城福東京からの、大熊東京のチームメイク?

ネタは引っ張るもんじゃないな、と痛感しているのが現在です。

平山相太の怪我はチーム状況としても痛いし、平山自身にとってもこれほど大きな怪我に見舞われるとは…と思うとショックが大きいです。特に、このような今の地震が続く状況で怪我ともなると、本人も不安が大きくて仕方がないだろうとも想像できる。今の彼の心情を思うと本当に苦しい…

大熊東京になって明らかに変わったのは練習量だ。

就任直後、プロ選手として必要なだけの負荷がちゃんと選手にかかっていないとし、以降選手には2部練を取り入れるなど厳しい練習を課し続けている。しかし当然、負荷を上げれば上げるほどに怪我の可能性も増していく。選手に怪我をさせずに、かつ出来る限りの厳しい練習。その境目を見極めるのが、監督を中心としたスタッフ陣の大きな仕事の一つと言える。

城福監督時代の練習負荷量を今と比較してみれば、確かに昨シーズンは負荷のかけ方が明らかに少なかった。その事実を城福監督はのちのインタビューで「分かっていた、しかしやりたくても出来なかった」と、境界線に苦労した事実を吐露したが、それに城福監督も気づけた・整理できた・振り返れたというだけでも、あの解任劇は城福監督にとっても良かった事だったと今でも強く思う。結局、外野も自身も今になってみなければ気付き様がなかったということ。解任されたという立場で振り返る事全ては、監督・城福浩の今後の糧となるはずだ。

大熊東京になって、選手にはより多くの負荷がかかるようになった。そのお陰で、選手も確かに身体的に上がったように思う。CSフジテレビで再放送していた昨年の城福東京の試合(ナビスコ準々決勝9/1H清水戦)を改めて見ると、確かに選手の動きに不満を感じてしまうのだから先入観は怖い。大熊東京になってのこの練習量を上げてきた傾向は個人的には歓迎する立場だ。だからこそその分だけ、怪我も発生するだろうと覚悟はしていたつもりだった。

怪我をすることになったTM栃木SC戦全体も、平山が怪我した実際のシーンも直接見ていないので、どういった流れでこうなったのかは分からないが(今となっては知りたくもないが)、厳しい練習で負荷が残っている状態で選手に何ができるか?をテーマとして定めた結果がこの怪我だったのかと思うと悔しくてたまらない。

伝え聞く様子によれば、バラつきのあるコンディションを改めて統一し、再開モードに改めて整える作業にどのクラブも苦労し、それに伴い怪我も増えてきてるらしい。中途半端なコンディション、不安定なメンタルの中でなにより怖い怪我が、どのクラブにも降りかかり、そして愛する我がクラブではその最悪の事態を迎えてしまった。

悔しさ、辛さ、後悔は増すばかり。だかしかし、それすらも受け入れ、乗り越え続けるだけの器を、全ての人間は示し続けなければならないのだろう。サッカーにおいても、いやこんな時代だからこそ全てにおいて言える事でもあるが…

現状で考えられる大熊東京の最終型は、その表面、ガワの部分は実は、結構城福東京に近いものになるんじゃないか?ってのが今の自分の考え。ただそのためのアプローチが練習を比較してみると両者真逆であることが、やはりサッカー面白いなぁと強く思わせる。そして城福東京にも問題点があったように、大熊東京にも今後ぶつかりそうな(もしくは既にぶつかっている?)問題点があって…

って話で終わったのが前回の話。それがどういうことなのか?続きのおはなし。いま自分が考えている、城福監督と大熊監督のチームメイクの違いについて。


城福東京の小平での練習と言えば、多色ビブスによるボール回し。常に考えながら味方を把握すること、そして2歩3歩の細かい動きでパスを受ける動きの質を上げる練習が特徴的だった。DFライン上でもゴール前でも、確実にパスを回せるように。どの局面においても必要な、ある意味城福流のサッカーの基礎を選手に叩き込み続けた。それを駆使したパスサッカーという大きなデザインは選手に確実に浸透し、かつ実行もされていた。そしてそれはタイトルももたらした。

