されていく。決して赤嶺を出すべきじゃなかったというわけではなく、あの時の福西を下げるべきではなかったと思うのです。このタイミングでは既にリチェーリの体力の限界も見えていただけに尚更です。その後気付いたのか栗澤を投入しますがその時にはチームのスタミナは限界、流れを引き戻すだけのクオリティは残っていなかったと思います。

先週からの過密日程とこの天候とで、それにより出てくるコンディション差は特に後半には如実に出て来ました。ただコレはしょうがないとは思う、ミッドウィークの両チームに課せられた条件はそれぞれ違っていたし、実際に東京が水曜日に手にした財産を思えばこの切り抜け方は決して間違いではなかったと思います。だからこそその差が厳しいものになるまでに何とかしたかった。欲を言えば前半のウチに。
だからこそ、こんな状況で積み上げてきたものを崩しまた新しいことをやろうとした事が理解できません。日替わりヒーローは出て来ても、日替わりでチームの軸を代えて良いはずはないのです。選手が替わればチームが変わってしまうくらいのチーム力なんだから。
今日の試合の後、スタジアムの雰囲気が「糞レフリーのせいで負けた、お前達はよく頑張ったよ」的な雰囲気になったのには正直驚きました。いつもの悪い東京だったじゃん、適切な判断できなかったじゃん、また逆戻りだっていう不安はないの?糞レフリーでした、で思考止めるの?暑い中頑張ったとは思うけど、今日の負けがたまたまだったと思ったら大間違いでしょう。
流れは良くなって、それを土台にチームの基礎を作ればいいのに、結局それにはそっぽ向いて理想に走る。その為にせっかく積み上げたものは崩してしまう。
思えば今年はずっとこうだった。積んでは崩し、積んでは崩し。継続を何で熟成に繋げないのか?終盤の今野の攻め上がりを見て「もったいない、ボランチで使えれば」と思えば、「モニとエヴァウドが計算できないのがいけないんだよ」と相方が返す、結局『ふりだし』に戻る東京。
根本的な解決がされていない、それが表面に出た事が収穫だったと思います。気付いてなければ意味がないですが。

最後に名古屋について、藤田俊哉の効きっぷりのすさまじさと最後の方でも守備に戻る献身的なヨンセンのスタミナは凄かったです。本田圭佑はまだ藤田俊哉から学ぶべき事は非常に多いですよ。