"FC東京ユースを 勝手に応援企画! 2019"ありがとうございました+高円宮杯プレミアリーグプレーオフこう戦う

2018年12月。早くも始まった翌年開幕に向けてのプレシーズンに、FC東京U-18では従来の4-4-2のシステムだけでなく、3バックの布陣も試行されていた。

U-18において3バックが行われるのは2015シーズン以来。そのため所属選手の中には、U-18での3バック経験がある選手は恐らく殆どいなかったと思われる。

3バックのシステムによって、4バック時代から新たに増えるポジションもあれば、無くなるポジションもある。

4バックのSBであれば、攻守のバランス・総合力が問われ、主にDF寄りの選手とのポジション争いになるが、WBともなれば、よりアタッカー要素が強く問われ、FW系の選手たちも選択肢として加わってくる。求められるプレーも変われば、スタメンを争うライバルも変わってくる。

選手からもスタッフ陣からも伺える、そんな“新鮮な試行錯誤”は、これまでの数シーズンには無かった光景と言える。

 

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2019年のシーズンを迎えるにあたって、FC東京U-18には様々な大きな変化があった。

最上位Div.のプレミアリーグから、プリンスリーグ関東への降格。中村忠新監督の就任。そして、これまでの4バックから3バックへのシステム変更。

そんな難しい状況ではあったが、目標として掲げた「プレミアリーグ復帰」「日本一」に向けて、ここまでの成績は順調だ。

高円宮杯U-18サッカープリンスリーグ2019関東では、第10節終了時点で首位をキープし夏の中断を迎える事が出来た。

特に、優勝争いのライバルとなる横浜Fマリノスユースとの直接対決で勝利出来たのは、自信を得る意味でも大きかった。

上位3クラブに与えられるプレミアリーグ参入戦、その出場権獲得に向けて、今のところ良い位置に付けているのは間違いない。

 

夏の全国大会、クラブユース選手権はグループステージの組み分けが厳しかった。

プレミアリーグWEST首位だった京都サンガFC U-18。直近のプリンスリーグで敗戦を喫している横浜FCユース。プレシーズンのイギョラ杯でも攻撃サッカーが評判を呼んだファジアーノ岡山U-18。

実力のあるチームが集う中ではあったが、グループEを勝ち点5で首位通過。

ラウンド16で、準優勝のサガン鳥栖U-18に負けてしまったが、総じて良い相手に経験を積めていると言える。

そんな途中経過ではあるが、果たしてチーム全体の状況をどう見れば良いのかが悩ましい。

ここまで書いた通り、成績経過は申し分ない。それでも拭えない、どこなく感じる不安が、観ている限りでは確かにある。

 

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FC東京U-18は以前、「積み上げの継続と歴史の継承」を謳っていた。

卒業と加入を繰り返し、構成する人員が入れ替わり続ける組織においても、それでも変わることのない「何か」。実体は無いが、確かに組織の名刺となっていたもの。

しかし、それらは何時からか、チームの中で薄らいできているように感じる。掲げていたフレーズも、いつしかオフィシャルHPからも消えてしまった。

「積み上げの継続と歴史の継承」とは果たして何だろうか。

この、ある種ぼんやりとしたワードに一つの答えを見出すとすれば、例えばそれは「基準」とも言い換えられると思う。

普段の練習への取り組み。

試合に向けてのウォーミングアップ。

試合中いかなるシチュエーションにあろうと考えることを諦めない姿勢。

そして、試合後の挨拶。

サッカーに関することに対しても、そうでないことに対しても。全てにおいて、FC東京アカデミーとして在るべき「基準」が本来あったはずだ。そういった基準ひとつひとつに対して、徐々に甘さが出てきているように映る。

基準の甘さを感じる一つが、普段のプレーでの「止める・蹴る」だ。

出し手のパスには無駄なバウンドが加わり、受け手の難易度を不要に高める。止める側も「いつでも蹴れる状態」にピタリと収められない。

イーブンのボールバウンドを許容し、減衰を待つ間に相手からは詰められ、恰好の狙いの的となる光景も多く見てきた。

まるで“ボーリング”のようにピッチ上を滑るパスの質が、基準として選手間で求められていないということだろう。普段から仲間に対して、何より自分自身に「“汚れた”止める・蹴る」を許容してしまっている。

奇しくも、本来であれば、我々はプリンスリーグのライバルたちよりも、基準を高く定めやすい状況にあるはずだ。

U-18選手達が二種登録で出場するFC東京U-23。それが参戦するJ3リーグは、ユース年代よりフィジカル的にも完成された相手に対して、自分が通用するかしないかという容赦のない基準をいくつも食らわせてくれる。

天然芝を跳ね返すパススピード。プレッシャーにも対応できるだけの、選択肢の準備。そして判断。

またそれらが、“所詮は”J3リーグの基準に過ぎないということも。

本来必要なのは「J1リーグ首位クラブの基準」であることも。

もちろん、ただ高い目標を言えばいいってものでもない。“記念受験”も求めやしない。重要なのは、基準が改まり、それによって「行動が変わる」ことだ。

ただの対面パス練習であろうと、ヌルいプレーだったら「パス、遅っ!」と基準を提示する振る舞いは、何てことはない、いつぞやはU-15深川の練習で観た光景だ。

 