大きなデザインを作りこんだ城福東京は初期の段階から確かに、見る側にとってもハッキリと異質であり、分かりやすく、何より美しかった。がしかし、そこから細部に取りかかることを城福監督はしなかった。セットプレーは作りこまず、ゴール前では手法を提示せず。勝利にはこだわった城福監督だが、勝つための要素にこだわりを見せなかった。

育成畑を進んできた城福さんの事だから、選手がその殻を破ることを辛抱強く待った部分があったのかもしれない。城福流パスサッカーという強固な檻から抜け出す何かを。そういった刺激策を、選手補強・起用で城福監督はかなり積極的に行なってきた様に自分の目には映っていた。しかしそれでも選手は立ち上がらず、監督自身も直接的なアプローチは行わなかった(行えなかった)。

城福監督のサッカーは勝つためのサッカー。あのパスサッカーは勝つために一番だから行っているに過ぎず、そうでなくなれば喜んで捨てる、と就任当初のインタビューでは豪語した。事実、城福監督は理想のサッカーと勝つための現実的なサッカーを使い分けた。「俺はブレない」と宣言し、理想のサッカーへの自信を選手に説き、他方では徹底したスカウティングで試合を殺すことで現実的に勝ちを拾う事にも手を抜かなかった。その割り切る姿勢が好感だった。

それが解任直前には、ミーティングで選手に「このまま理想のパスサッカーを続けていくべきか?」を選手に確認する事態にまでなった。城福監督の目標は勝つことでなく理想のパスサッカーをすることになり、かつその選択肢を選手に投げた。ブレないと宣言していた城福監督がブレた。この時に、FC東京監督・城福浩アイデンティティは崩壊したように自分は思う。

…大分脱線してしまったけど、降格についてちゃんと触れることができてなかったので、自分が考えてる要因その一端が少しでも吐き出せただけ良かったとして話を進めます。


話を戻して大熊東京。大熊東京はどうか?と言うと、これが細部を徹底するやり方に見える。ゴール前、クロス、展開、そしてセットプレー。シチュエーションを限定した練習が大熊東京にはかなり多い。これが、城福監督と真逆と考えている部分。

城福東京→大熊東京に移行直後。

あの時間の限られた中で大熊監督が小平で真っ先に手をつけたのは、ゴール前でのクロス・シュートだった。城福監督は、大きなデザインばかりで細部の詰めに着手しようとしなかった。その流れを受けて、かつ何より勝ち点3が必要な中で、大熊監督はこの時点で必要な細部とは”ゴールに直結する術”だったとし、それを小平で選手に課した。自分もそれが正解だったと今でも思うし、その成果も確かに上がったが、結果として東京の降格を止めることは出来なかった事実もある。

シーズンが変わり、大熊監督も続投になり、本格的に大熊色も出てくるところで小平で行われている練習は前述のように、より多くの細部にこだわった練習だった。前回エントリにもその枠組みは紹介したけど、他には自分が見たもので言えば例えば、アンダー2タッチで回しながらの選手の大きな動きと展開パスの練習。あとセットプレーについてもかなり入念に行っており、鳥栖戦直前のセットプレー練はかなり緻密だった。細部の練習を徹底し、それが『勝ち点3の種』として選手に仕込まれてく現在の小平は自分にもポジティブに映っている。

そんな大熊東京の現在の問題点は何か?この流れだとそれが何かがある程度想像がつくかもしれない。

要は大熊東京の課題は、小平で仕込んでいる勝ちの種をピッチ上で使いこなす事、もしくはそれぞれを繋ぎあわせる作業。シチュエーションごとの細部を、大きな括りでまとめあげる事になると思う。それこそ城福東京と真逆の問題点が、今の大熊東京にはあると自分は考えている。

もっと突っ込んで言えば、実際の試合でそのシチュエーション設定になってもらわなければ意味が無いということ。

例えば、ゴール前2vs2、直接ゴールを伺いつつサイドに叩く、クロスに対しニアファーで相手を出しぬきゴールを狙う練習。

このシチュエーションを実現させるためには、まず切り替え早く味方選手が多く飛び出していかねばならない。そのためには、既にボールホルダーに対して絶対のフォローが追いかけている状況でも”さらにもうひとつ選択肢を増やすフリーラン”を自ら名乗りあげてみせるだけの意識付けが必要。この、選手の心にかかるブレーキが現状はまだ強い。ただそれは、別の練習で意識付けを強めているからまだいいと思うが。それが出来たら、次はそこにボールを通さないとならない。見えてるか?通せるか?その後は?とオンボールでの問題になる。それは…まぁいいか。


