TM横河武蔵野戦は観に行けず、今回の松本山雅戦はスカパー様にてTV観戦。
元々、開幕鳥栖戦以降は生観戦は予定上当分無理そうだったんだけど、さすがに今回は観に行きたかった…現地の空気感、特にアルウィンのあのロケーションを堪能できないってのはもったいなかった。まぁでも、自分で選んだ事なんで、それはいいんです。今回は東京の試合がTVで見れる幸せをかみしめた次第。満足して、ボヘーっとして…あ。
TV観戦ならTV観戦なりに少しでもエントリを書くことが出来れば、と自分で書いてたことに気づくのに結構な時間がかかりました。かかった分だけ、こんな遅くにこっそり感想エントリ。
正直なところ、東京のことについて語るもしくはエントリを書くって意味ではネタはたんまりあって。何故なら書いてないからなんだけど(笑)そういう状況だと、上手くネタを小出しにするコントロールが難しかったりするんです。あれを言おうと思ったら、その説明のためにあれもこれも…と思うと気が滅入る。
で、そのコントロールがTV観戦だと尚更難しくなる。何故なら現地観戦に比べて試合から受け取る情報が少ないから。情報が多ければそれを出すだけである程度済んじゃうのが、それが無いとストック探さないといけなくなって、それが芋づる式に…結局は試合と全く関係ない内容にもなりかねないだなんて。って、このくだりがつまりはそうなんですけど。
つまり、松本山雅戦についての話はほとんどありません(笑)
大熊監督が志向するサッカーを、外野である我々は本当に見ようとしているのか?知ろうとしているのか?それを暗に問うたのが、前回の現実的に眺めるっていうエントリ。
例えば、大熊監督がどのような練習をしているのか?が実はあまり周知されてないなということが挙げられる。大熊監督が考えていること、求めていることがせっかくオープンの場で示されているのに、それを材料としないで例えば試合だけでモノを見るのでは限界がある。ハッキリと言えば、不可能だ。
小平での練習こそが重要だ、ってのは城福さんが口酸っぱく言い続けてきたことであり、その言葉には我々も感銘を受けた。そしてこの主張は、城福浩という一監督によるただの主張ではなく、サッカーにおける当然のことであることには誰しもが同意するはずだ。
つまりは、それは我々が城福さんから学んだひとつの財産。城福さんが退任されようとも小平の重要性は心に残しておかねばならなかった事なはず。しかし、その重要性を胸に、我々がどれだけ小平の内容を知ろうとしているか?これではまた、しょうもない人間に「これまでの出来事から学んでない云々」とぬかされかねない。
では何故それを我々が出来ないのか?それは単純な話で「小平の情報がない」からである。当然、練習を見学できるなんてのは自分ですらたまたま得られた機会だってレベルだし、本来は知りたくても知る術がほとんど無い世界でもある。だからこそ本当は、そのあたりの紐解く作業ってのをメディアにはたんまりとして欲しいのだが。特に東京に張り付いてくれてる御方、組織様なんかは特に…(チラッチラッ
自分が見学できた数回の範囲内から言えば、小平で行われている練習の”現在”のキーワードは、『アイデア』と『自立』。それぞれについてを、実際の練習の様子を例にあげて示す。
まず、『アイデア』とはどういう事か?それはゴール前練習で見ることが出来た。
縦1/4くらいに狭めたコートの両側にゴールとGKを配置、両側からそれぞれ攻撃側2枚守備側2枚が出てきて片側ゴールを狙う。フィニッシュまで行ったら休む間もなく次の選手が飛び出し、もう片側のゴールに向かってまた2vs2を繰り返す。ポイントは両サイドに固定で置かれたクロッサー(羽生直剛・椋原健太・阿部巧・中村北斗など)の存在。
…という説明で内容が分かってもらえるかが非常に怪しいわけだけど(笑)簡単にいえば、ゴール前、最終局面の練習をいっぱいやってるよ!ってこと。これは大熊監督の代名詞のような練習にもなっている。
昨年の残留争い真っ只中の就任直後は、この設定でクロッサーから徹底してクロスを送り続ける練習が多かった。攻守2枚それぞれのニアファーの動きの質と、クロス側の意図との疎通。出し手はクロスで、受け手はオフの動きで、主に1.ニア 2.ファー 3.センター(GK近く) 4センター(GK遠く)の4つの選択肢の中から状況を踏まえて最善を選択する。単純に確率だけでも1/4、それぞれがベストの選択が出来れば率は当然もっと高くなる。意思疎通が完成すればゴールご成約、その感覚を残留争いから抜け出すためのスペシャリテとして徹底的に仕込んだ。これは当時の状況として正しい選択だったと自分は思っている。
その練習が今年に入ってから変わった。次のステージに進んだのか、今では大熊監督からしきりに「アイデア!」「アイデアを出し続けろ!!」と激が飛ぶ。
