FC東京'26 百年抗争リーグ シーズンレビュー 〜結局、今年効いたのはビルドアップよりも…〜

せっかく優勝争いの浮かれ気分で、田舎ことカシマくんだりまで行くつもりだったのに。行く前に優勝争いが終わっちまったよぉ…

なもんだから、じゃあ仕方ないからマジメにサッカーを観てくるかぁ!!ww

とヤケクソに腹は括れたものの、自分は今シーズンのFC東京を継続的に全試合を観れていないから、正直FC東京'26がよく分かっていない。DAZN更新も止めちゃったから、たまたま気分で現地味スタに行って観戦する位しかしていない。

なので、カシマでマジメにサッカーを観るための予習ということで、みんな大好きFootball LABにて'25と'26のスタッツ比較を眺めてみた。

少ない観戦機会の中でも、今年の東京が良い感じだったことは自分も勿論実感している。このスタッツ比較レポートは、その時に感じた印象を裏付けしてくれる様な素晴らしい代物だった。やはり、スタッツの数字とリーグ戦の成績は嘘をつかないね!2位!!!

 

総合の攻撃指標は大きな変化無し。だからこそ中身を観ての想像が必要。

攻撃における総合指標となるAGIは、実は昨年から大きな変化はない(16位→15位)。けど、それでは今年の攻撃の充実ぶりを説明できない。チャンス構築率、シュート本数、ゴール期待値、ゴール数。フィニッシュに関わる各スタッツは共に、リーグ2位クラブとして相応しい代物。ここの『間』を結びつける、追加理解が必要になる。

仮説からヒントを探してみる。例えば今年の東京のトピックといえば、稲村・常盤の台頭により後方からのビルドアップが安定したこと。

これをスタッツ面から探そうとしてみるが、実はあまり直接的なものが見当たらない。例えばパスCBPは、前年比から少し良化したに過ぎなくて。このスタッツをリーグ全体で観てみると、柏が指標ダントツで、続いて川崎・カシマが上位を占め、少し落ちて東京という位置。また攻撃回数自体は、去年からむしろ悪化していた(14位→16位)。

攻撃回数が減った。けどフィニッシュまではリーグトップ級に到達出来ている。打席数が減ったとしても、ビルドアップの改善で「打率」が良くなった面は確かにあるかもしれないが、それを証明する位に極端に目立つ指標がイマイチ見当たらない。

じゃあその間を実際に埋めているのは果たして何なのか?そう、守備。

 

FC東京'26の実態は、攻撃ではなく”守備の大改善”にある

守備の総合指標であるKAGIは、前年12位から5位へと大改善。また、その中身も興味深い。

これまでの東京は、小原GMがハイプレスを志向し、それが出来ちゃいないクセに「出来ていた」と総括していた。もっと具体的に言えば、Jリーグ公式スタッツであるFootball LABではFC東京はハイプレスうんこと出ていたのに「我々が観ているのは別会社のスタッツですし、その別会社スタッツでは良い数字でしたから」と説明するようなクソバカパワープレーぶりだった。

けど今年に関してはFootball LABスタッツにおいても、ハイプレスが特別出来ていたという訳ではないが、総じて守備が以前より前方寄りに組まれていた様子が見て取れる。

左が'26、右が'25

Football LABで使用されている独自指標AGI/KAGIの算出方法を読むと、下記とあった。

KAGI:守備の際にどれだけ相手を前進させなかったか、相手を自陣ゴールに近づけなかったか
AGI:KAGIとは逆に、攻撃の際にどれだけ相手ゴールに近づけたか
https://www.football-lab.jp/pages/kagi

つまり、プレス位置・ブロック位置がより前方になり、恐らくボール奪取の位置も前方になったことで、KAGI指標の大改善があったと考えられる。

他にも例えば”守備CBP”を観ると、指標が前年10位→今年19位と悪化している様に見えるが、その算出根拠を観ると「(相手攻撃の阻止が)味方ゴールに近い(場所で成功した)方が高いポイントが付く」とのことで、であればこれも「その分だけ自ゴールからより遠い、前方でボールを奪えていた」と想像する補強材料になるだろう。

さらに、それらを支えているのがリーグ上位のフィジカル能力。相手に、移動距離でもスプリント数でも走り勝つ。量だけあっても質が伴わなければ意味無いが、今年のスタッツの質であれば、それを支える土台としてフィジカルもトップ級に機能していたと評価してもいいだろう。

 

まとめると、今年の東京は「攻撃回数は少なくても、圧倒的な守備改善とそれらを支える走力によって、リーグ最上位級にフィニッシュまで到達できていた」と考えられる。

これを「ポゼッションなんて要らんかったんや!」とするのは勿論、早計。

自分のサッカー嗜好で言えば、別に綺麗なビルドアップからポゼッションで相手を崩しきってゴールを奪うことなんて最初から求めちゃいない。けどボール支配が相手の心身を削り、また自身を整えるための術にもなりと、ある程度のポゼッション能力は絶対的に必要なものとしては位置づけている。ゴールなんてのは、別に他の手段で取ればいいだけ。セットプレーで、カウンターで。相手を絶対に崩さないといけないなんてルールは、どこにもない。

