クラ選の夏、開幕! FC東京U-18 - 町田ゼルビアY 横河武蔵野Y - VF甲府Y

灼熱のJヴィレッジでの死闘。三ッ沢での劇的ファイナル!クラ選の夏がいよいよ始まる。関東2次予選の初日を観戦。

前年度王者として初戦を迎えた我らが東京。初戦はトップチームが今年からJFLに参入した町田ゼルビアユース。Jの舞台に向けてやっとJFLまで進んだ新興クラブながら、所詮はサッカー処を謳う町田のクラブチーム。未知数の相手に対して東京としてどのような初戦を迎えるかと注目したが、結果は13−0と当然の圧勝。T3リーグ所属チームとの純粋な実力差がありありと出た格好に。
過酷な全社を切り抜けて、やっとこさJFLにまで舞台を進めてきた町田にとっては、ユースカテゴリーはとてもじゃないがまだ本格着手できる部門ではない。ただでさえ町田JFCというU-15での有力クラブもあり、フットサルチームASVペスカドーラ町田も活動をしている中での立ち位置もある。T3所属クラブだろうな、って程度のクリアの質だったりイメージ共有の少なさだったのが本音である。
それに対する東京はガチメンバーで最後まで手を抜かずに粉砕しきった。連覇を求めるチャンピオンには、相手に余裕を見せるゆとりなど、日程的にもある筈がないのである。
スタメン1トップは重松健太郎。先週の流経柏戦で久しぶりの途中出場を果たし、この日はとうとうスタメンに。取りも取ったり6得点、ダブルハット達成で完全復活!
…と言いたいところだけれど、プレーぶりを見ればそれにはまだほど遠い出来なのが実際。周囲との連係、「使われる」プレー以上に「使う」プレーがまだまだ全然なってない。中央で納め、アイデアを発揮し、それを実現しうる唯一無二のテクニシャンということで可能性を示したことは確かだが、当然その熟成度は本人の精度もあいまって20%程度ではないだろうか?こんなものではない、のである。
しかしさすがの得点感覚、その片鱗は感じた。その片鱗だけで取った6得点、と捉えてもらって結構だろう。やはり、彼の「片鱗」はモノが違うのである。
後半途中交代。試合後の挨拶では両足に痛々しいまでのアイシングでぐるぐる巻き。所詮まだこんな状態の重松だし、それでも出場させていることを考えたら、この厳しい状態とは程度はどうあれ今後も付き合っていくことになるのかもしれない。厳しい状況には変わりない。

けどやはり、彼は東京の10番。期待せずにはいられないプレーを今日我々に見せてしまったことも確かだ。絶好調を通り越して「剥けた!」な18山崎ナオとのコンビネーションの美しさったら、あれはいったい何なんだろう…


と、これはまだ、多くは語るまい。たった今始まったケミストリ、その可能性は直接その目で是非確かめてほしい。
5/31ヴェルディグランド。東京ヴェルディユースvsFC東京U-18は13:00キックオフ。プリンスリーグの大事なタイミングでまたしても訪れた「ダービー」。昨年はダービーの劇勝から全国制覇への道が始まった。
クラシコの翌週はダービー、アウェーでも高地でも、ヴェルディだけには負けられない!


…以上、ダービーの宣伝でした。ちゃんちゃん。

気を取り直して横河グランドへ移動。Number巻頭の岩淵真奈ちゃんはカワユスなぁ、とか立ち読みで時間を潰して、さて横河Y-甲府Y。鹿島ユース、マリノスユースと同組に入ったことで、順位決定戦進出のための3位争いのライバルとなる両者。いきなり直接対決の大一番。
横河YはT1リーグにて現在2位。新人戦ではヴェルディユースを破り2位に輝いた期待の代。今年はT1のチャンピオンと全国を狙いたい。対するVF甲府Yは昨年プリンス2部から降格し、今年は山梨県リーグで戦うがさすがはJ2クラブのユース組織、無敗で悠々こなしている様子。特に昨年の時点で1年生がスタメンのほぼ半分を占めており、現在2年の彼らが活きよく中軸を担っている。監督は今年から保坂不二夫氏が就任、コーチは仲田建二氏が担当しておりスタッフ陣も抜かりなしか。

横河武蔵野 4-2-3-1
FW:10
OMF:9 8 6
DMF:14 3
DF:2 5 4 15
GK:?

