4/17 初戦 FC東京U-18シーズンプレビュー

先程は、来週末の千葉戦に向けて?トップの話をだらだら書いてはきましたが、それはひとまず置いといて。今週末4/17(日)は一足先にFC東京U-18もいよいよシーズンイン!ということで、U-18シーズンプレビューでございます。

今年はうっすらとウワサ伝え聞く人も多いでしょうが、ユース年代カレンダーの大改革が行われて、正直ややこしいことになってるので、とりあえず変更になった大会形式をおさらいします。


ユース年代の3大大会はこれまで、JFA管轄の”クラブユース選手権”、Jリーグ管轄の”Jユース杯”、そして高体連も混ざり正真正銘の日本一を決める”高円宮杯”があった。それぞれの大会には当然、出場のための予選が行われ、高円宮杯出場にためには全国9地域で行われる”プリンスリーグ”で成績を残さなければならなかった。東京の場合だと関東1部リーグに所属され、12チームによる1回戦総当たり戦を行なってきた。ちなみに東京はこのプリンスリーグを3連覇中だった!ここ重要。

この”高円宮杯”さらにはその予選に位置した”プリンスリーグ”の、大会方式変更というのが今回の改革。

育成年代の充実には通年によるリーグ戦文化が不可欠だというJFAの思惑を受けて、この高円宮杯プリンスリーグを『プリンスリーグを経て高円宮杯へ』という形式から『プリンスリーグ方式を拡大して、それを高円宮杯とする』形式へと変更した。従来の9地域で行われていたプリンスリーグのもう一つ上に、H&Aによる2回戦総当たり戦、4月〜12月まで続く長期リーグを新設した。この東西2地域によるトップリーグを”プレミアリーグ”とし、東西プレミアリーグ優勝チーム同士が12/17(予定)のチャンピオンシップを争うことで『高円宮杯王者』が決まるという形式になった。

これが今回の改革。理解できましたか?(笑)


通年リーグ創設によるメリット・デメリットは当然あるわけだけど今回は割愛するとして、今回は今年の東京に制度がどう影響するか?にポイントを絞る。

ポイントは、去年の初戦であった”プリンスリーグ第1節”と今年の初戦である”プレミアリーグ第2節”(震災の影響により第1節延期の該当チームとなったので、初戦が第2節となる)とでは、状況・意義付けが180度近く違うということ。

去年で言うプリンスリーグが1回戦総当たり戦だったので、例年大体4月〜7月が開催期間であるのに対し、今年のプレミアリーグが2回戦総当たり戦で開催期間が4月〜12月であることはさっき説明したとおり。ということは、4月の勝敗が昨年までは7月にまで響く状況だったのに対して、今年は4/17の試合が12/11の最終戦にまで響くことになるということになる。言葉にすればアタリマエのことだし、Jリーグと同じなわけだけど、これが大きい。

例年毎度のことながら、倉又U-18は通年で見るとスロースターターだ。倉又イズムとも言える仕事をサボらない意識をベースに植えつけつつ、その土台の上に攻撃の形を作っていく作業には毎年時間がかかっている。これがもう毎年、人間味にあふれるくらいにスローに立ち上がる。

それでも、昨年までのプリンスリーグ形式ならば、前年度の結果を受けて日程が組まれるおかげもあって、初期の対戦相手にはリーグ昇格チームとの対戦が並んでいた。有力チームとの対戦は後回しになるし、チームを作っていく上でこの日程は東京に非常に有利に働いた。一昨年前の開幕戦では、プレシーズンで起用を続けながらもどうにも不安定だった山崎直之が初戦でのゴールを覚醒のきっかけとし最後にはチームの中心にまで成長した。昨年も初起用になった村松知稀がここで自信をつけた。チームとして不安定ながらも自信になる結果を積み重ねることで、成長が促進された。そこでもし苦しい結果を得るとしても、それが響くのは7月までで済んだ。

