コイツだけで3年はユース楽しめるわ プリンス関東一部 湘南Y-FC東京U-18

日曜日はプリンスリーグの開幕戦へ。産能大は遠いから、起きれないだろうから、ヴェルディ-三菱養和のよだれカードに久々のSEIRITZが観られるヴェルディグランドでお茶を濁そうかとも思ったが。まぁ最初ですからね。新年度一発目、我らがFC東京U-18を選択。(しかしお茶を濁すというにはヴェルディグランドのはあまりにも豪華なカードだったが…)

初めましての産能大第2グランド。けどあそこはハッキリ言って初心者には分からない!危うく初めまして出来なかったところだった。そもそも小田急線で伊勢原と海老名を間違えて降りたし。どっちも似てるし、どっちが正解かワケ分からなくなるし。これだから小田急線は!そしてバス乗って降りたところは何だか予想を超えた原風景。裸の大将というかおにぎりというか。しかも降りてみて考えたらバス停からのルートを何も考えてなかった。結局「たまたま居た」東京サポ様と地元様(?)におんぶに抱っこで無事到着。東京サポ様はしっかりと地図を持参してきた様で、この辺、育ちの差というかしっかり者と適当クソ野郎の差というか。考えたら文章のカラーも随分と…
そんなこんなでやっと会えたよ産能大。山間を切り開いてか、しかし綺麗なクラブハウス的建物とピッチリとした人工芝グラウンドと照明設備。施設は素晴らしい。話題のビーチバレーコートも、この辺にあるのか?

  • 似た者同士の90分。目立つ両CB

両チームスタメンは各所参照。東京としてはやはり肩書き的にはU-17代表阿部とU-16代表の廣木がまずは目立つ。2トップは岩淵と山村、共に3年でトップの練習試合等にも良く出場する様になってきた。
初見の湘南Yの印象も含めて、お互い似たもの同士というかカラーの近いチームか。目立つのは頑張る守備と屈強なCB。東京のCBの畑尾・藤原は負けない空中戦と、冷静でいてかつ厳しく身体をぶつけるタイトな守備をハイアベレージで見せ続ける。特に藤原は奪った後、ファウルを貰った後のフィードが抜群。弾丸系、柔らか系を両足で使い分けるのもポイント高し。元々ボランチをやっていたというのも納得、ジェラード系というと言い過ぎか。
そんなフィードと、後半から効き始めた大貫の散らしをきっかけに、東京が相手ゲインを突破していく。矛となるのは阿部・廣木の左サイド。まるでやんちゃな兄に冷静な弟(大阪のどっかの兄弟みたい?)。阿部が活き良くガンガンに仕掛け、それを廣木が適宜オーバーラップをしてやるなり後方で蓋になってやるなり。なかなかのコンビネーションで脅威となる。
フィニッシュは2トップの役目。しかし前半早い段階で岩淵がGKとの競り合いで右足首を負傷。そのままプレーを続行するが精彩を欠く。山村が飛び出しなどで奮闘するが、山村のみでは湘南CBは破れない。山村が悪い訳ではなく、この日は湘南CBの甲斐・岡崎もこれまたよかった。昨年度サハラ杯を取ったチームに対してと思えば、2年生と1年生(!)のコンビは非常に堅い仕事をやって見せた。
お互いが出来の良いCBを最終的に突き破れないもどかしい状況が続いた。時間にして実に87分。「そろそろ・・」とこちらが焦れるのも無理もない、我慢の展開。その中で掴んだやっとの1得点。1-0勝利という結果は、最終的には地力の差で押し切った形と言えるか。東京は交代で投入した重松が持ち前の力強さを発揮し、FWとして投入されたDF須藤が結果として決勝点を取る活躍をしたのに対し、湘南の選手交代は東京に傾いた流れを取り戻すまでには至らず。また交代選手が全て1年生だったことも、邪推かもしれないが差として出たはず。結果として倉又采配が大的中、貴重な勝ち点3を手にする。

  • ムダの作れない11戦 何より貴重な勝ち点3

昨年を思い出す苦い結果がちらつきながらも、最後に手に出来た勝ち点3が全て、と言っていいだろう。12チーム一回戦総当たりのリーグ戦であるプリンスリーグ関東一部。そこから上位5チームが高円宮杯に出場、下位3チームが二部降格というのがレギュレーション。これは勝ち点3が全てといって許される、シビアで厳しいものだ。高円宮杯出場、そして制覇を目標とする東京にとっては何よりの結果がまず得られたことがこの日はまず大事。ユースという観点上、結果よりも内容重視とも言いたくなるところだが、現状、選手が一番伸びる時期にビッグマッチを続けて戦える高円宮杯は、「選手を伸ばすために」絶好の厳しい環境。是非出場権を確保しておきたい大会になってきたと言える。その為の第一歩。着実に踏み出せたことをまずは喜ぶべきだろう。また、この日の東京が決して悪い内容ではなかったこと、FC東京U-18らしさをしっかり出し切っていたことはしっかりと付け加えておく。厳しい展開の中、よく勝ち点3をもぎ取ってくれたと思うよ選手達は。適当クソ野郎はベンチを飛び出して喜んじまったよ。ただ、山浦はもっと出来るんじゃないの?!!