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外野の人間は残念ながら、身勝手で欲張りだ。

だから、FC東京U-18に、単なる結果なんて求めない。

成長を優先するが故に結果を犠牲にするなんてことも観たくない。逆もまた然りだ。結果だけではなく、成長だけでもなく、「成長の先にある結果」を僕は観たい。

選手たちも、きっと欲張りであると信じたい。

今の結果だけに満足なんかしていない。俺たちは、もっとやれる。

そんな悔しさ、もどかしさ、ジェラシー。

それらは、明日の行動が変わるにあたっての、ガソリンでありエンジンとなるはずだ。

いま、チームの様々な点から伺える基準。

そうではなく、これまで積み上げてきたはずの、FC東京U-18の基準。

果たしてそれは、今の彼らにとって高すぎる「基準」なのだろうか。

 

「積み上げの継続と歴史の継承」。

 

出来る奴に対して、基準を落とすつもりは、さらさら無いぞ。

 

FC東京U-18を勝手に応援するこの企画。今年も無事に、実施することが出来ました。企画に賛同いただきました皆さま、本当にありがとうございます。

そして自分は毎年、U-18についての原稿を書かせて頂いており、今年はこの様な原稿を贈らせて頂きました。

長いシーズン、もちろん良い時期も悪い時期も繰り返しながら進んでいく。その流れを、所詮は外野の人間として受け止めていく中で、生まれてきた自分の素直な気持ちを軸にして書かせてもらっています。その結果として、出来上がった原稿の内容は、ある年は背中を押す形になったり、またある年は叱咤する内容にと、あくまで自然に従って書いています。

今年は自分の中では、例年に比べて結構厳しいことを書いたつもりでいます。いかんせん、書いた時期がちょうど酷かったんだ(笑)

けど夏を越え、たまたま今回のTシャツが選手たちに届いた頃から、チームは一皮剥けて、徐々にあるべき形を創り始めた様に思います。


FC東京FC東京U-23とトップチームのシーズンは終了しましたが、FC東京U-18のシーズンは今週末まであります。U-18年代のリーグ最高峰「高円宮杯プレミアリーグ」参入に向けたプレーオフ。今年、最大の目標であり、この一週間が本番です。

全国を9地域に割った、いわゆるU-18年代リーグのディビジョン2に当たる各「プリンスリーグ」には、地域ごとにプレーオフ出場枠が振られており、そこから選ばれた16クラブが参入を懸けて一堂に会します。プレーオフではその16クラブを4チームずつのトーナメントに分け、そのトーナメント勝者4クラブが次年度のプレミアリーグ参入となります。

そして本日12/9に、そのプレーオフ抽選が行われました。参加16クラブとそのトーナメント分けは次のとおり。

高円宮杯U-18サッカーリーグ2019プレミアリーグプレーオフ(参入戦)トーナメント表

何だよ、比較的ラクなトーナメントに入りたかったのに、ラクなトーナメントがそもそも一つも無ぇじゃねーかよ!(言いがかり)

と、嘆きたくなる程に、出揃った16クラブはクラブユース選手権でも高校選手権でも印象強い好クラブばかり。あれ、こんなにメンツしんどかったっけ??

そんな中であろうと、プレミアリーグ昇格のためには仕方がない。2連勝すればいいし、するしかないのです(どこかで最近聞いたフレーズ)

 

2019年のFC東京U-18を通して、久しぶりにプリンスリーグ関東を多く観ることになって。

振り返ってみると個人的な感覚としては端的に「プリンスリーグに求められる強度レベルが、プレミアリーグに比べて段違いに低かった」と強く思います。コンタクトの場面を観ても、守備のタフさを観ても。また自分らがミスをしてしまっても、それを致命傷にまで持っていかれる場面が非常に少ない。

元々、U-18選手たちがFC東京U-23としてプレーするにあたっても「第2種(高校生年代)と第1種(一般・大学)のフィジカル差の大きさ」に悩ましさを感じていました。なかなかタフに映っていたプレミアリーグですら、J3とここまでの差があるのかと。この差をどう埋められるのか、そもそも高校生の体格・成長的に埋めてしまって良いものなのか?この辺が分からないままに今年からプリンスリーグを観始めたら、プレミア-プリンス間でもこれまた強度レベルが大きく違う。

この「プリンスの強度」に、チーム内の基準が落ちることが何より怖い。今年のU-18は、まだ降格初年度だったからとか、もしくはU-23参戦経験でテコ入れが入るから、まだ基準の落ち幅は堪えられていた(あくまで「落ち幅を食い止めている」という話であり、落ちてはいる事実を忘れてはならない)。

けど来年でU-23施策が終了となるニュースも流れる中で、「日常生活(プリンスリーグ)には過剰なレベルの基準」を維持し続けろという方が難しい。

今年、プリンスリーグ関東を独走した横浜FマリノスユースとFC東京U-18が、共にJユースカップ初戦で大敗したのがシンボリックな例でしょう。マリノス名古屋グランパスU-18と、FC東京ガンバ大阪ユースと。共にプレミアリーグWESTに所属するクラブを相手に、奇しくも両チームとも1-5というスコアで大敗。お互いにプレミア昇格に向けて、改めて己を正した結果だったと思います。

だから、個人的な考えに基づく話で恐縮ではあるけれど、FC東京U-18にはプレミアリーグ昇格に向けて、プレーオフを是非勝ち抜いて欲しいと願います。

今シーズンを終えたトップチームのサポーターの方々にも、少し気にかけて貰えればと。U-18は、ここからがシーズンのクライマックスです。