それが制度が変わった今年は、シーズン立ち上がりから第1節に青森山田(延期)そして第2節に浦和レッズYと強豪チームとの試合が組まれた。なるほどみんなこんな苦労をしてたのね、と日程を見て痛感する(笑)チームを作ろうとし始めるところで強豪チームと当たるってのは確かに厳しい。

今後ある程度はこの大会カレンダーが続くものだとすれば、倉又東京としてはこのスロースターターぶりは改善していかねばならない課題かもしれない。特に倉又監督が就任6年目であり、FC東京U-18としてやるべき事が組織としてJY・スクールまで考えがしっかり降りている状況であるにも関わらずこの状況であると思うと尚の事だ。

逆を言えば、旧プリンスリーグは4ヶ月弱を一気に駆け抜けるリーグであったことと全11戦のリーグだったこともあり、ひとつの敗戦がかなりの大きなウェイトを占めていた。しかし新制度の通年リーグにおいては、少なくともこれまでみたいな無敗という結果はありえない。これはJFAの思惑でもある。

またH&Aともなれば、アウェー試合では遠征もある。JFAはアウェー遠征は基本日帰り遠征を推奨し、前泊させないような日程を意図的に組んだ。遠征即試合の厳しさも経験だ、とは西村昭宏技術委員長のお言葉。JFAの金銭難に上手いこと言い訳がついた格好でもあるが、クラブ間の財政格差がなるべく影響しない形とも言えるので仕方がない。

そういったこともあって、プレミアリーグではアウェー特に北海道・東北遠征においては東京としても難しさを覚悟しなければいけないだろう。トータルで、通年リーグにおける星勘定の考え方、これは見るウチら側が強く意識していかないといけないことかも知れない。


今年のチームについての説明は追々していくとして、浦和Y戦に絞ったポイントを。先日の日曜日に行われたTM横河武蔵野Y戦を材料に考える。

開幕前週に横河Y戦とのTMを組めたのは、東京としてはベストだった。4-2-3-1の横河Yと4-1-2-3の浦和Yとではシステムは違うが、チームスタイルはかなり近いからだ。

2月の新人戦でも戦った横河Yだが、その精度は”3階級下”に所属するチームではない。特に今年はタレントも戦術もレベルが高く、新人戦では対戦相手の三菱養和を完膚なきまでに潰してみせた。今年のクラ選そしてJユース杯では相当上位に顔を出してくるチームだろう。

サイドを上手く使いながら、流動的に相手のあいだをランで切り裂く。その選手にピタリとパスが出せるかどうかが攻撃の生命線。それを4-1-2-3のシステムで戦う浦和Yは、ある意味昨今のトレンドに沿ったチームとも言える。山田直輝高橋峻希高円宮杯を制覇した代ではそのスタイルがピタリとはまったが、その次の代ではエース原口元気のトップ昇格もあって上手くいかなかった。タレント力に依存するスタイルとも言えるだろう。

今年の浦和Yの看板は、昨年からスタメンで出場しているCMF10矢島慎也。アンカーに構える6野崎雅也はチーム構成の目安として、またこういったスタイルで戦うチームの大部分が1トップFWに苦労していることからCFWに構える12高田拓弥、この両者も今年の浦和Yを測る意味で注目すべき選手だろう。

対して東京。まず何より、浦和Y戦この選手出れるのか?って話から。該当選手は10橋本拳人に、3吉田一彦。

10橋本拳人は言わずもがなの存在となった。昨年から10佐々木陽次とボランチコンビを組んでいた橋本は、今季からトップチーム帯同となった。練習はトップチームでこなし、既に味スタのピッチにも立ったので、実際にプレーを見た方も多いはず(観たかった…)大熊監督も橋本の才能を大いに評価し、TMでも期待をかけて使われる存在になってきた。

そんな、トップチームでこれだけ計算されてる選手を、登録上は可能といえども果たしてプレミアに出してくるか?