これが、自分の考えるチームメイクのアプローチの違い。前回エントリ以上に、今回は妄想の末の自分の考えを吐き出してみた。

これほどに城福東京回顧の流れで大熊東京の”今”を同列比較し考えてしまっているけれど、重要なことは大熊監督が就任してからまだ1年も経っていないという事実だ。実質1年目の大熊東京を、1年目だって事実の上で進捗度的な意味で判断をすることが何より大事なのだけど、それをするのは非常に難しい。伸び代を想定しなければ進捗度は出せないからだ。個人的にはこれがすごく苦手。大熊監督のやり方が果たして正しいのかが、現時点でよく分からない。

だからこそ、自分の今の考えを、この先照らし合わせていく作業が必要だし、それを楽しむのが、まぁ”シーズンを追いかける”ということでもあるんだけどさ。


さすがに平山の離脱によって路線変更もありうるこの状況なので、今後にどう変更があるか?ってのはあると思うけど、とりあえずこれまでの感想は感想として、先は先で考えればいいと思ったので書いてみました。そしてこれが、前回紹介した『ゆっくりいこう』さんのエントリの、アンサー的な流れに、なっていればいいんだけど。あちら様もあちら様でせっかく、松本山雅戦のような、中身の見えにくい試合内容でここまで書いていただいたんだもん(笑)さてどうでしょうか?

ここで、どうせならと再開戦の対戦相手であるジェフ千葉についてもいろいろと聞いてみよう!といきたい所ですけど…聞くも何も自分がほとんど千葉を知らない(笑)何となくで見ていた第1節は北九州の方が気になっちゃった(酷い)ズバッと聞ければいいのにねぇ、残念ぽんでございます。なので、まず

『ドワイト千葉どんな感じ?』

これをサラッと教えてくださいな。我ながらぼんやりしてんなー(笑)

ただぼんやり視聴していた中でも、やはり目立つのは何と言ってもオーロイの高さ。実際のプレーの感じを見ても絶対の高さでバゴンとゴールも決めてみせた。平山がいない状況ではオーロイの高さ対策ってのは、東京からしたらより難しい状況になったと思う。ただ、チームの戦い方としてオーロイの高さをとにかく使ってって形ではなかったような気がして。単純に使うのを我慢してたというか、実際オーロイ自身も結構動いて足元で受けたがる、受けれる素振りも見せてた。結構動きたがるんですよねオーロイって。そこで、

オーロイはどれだけ動ける?』

これがもうひとつ聞きたい。

高さ対策となると例えば、対戦相手(この場合ではオーロイ)自身に厳しく行くこと、セカンドボールを拾いに行くこと、そしてオーロイ目がけて出されるボールの精度を落とす(もしくは出させない)辺りになると思う。これをどうすればいいのか?本来は第2節の千葉-湘南戦がそれを図る格好のカードだったのに、今や湘南側が我がチームの出方を観測される立場。反町めぇ〜

一般的には出しどころを押さえて、ってことになるのかな?寄せの強さを求めている大熊東京にとっても丁度いいと確かに思う。ただ、個人的には我らが森重真人とのガチバトルが見たい。せっかくの再開戦なので、バッチバチなヤツが見てみたい。情報も少ないので対策のしようがないってのもあるんだけど、オーロイという選手を測る意味でも真正面からぶつけてみたい気持ちが個人的にはある。

正直、森重とオーロイが本格的にパワー勝負やり続けたらオーロイの方がもたないんじゃないかな?って予想も実はある。34歳?になるオーロイが、90分間モリゲと全力エアバトルやり続けられるか?自分には出来るとはとても思えない。まぁ、オーロイが飛ばなきゃいいだけなんだけど(笑)そういう意味では聞き方的には『オーロイはどれだけ飛べる?』とも言える。

ゆっくりいこうのarataさんとしても、ドワイト千葉もオーロイもまだ1試合TVで見ただけでしょうから答えづらいと思うんですけどね。ただ昨年からの千葉の流れを知ってるだけでも自分と違うと思うんで。

さて、どうでしょうか?