アタッカー11がベンチ。3は高身長とヘッドの強さから明らかにCB系の選手なんだけど、この日はボランチに入り、甲府10番をマンマーク。明らかな甲府対策(10番対策)で前半を入る。さて甲府の10番とは?

甲府Y 4-2-3-1
FW:11牛奥
OMF:8大野 10堀米 9長島
DMF:6塩野和 7佐藤
DF:2土橋 5二子石 4大津 3有賀
GK:?

つーかね、つーかだよ。
このネット社会の御時世でね、メンバーの背番号と名前が載ってるところが全くありゃしない!オフィシャルには背番号は無いし、試合結果も単純が過ぎるものだし、ブログ界隈のレポートも見つけることが出来なかった。だから「ヴァンフォーレ甲府アカデミー公式ブログ」の記事を全部読んでだね、写真とキャプションを自分のメモと照らし合わせてだね、やっとここまで背番号と名前を推理したんだよ!だれか褒めてくれ!パンフとか無いあいだは情報として活用してくれ!つーかだれか詳しい方、訂正お願いしますよ…
コナンくんバリの名推理が正しければ、11牛奥以外は恐らく全員2年or1年。特にこちらのサイトと照らし合わせれば、2年の土橋・有賀・堀米・塩野和・長島は昨年の時点ですでに若い背番号でバリバリ闘っていた様子。
甲府の10番は堀米勇輝。プラチナでおなじみU-17日本代表の常連で、先日のFC東京トップとのTMでも宇佐美・宮吉とともに前半に出場、ボランチとして活躍していた選手。クラブに帰ればトップ下、当然のキング。王様スタイルでやりたい放題?
しかしこの堀米が実際すごい。スピード・ブレーキが高いレベルで備わっていて、突っかけられるし左足精度は抜群だし相手の逆は悠々とれるしで普通にバケモノさん。つかU-17ってこんなんばっかだよ…
その堀米・牛奥・長島を中心に、甲府の攻撃は遅攻ゼロの速攻オンリー。切り替え直後に前線一発ドーンと蹴って、そこからは淀ませることなく一気にゴールを狙いきる。審判に抗議する時間があるならクイックリスタートしろ!ってくらいに目まぐるしいスピード。単純だけど、個々の技術もなかなか高いし3人のホットラインも分厚いからしっかり攻撃をやり切れる。
前半、横河は3番の選手が堀米にマンマークで付かせるけれど、ボールに絡ませてしまえば堀米はカットインありヒールパスありのやりたい放題。堀米を止めきれず、甲府の想定以上のスピードに横河は手こずり、メンタル的にも一気に後手になる。しかし前半はなんとか0-0で終える。


予定通りか、対策なんて意味ないやと割り切ったのか、後半は対策を多少緩和して11番のアタッカーを投入。左サイドに配置し、キープ力高い14番がトップ下に上がる。この11番が評判のキレの良さ、前半の劣勢が嘘だったかのように甲府を押しこむ。それにつられて左SBの2番も高い位置を取り始めてえぐりが効くように。クロスからの押し込みやセットプレーからでシュートを放つが、バーありポストあり甲府GKのグッドセーブありで、しかしこちらも結果が出ない。
甲府は変わらず速攻オンリー。槍のように鋭く研いだ攻撃だったが、もう一息となった時にチームの「幅」が求められた時に苦しくなる。セットプレーはキッカー堀米が優秀なのでチャンスになるが、この日は結局ゴールを割ることが出来なかった。

死力尽くした試合は結局スコアレスドローに。両者「チックショー!」と悔しがり倒れてしまう。激闘だったが結果はついてこず、「完全燃焼の消化不良」で試合は終わった。


熱のこもった好ゲーム。またあまりしっかり見たことない両チームだったこともあって、非常に楽しめた試合。両者ともになかなか面白いチームだった。両者の3位争いもさることながら、格上鹿島ユースとマリノスユースにお互いがどういった戦いを挑むのかも興味深いところ。
う〜ん、どっちか大物食いしてくんねぇかな?