つまり言うならばポゼッションとは、相手に波動拳を打ち続けるようなもので。相手がガードしたとしても、ガードの上から波動拳でミリでも削れたらそれで構わないという事。相手が焦れて、前ジャンプでかわそうとしてきた所を、昇竜拳で撃ち落とせばいい。これが出来ていたから今年の東京は強かった。

リーグ優勝のために求められる要求レベルは、1試合平均で1.96得点以上/0.92失点以下。これはJリーグ2015〜2024年の10年間の歴史が明確に示していること(ちなみに鹿島アントラーズ'25は、1.53得点/0.82失点だった)。

攻撃的or守備的なんてのは安い議論でしかない。リーグ優勝のために必要なのは「攻撃と守備のハイレベルな両立」であり、それを成立させるための攻防一体の術。今年の東京は、守備が劇的に良化した。それが攻撃にもいい影響を与えた。だからリーグ上位につけられた。これが全て。

 

けど、それが実現できたのは結局「選手のランクが上がったから」って悲しい結論もある

試合内容が良化した要因を選手編成から探ってみると、実は見出しにある通りだったりもする。

選手の出場時間ランキングを観ると、FC東京'26は'25から比べて10人中7人もの選手が入れ替わっている。昨年から引き続き居るのは、佐藤恵允、橋本拳人、マルセロヒアンのみ。

これを更に、Transfermarktを通じて各選手のMarketValueから整理してみると下記になる。

出場時間上位10選手のMarketValueと合計MV

昨年から比べて、『ピッチ上に積まれたMarketValue』が1.67倍に。そりゃ良くなるに決まっているわ。てか'25がウンコ過ぎるやろこれ。

ちなみに佐藤恵允は'25時点では値がついてなかったため、例えば'26と同額の750k€扱いとして計算すると表のようになり、これだと昨年から1.41倍になる。それでも大概。

クラブがリーグタイトルを取るために、選手編成にカネをかけなければいけないのは周知の通り。

その一方で、出場時間上位の選手を例えば今回のように10人ピックアップして、その総MarketValueを観ることで、より複合的な観点が生まれてくる。

獲得選手の質は?クラブ・監督とのシンクロ率は?メディカル的な意味での稼働率は?

これらの結果が『いくらピッチ上に金額が積めたか』となり、さらに次はそれがどれだけ勝ち点に変換できたかという『交換レート』の話に繋がっていく。

例えば、適当に川崎フロンターレ'26を持ち出してみる。

FC東京'26と川崎フロンターレ'26

観る人によって様々な示唆が生まれてくるだろう。自分であれば「松長根と丸山の合計225k€なCBじゃ、そらぁ何やったってJ1は到底戦えないでしょ」とか。これにFootball LABのシーズンスタッツまで絡めると「意外とハイブロックの指標が凄くいいのね、でもプレッシング指標がハイ-ミドル-ロー全てうんこ過ぎるし、メンバー観たら、そらそうか…」とか出てくるけど、他所のクラブはよく分からんのでここら辺で止めておく(いや止めるのが遅いww)

 

さて、”目の上のドデカたんこぶ”こと、鹿島アントラーズとの比較。

FC東京'26と鹿島アントラーズ'26

個人的にはこれを観て、納得というか諦めがついた。ほぼダブルスコアとは流石に想定していなかったわ。鹿島アントラーズ'26、圧倒的に『ピッチ上にカネが積めている』。

ちなみに、鹿島アントラーズ'26のMVは恐らくリーグ優勝によって跳ね上がった御祝儀も含まれていると想像して、同メンバーの'25時点MVも調べてみたのが一番右の列。それでもFC東京'26よりも断然多い。

後にこれだけ価値が上がる選手を揃えられていた、という観点も言えるだろうし、鬼木さんが育てて選手価値が爆上げしたとも。鹿島の'26vs'25スタッツ比較も観たけど、ここでは触れないが見事だった。たんこぶ過ぎるなぁ!

 

と、予習のつもりで書いてたら、結果的にシーズンレビューになっちゃった。

最終節を前に今シーズンを振り返ったら、そらぁそうなるに決まっとるやろがい。と気づいたのが今。アホすぎる。

まぁ、学びも多かったからいいか。これで現地で美味いモツ煮が食えそうですわ。けど試合前にEAST1位セレモニー始まっちゃったら、眼の前に何故か濃霧が立ち込めて試合が見れなくなっちゃいそうやが。ボケナス!

ということで、まともに百年抗争リーグを見ていない人間による、恐らく誰よりも早い百年構想リーグシーズンレビューでした。いつもこんな感じだな自分。

なので、鹿島戦が終わり、順位決定プレーオフが終わり、最初で最後の百年抗争リーグがメデタく終わった際には、もっとちゃんと試合を追いかけていた有識者によるレビューが読めることを期待しています。

あ、本当に「最初で最後の百年抗争リーグ」かどうかは、分からないですがね。将来的に「野々村芳和のクビも飛んだから、やっぱり春スタートに戻そうや」となるかもしれないですからねフフフ…!!