東京マラソンの舞台裏 ー東京を3万人が走るまでー

春は「思いつきで行動」する季節。
新年度もスタートし、今年もまともなことからくだらない思いつきから、諸々に手を出す予定ではあるが、その一つに『読書』。読書の習慣づけは昔からの念願であり、元々当ブログ開設の動機も「文学少年になる!」ことからだった。あぁなんと懐かしい響き。そんなことを昔は公言していた。それが今やこのザマですが。しかしそんな読書も昨年結構軌道に乗ってきて、自分の有限な人生の中で「これから本を読む時間が決定的に足りない」ことを自覚するほどになった。そう、自覚はした。読書量には反映されない。
それが新年度スタートからまたモリモリと(個人比)読み始めることに。幸いにも浅く広く興味を持てるタチなので、読みたい本候補は腐るほど出てきて、ケータイのメモ帳に読みたい本リストをメモって読んでは消して、が段々と楽しくなってきた。今年は習慣付きそうだ。

東京マラソンの舞台裏―東京を3万人が走るまで

東京マラソンの舞台裏―東京を3万人が走るまで

東京都内での一大スポーツイベントということで、FC東京クラブスタッフやサポーターなども参加・ボランティア等で関わった東京マラソン
東京を3万人が走るまで、その為に様々な困難があったであろう事は想像に難くない。しかし、難くない故に思考の深度はある程度で止まってしまうとも言える。多少ダイブするだけで、首都・東京の交通網を止めることの難しさに直面できてしまう。そこで満足し、思考はその時点で停止してしまいがちだ。
しかし、困難はそんな浅いレベルで止まるはずがない。深く深く、ダイブしていけば思いも寄らない困難は尚のこと出てくる。
本書は、そんな東京マラソンのプロダクトに関わる、東京マラソン事業部部長・運営主幹・ボランティア担当から、警察・スポンサーなどまでのインタビュー集。多くの現場の方々の言葉から、困難の深層へとダイブしていく。
面白いのが、東京マラソンという大会を「東京大マラソン祭り」という形で仕上げていこうという姿勢だ。3万人が走る。応援する観衆が集まる。そこには必然的に多くの注目が集まる。そんな、しかしただの市民マラソン大会を、今や廃れつつある危機に瀕する伝統芸能を披露し合い、その地域の御輿が大いに踊る、そんな東京イチの「お祭り」へと仕立て上げた。その方向にベクトルを傾けた、思惑。苦労。また、そこで披露された伝統芸能にそれぞれ込められている「悪魔祓い」「五穀豊穣」「天下泰平」などから透けて見える、運営側の思い…
東京マラソンという大会が単に地元のマラソン大会に終わらない、モヤモヤした魅力を、外野から実際に感じていたが、その理由がここにあった。その苦労の上で生まれた「成果」。そして「可能性」。
何だか面白そうだなぁ東京マラソン
同じ東京のスポーツイベントとして、FC東京もこんなお祭りには乗らなきゃ損ソン、でしょ。同じスポーツを愛する、「東京」の名の付く者として、お暇な時に読んでみてはいかがですか?