簡単に湘南の方にも触れておくと、トップチームに非常によく似た「ハードワーク」を欠かさないチームだった。中心はやはり菊池大介。予習無しで観てて、終わってから良い選手だと照らし合わせてみたらやはり菊池だった。菊池は現在2年生。菊池だけでなく両CBや交代選手も若い選手がとにかく目立ち、来年を意識したチーム作りとも言えたのか。既にトップでデビュー済みの、湘南ユース最高傑作が最高学年になった時を見据えたお膳立て?しかし菊池大介はそんなお膳立てをされて然るべきの素晴らしい選手であるとも言えるし、このタイミングで湘南ユースとしてドカンと実績を作りたいところでもあるだろう。決して今年が悪いチームという訳でももちろん無いので、今年のステップも築きつつ、盤石な湘南ユースと来年「プリンス関東一部」で対戦するのが楽しみである。二部降格で菊池のみトップ帯同専念なんていう、悲しい消去法にならないことを願うばかり。もちろんウチら側も然り。

  • 染まった選手と染まってない選手のアクセント

公式戦後にはBチーム同士での練習試合。会場で一試合しか設定されてない恩恵がここにある。新年度となり、新一年生がガッツリ登場する練習試合にも、面白いトピックは多くあった。
練習試合では、前の試合のヒーロー須藤が本職のCBに入ったり、新一年が多く出場したりとフレッシュなメンバー。この試合の詳細は避けるが、やはりJYの深川・むさしもなかなかの強さなだけあってか、Bチームになると多少の差を感じたか。Bチームの選手達もそれぞれ面白い個性があって、個人的に「オレの○○」候補も多数発掘。これまた個人の詳細は避けておくが、何というか深川・むさし育ちのカラーがしっかり出身選手達に叩き込まれているんだなというのは、改めて驚き。一貫したコンセプトの強さを感じた。と共に、U-18から新加入した選手の、良い意味での「染まって無さ」もまた、チーム内で面白いアクセントになっていた。この試合で言えば、途中からのボランチコンビ。両選手とも、面白かったなぁ。何というか、これだけあればメシ3杯はいけるわ、っていうおかずに出会った気分というか(てか何で麻婆豆腐が1票だけなんだよ!@ろんはー)。ユース観戦・大学サッカー観戦にはまっていく人は、こういう出会い(一目惚れ)で3年間を拘束されるんだろうなぁ、と何となく気持ちが少し分かったような気がした。
今日の2試合で、今年のU-18の選手を大体は見ることが出来た。気になった選手、おっと思った選手は数多いけれど、それらの背番号と名前とプレーぶりを照らし合わせられたのは何より現地で頂いたメンバー表のお陰。ホント、手頃なサイズに貴重な情報の数々で大いに助けられました。今年は、これを片手にU-18を見に行くことになるのは間違いないですよ。ホントありがとう御座いました!今年はユースの現場でちょくちょく、よろしくお願い致します。

  • ロンドンではしゃぐために。ブラジルでドンチャンするために。

大竹・大津・河野などU-19世代の躍動が嬉しいトピックスとしてJリーグを駆け回っている現在。この活躍目覚ましい大竹世代を筆頭に、今年の高校3世代は全てロンドン五輪世代、そしてその先のブラジルW杯の中枢を担う世代である。ロンドンでベロンベロンにはしゃぐ予定であり、ブラジルでドンチャン騒ぎしまくる予定である自分にとっては今年のユース世代は決して無視することは出来ない。オレのドンチャン騒ぎの可否に大きく関わる世代である。そんな今年のユース世代を注視していこうと思うのは当然の流れだ。今観ている選手達が、地球の裏側で全世界を驚かすことになるんだから。だってロンドンのPUBで「岩淵はオレが育てた!」って自慢して、知らない外人とギネスで乾杯、したいじゃん!
私利私欲にまみれた締めで申し訳ないが、北京のその先、半年後にはイヤになるくらい聞くことであろう「ロンドン五輪」の主力を担う選手達が、現在ユースという環境で黙々と力を蓄えていると思えば、ユースへの興味も増してくるというもの。また、「その先」を見るだけでなく、ユースという環境だからこその楽しみだって素晴らしいですよ。
ロンドンで、世界を驚かす選手を観に。
プリンスリーグ面白いですよ。