2vs2の攻撃側が単純にクロッサー側にボールを叩けば「もっとアイデアを出せ!」と選手に問う。サイドに叩かずにそれをブラフに相手の間を抜くシュートを北斗が決めて見せれば「そうだ!」と褒めてみせ、全体に「同じパターンはやるなよ!」と釘をさす。クロッサー役だった羽生が勝手にクロッサー役を放棄して中央にカットインするフリーランをして見せればそのアイデアに「ブラボー!」平山がボールを受けてもたついて何も出来ずにシュートチャンスを失えば何度でも「平山ァ!シュート!!!」と怒号を飛ばす。
ピッチ幅設定や枚数など細部は変えるものの、大枠としてゴール前の練習を大熊監督は多く取り入れる。そしてそこでの指導法は徹底して選手のアイデアを引き出すやり方だ。前回エントリで自分は引いた相手を崩さずに点を取ることが大熊東京の現実的な見方と書いたが、大熊監督が考える「崩す術」そのイメージがこの小平での様子からはハッキリと見える。
またある場面。ハーフコート、アンダー2タッチでのプレッシャーゲーム。
練習当初は球際の強さ厳しさをまず求め、その素地が整い始めると今度はそのプレッシャーの中でボールホルダー側はどう回すのか?が問われる流れになった。流れてる練習をあえて止めて大熊監督からの指示が入る。回すためには事前の準備もイメージも必要だし、2タッチでは到底間に合わない場面では1タッチで叩くのが当然だよな?と。サジェッションを投げた上で、柏手を合図に練習再開…が2秒も立たずにまた止めた。
「何で黙って始めようとするんだよ!自分からチームを盛り上げられないでどうするんだ!!」
この日の練習一番の怒号はこれだった。静かでおとなしい選手達に我慢ならなかった。「草サッカーじゃねぇんだから」とまで言っていた。これが小平で選手に『自立』を求めたシーンの一例。
個人的にJ2降格の教訓として「背中でみんなを引っ張るだなんて糞食らえだ」ってのを学んだ。練習や普段の取り組みにおいては姿勢で引っ張ることもあるかもしれないが、それは試合のピッチ上では伝わらないし、それだけで済まそうとすれば確実に負ける。選手として、発するということは非常に重要だ。意見交換などの重要なことから「枠に飛ばせ」とイージーなミスを叱ることも、味方内で徹底してやりあわなければ苦境は引っ張っていけない。強いチームはそれが出来る。
宮崎キャンプではピッチ上で起こっている問題点を選手たちに修正させようとした。集団を盛り上げるという「ムダな仕事」を買ってでない選手に怒りを表した。御殿場キャンプでは選手同士でのミーティングを毎夜繰り返した。勝つためにどうすべきか?それをピッチ上で行動に移せるように。これがクラブ・監督が選手に求めている自立であるとするならば、自分はこのアプローチには賛の立場を取る。
『自立』というキーワードは、大熊監督がシーズン前から表明してきた今年の狙いであり、選手の成長の方向を決める重要なキーワードだっただけに、普段の小平からのこの姿勢取り組みは安心した。そして『アイデア』は…個人的には意外というかうれしい驚きでもあった。その方向で行くのか、と。
であるならば、現状で考えられる大熊東京の最終型は、その表面、ガワの部分は実は、結構城福東京に近いものになるんじゃないか?ってのが今の自分の考え。ただそのためのアプローチが練習を比較してみると両者真逆であることが、やはりサッカー面白いなぁと強く思わせる。そして城福東京にも問題点があったように、大熊東京にも今後ぶつかりそうな(もしくは既にぶつかっている?)問題点があって…
…って書いたところで、再開戦の相手ジェフ千葉関係のブログをやってらっしゃる「ゆっくりいこう」さんからなんかネタが飛んできたんです(笑)ゆっくりいこうさんは同じはてな系、同じ様なブログデザイン、似たようなゆるふわなブログタイトル(笑)と類似点も多くて、以前ウチのブログが某サポティスタにとりあげやがった際にも当ブログタイトルを「ゆっくりいこう」と間違えて紹介されたという浅からぬ因縁もあるブログぅ!!(こっちサイドから言ってるだけ
元々の日程上でも4.24千葉戦ってのは、時期的にも対戦相手的にも今季のJ2全体すら占うビッグマッチとして年初から注目していた試合ではあったけど、今回はJ再開の初っ端としてまた別の重要な意味合いを持った試合となった。それに向けて千葉側の話も知りたいし、どうせならこっちが持ってる勝手なイメージだけでなくその答え合わせ的な擦り合わせも含めることで、個人的にこのビッグマッチを深めていきたいなぁと思っている所存。てか、この重要な一戦がより楽しくなりそうだしね(自分が)。
ゆっくりいこうさんが松本山雅戦の試合を見て、まっさらな立場からの見方としてエントリを書いてもらったので、どうせなら今度はそれに応えると同時に、自分としても千葉のイメージをぶつけて、限りなく現状に擦り合わせることが出来れば…あ、おれ千葉のことほとんど知らないやどうしよう(笑)
ってことで、そんな次回エントリは来週に、なるのかならないのか〜?