例えば昨年の小野裕二小川慶治朗の場合は、トップチームの活動が終わって空いた12月にJユース杯には出場してきた。それならば理解できるが、トップチームが活動しているのにそこから離れてユースの試合に出場しに行くか?それであればわざわざトップ帯同とした意味が無い。他方、公式戦に中心として出場する事が経験として大きいことも理解できるが。自分は出場させるべきではないと思うし、必要もないと思う。拳人は今は、トップチームの生活に全力で食らいついていくべきだろう。なので、出場はないとして考える。

3吉田一彦は、2月に行われた新人戦決勝でイエロー二枚で退場しているので、その出停消化がどうなるかがポイント。正直TM横河武蔵野Y戦観終わってから教えてもらって気づくくらいに忘れてた(笑)だって吉田も横河武蔵野Y戦でも普通に1本目2本目バリバリに出てるんだもん。出停消化が直近の試合で適用されるとしても、今回の浦和Y戦は”第2節”、時間軸的には直近になるが、試合番号的には8月に延期した青森山田戦が”第1節”になるので、果たしてどちらに出停が適用されるのかが分からない。クラブスタッフがそれをちゃんと把握した上でTM横河武蔵野Y戦でテストしてたことを信じるしかない(笑)

その上で、予想スタメンを。10橋本抜き、3吉田一彦は出場を想定

−−−-9冷岡−−18岩田−−−
7岩木−−−−−−−−-23小泉
−−−-8山口−−15野沢−−−
6村松−4石原−-5小林−-3吉田
−−−−−−-1谷−−−−−−

当たらなくても責めないでください。その分、当たったら盛大に褒めてください。ローリスクハイリターン精神。

倉又監督のチームづくりは、まずDFラインを固めるところから決めていくが、今年はこの形になりそう。ボランチには10橋本拳人がいない以上、8山口泰志・15野沢英之で鉄板。左SHは7岩木慎也が前任・武藤嘉紀の後継として試合を決める存在に。GKはこれまで16馬場が務めてきたが、TM横河Y戦で最上級生1谷が違いを見せた。今年もGKは大いに安心してくれていい。

難しいポイントはFWと右SH。

FWは元々今年はメンバーが少ない箇所であり、組み合わせを模索し続けている段階。現時点ではキープ力高く守備に走れるようにもなってきた9冷岡幸輝を軸に、フィジカルにポテンシャルがあり忠実に仕事をこなせるオールラウンダー18岩田拓也が最有力。しかし岩田を右SHで起用してくる可能性も高い。その時はFWに19斎藤涼汰もしくは冷岡1トップにしてトップ下に攻撃的MFを据えてくるかもしれない。

右SHは激戦。小柄ながらアイデアある配給とパンチ力もあるダイナモ13福森健太がTM一本目を務めた。多彩な左足を魅せる11湯浅寿紀を置くパターンもある。一番面白いと感じたのはBチームでイキの良さを高値で安定させ始めてきた23小泉将来。運動量と機動力、気の利いたプレーでパスにドリにと栗澤僚一を思わせる小泉が、大事な初戦にすべりこみセーフを決めるかもしれない。


大事な初戦を迎えるFC東京U-18。しかし、実は浦和Yにとっては2戦目となる。

一足先に開幕を迎えた浦和Yは、清水Yを4−0で完勝とこの上ないスタートを切った。元々清水Yは昨年からずっと「気持ちが切れるのが早く脆い」チームで、守備の軽さ弱さから打ち合いをしょっちゅうしていたチームだったので、スコア自体は過度に恐れる必要はないだろう。しかし前述のように、それでも生まれたこの結果が、浦和Yの養分として成長を促したことも間違いない。心身充実した状態で東京戦を迎えられる浦和Yは確かに有利かもしれない。

しかし、そのビハインドを口にするのは青森山田、そして尚志に対して失礼だ。見る限り、東京はやれるだけの準備をちゃんと行なった。言い訳は許されないだろう。

不安の尽きない昨今だが、とりあえずやれることをやれ!ボールを蹴れ!観戦しに来い!応援しろ!所詮それが、サッカー馬鹿の生きる道だ。

変わるリーグ、変わる立ち位置の中、例年以上に激動のシーズンがいよいよ始まる。