まくらに非常にどうでもいい話をすると、ここ最近非常にノドの調子が悪い。実際にお会いした皆様には迷惑な症状だったと思われるので、非常に申し訳ない話なんですが。冷房的な送風に当たるとスイッチオン、咳が出始めるとどうにも止まらない。しかも熱が出るだとかそういう体調的な変調があるわけではなくて、ただただ迷惑なだけという始末。
そんな調子悪いノドに非常に優しくない3日間が今日から。本日はクラ選準決勝、FC東京U-18対新潟ユース。過密日程なんで目指せ当日レビュー!
まぁ、出来は相当に悪かった。
久しぶり出場となった13武藤は右SBのポジショニングとして中央への絞りが甘かった。8年森は長い散らしパスの精度が珍しく悪い。18山崎ナオはドリブルのキレ、ストライドがイマイチ。と、挙げ出せばキリがないくらいに。アビスパ戦の立ち上がりの重さは、もっと緊張だとかのメンタル的というか、大会特有の重さだったけれど、今日なんかは恐らくコンディションのソレ。オンボール時の技術がブレていた。
それに対する新潟。外へ簡単に展開しないで、それをフェイクとして中央にパスを通す意識なんかはしっかり備わっていて、普通に良いチームとされるものではあった。16平松は引き出す動きを絶やさず、その一連のプレーはなかなか良かった。
それでも先制は悪いなりに東京。11梅内は左サイドから縦に突破すると、中央へ右足アウトサイドでタイミングをずらしたボールを中央へ入れる。これが相手DFの手に当たりPKの判定。この是非は遠いサイドでの話なので全く分からないが、それを10重松はドカンと中央にぶち込み先制。続けてすぐの時間帯、ゴール前でごっちゃになったところのこぼれを7星が詰めて追加点。出来の悪さを感じさせながらも前半20分で既に2-0とする。
これを前半のウチに3-0として試合を決めきれなかったのが、そして後半にも追加点が奪えずトータルでも2-0で終わってしまった事実が、今日の東京の出来を表し、また新潟との差を表したものにもなった。
新潟との差として表れた部分は、これまた「倉又イズム」としか表現しにくい部分。
ひとつは徹底した守備意識。個々を細かく見れば、前述の武藤のポジショニングだとか、11梅内のセットへの戻りの遅さだとか、倉又監督おなじみのベンチからの怒号が飛び出していた事からも示される程度のものだったと思う。けどその程度で大勢は動かず。猟犬の様に爆裂に食らい付くチェイシング、深く厳しく入り込む当たりチャレンジに続けざまに入るカバー、そしてカバー。これで確実に相手のボールを掠め取る。プリンス最終戦のマリノスY戦を思い起こさせる、「結局シュート本数は○本のみ」みたいな状態に、この試合はあったと思う。この守備が、コンディションの出来不出来に左右されないレベルで、あくまでベースとしてやれている強さ。本人達にとってこのレベルの守備は100ある能力のうち恐らく20〜30程度で行っているに過ぎないのかもしれない。それほどの『ベース』。
そしてもう一つが『ゴールに直結する怖さ』。シンプルな形でも、技巧で細かく回すパターンでも、そのベクトルはただゴール一点に向かって、太く大きく指し示す。このゴールにかかる姿勢、その怖さったら相手にとって凄いプレッシャーになっていると思う。倉又東京のこのゴールに向かう『圧』ってのは今年のユース年代ナンバー1だと胸張って言えるし、他のチーム(トップ下部世界各国全て含めて)を見てるとどうも「そのサッカーはゴールのために向かっているのか?」と疑問を感じてしまいかねないくらいの『圧』であると、いち青赤サポの自分は贔屓目にこう思わずにはいられない。
この両者は所詮、意識の問題。意識のレベルの高さと、それを続ける徹底ぶり。つまりそれは技術的なものとはまた少し違う、『鍛えこまれた』部分。倉又イズムを徹底して叩き込まれた青赤ユースっ子は、やはり伊達じゃない。つうか、強ぇ。淡々と、決勝進出を決めて見せた。
さて次はいよいよ決勝。せっかくの決勝だから、今年も多くの方に見に来て頂けると期待したいし、是非熱のこもった声援を送ってあげて欲しいところ。
しかしその前、出来れば知っておいて貰いたい事がひとつ。
それは、今年の決勝までの勝ち上がりは、昨年の勝ち上がりに比べて断然厳しい勝ち上がりだったという事。
昨年の予選は他と比べても無風のグループで、ある程度組み分けに恵まれた中で悠々と突破してきた。準々決勝でも8-4という大差スコアで、課題はありながらも余裕残しでの通過。精神的に余裕を残しながら乗り込んだ三ツ沢だった。
けど今年は違う。優勝候補・三菱養和に名門ガンバユース、九州のユース先駆者福岡ユースという死のグループに入り、そこからほぼ1位でしか通過する事が出来ない厳しいレギュレーション。ひとつも星を落とせないプレッシャーの中で強豪との厳しい連戦をこなし、続けた準々決勝ではロスタイム決勝ゴールでの4-3というスコアの死闘にもなった。字面だけで比べてみても今年は厳しいものであった事がよく分かる。去年よりも厳しい中、やっとの想いで「来てくれた」そんな三ツ沢・決勝戦なのである。
「今年も来れたぜ、我が軍つえー!」とは試合中に弾けてくれればいいし、夏だからもちろん尖るさ。けど試合前、そして試合後、ここまで頑張って進んできた彼らには盛大な拍手を送ってあげて欲しい。お疲れさん、今年は大変だったね、と。労いの気持ちを少し送ってあげて欲しいのです。
さて、決勝。相手はセレッソ大阪U-18。カップを奪い取れ!掲げよ東京!!