×マルタ戦

何だか「四人違う相手でも持碁を達成する塔谷アキラ」を思い出した。ドイツ戦並みの意識レベルを期待するのは酷なのかもしれないが、相手に合わせた内容に終わってしまったのは残念。実況でも言っていた「ならばいい形を確認する内容」が欲しかった。
相馬さんも触れていた内容だが、同じ「ダイレクトタッチのパス回し」と言う表現でもドイツ戦とマルタ戦(特に後半もしくは4-5-1後)でこれほど差があるものかと確認できた。最大の差は「人の動く量」。狭い中で細々とボールを回すマルタ戦後半風のもダイレクトタッチのパス回し、くさびの落としを大きく動いて受けてどんどん追い越していくドイツ戦風のもダイレクトタッチのパス回し。同じ表現でもここまで違うものなのかと個人的にも注意せねばと思った次第。それだけ内容に差があった。どちらが有効かは言わずもがな。
関連して特に、後半の巻の孤立ぶり、「黄金の中盤」(!)のみで済ませようという気持ちすら考えてしまう攻撃の組み立てには不安を感じた。引いて枚数が揃っている相手に対して、サイドから崩すだけでなく縦につつくパスも織り交ぜて欲しかったのだが、そのつつくパス相手がいない。巻が下りてくるわけでもなければMFが動いてポジションを取るわけでもなく。何よりボールの近くに選手が寄りすぎ。動かない。息苦しい試合後感になってしまった最大の要因だろう。
最大の収穫は左サイドバックか。三都主がこの早いウチに交代というのは驚き。そしてその後入ったのがやっちゃった系イメージを(個人的に)抜け出せてない中田浩二だが、戦術理解度というか賢さというかサッカーセンスはやはり抜群で、おかげでとても左サイドが安定したと思う。サイド攻撃時にも積極的に顔を出すのは正直意外で、(ミスはあるにせよ)嬉しい驚き。最後の最後に左サイドバックのバックアップにメドが立ったか。
・・・しかしもっと早いウチにアレックスのポジを危うくする存在として立てて欲しかった。
・・・しかしジーコはまさか加地のケガで途端にSBの層が不安になったのか?加地がケガしなきゃ気付かなかった?!
この部分だけでなく今日の選手交代は(戦術的レベルではないが)とても興味深く、いわゆるジーコが考えるチーム内の『序列』その順番通りの選手交代だった様な気がしてならない。こう見た時に小野と小笠原の序列、中田浩二の評価(もしくはただ突発的に起こったSBバックアップへの不安?)、そしてポジションは違うものの巻の序列の位置も稲本という物差しで少し見えたと思う。この序列に対して文句を言うのは筋違いだろうから言いませんが・・・個人的には稲本の序列は仕方ないにせよ少し悲しかった。いや、良くも悪くも福西よりもプレーが表に出てきて好きなんですが、良かったんじゃないの?
ブラジルが対戦したルツェルン州選抜、だっけ?マルタと比較するのは大変失礼なのは承知だけど、やはりあの試合イメージな内容・結果が欲しかった。弱い相手にしっかりとした内容で勝ちきらなければならない、というのは日本に今後も続いていく課題になるだろう。
ま、まずは目の前のワールドカップですよ。動いて下さい皆さん。