4-2-3-1。2段ロケットのサイドアタック。追いかけて追いかけて、ガス欠。チャンスは作っても、点は取れない。
そんな試合を観て、スタンドも発狂。久しぶりに、面白い??
アマラオの引退試合の際に感じた、ほとんど見た事のないはずのTOKYO LEGENDSから発せられていた強烈な『DNA』。間違いない、オレ達のDNAの、その源流はここにあったんだという「新発見」。それに近い驚きというか何というか、を感じた試合だったかも。青赤のDNAに溢れた試合。左サイドがカボレじゃなくて戸田だったら、勝てたんじゃないかなぁ?
- 青赤の血が燃えに燃える!
立ち上がりにいきなり失点。打ったマルキを褒めるしかない1点目と、見事にお礼参りされた2点目。あっさりと個でぶち抜かれた2失点で何だそりゃ?ともなりかけるも、なぜだか今日は楽しい。
DNAでサッカーをしている。それはもう、おなじみのアタッカーがサイドをガンガンいってのワイド攻撃。ただここで言葉遊びをしてみると、そのサイドアタックには確実に「moving」のエキスがベースにあった事。宮沢ボーンのワイド攻撃よりかはもっと今年的で、ショートパスでサコーンとサイドへの展開。その担い手は間違いなく『あの時よりも進化した』ナオ、それが全てだったろうけど、けどやっぱ楽しいよね。こういうサッカーがみんな好きだよね。
カウンターで突く。相手の意識の空白を突く。そういったしたたかさも進歩の証(いきなり2失点喰らっておいて進歩も何だけど)。羽生からの赤嶺ゴールは、東京らしくない血がアクセントとしてチームが機能した瞬間だったでしょう。
前半、楽しかったねぇ。「やべぇ今日楽しい」って言い合ってたもんね。「0-2だけど楽しかっただなんて、そんなエントリ書いたら怒られそうだけどな」とかね。はしゃいじゃってさ。一月遅れの開幕気分だったから、って可能性も無きにしもあらずだけどさ(笑)
- 守備に無策が過ぎた
鹿島サポの友人曰く、「東京の守備は去年よりいろいろと遅くて甘い」だそうです。さすが王者さんとこのサポさん、仰る通り(笑)
東京がこうも守備に無策じゃなかったら、もうちょい出来てただろうね。
守備時には4-2-3-1から4-4-2の今年おなじみの形になるんだけど、そうでなくなった場合、つまりこの守備陣形にならないままに守備に追われる事になった場合、東京は4バックにセンター3人のトライアングルで守っている様な状態。両翼のカボレ・ナオは、やりたい時に守備してって感じ。
こうなった時にどう拙いかってぇと、ウッチーお得意の浅い位置からのゆるふわパスが全く対応出来なくなる。ウッチーのこのゆるふわパスは個人的にもかなり「狙いが良いなぁ」って評価してて、さすが風間やっひーのスペトレ出身だわって強引に結びつけたくなるんだけど。このウッチー起点が鹿島のクサビパスの、一つのルートとして成立しているわけで、そこに無策だってのはまず一つ、やりすぎだろうと。
また、たとえ守備陣形が4-4-2になったところで、ウッチーを見る左サイドはカボレだし。しかもトップの「2」のところが赤嶺と梶山でやってるし。これが4-2-3-1からの変化的に一番やりやすいんだけどさ、う〜んどうなんだ?梶山はここ最近やっと、ボールキープで見せる「ヌメリ」を守備で使える様になってきて、その辺も楽しみになってきたのにそれがこれでは…もうちょい何とかならんかったのかという面と、しかし梶山の将来の可能性に本格的に「トップ下」も入れてくのなら、梶山本人もどうにかして貰わなきゃいかん。
ってのは試合を観てて思ったことで、そこを見てもちょっと無策が過ぎるのでは。けどこれは友人の感想とはあまりかすらない部分。感想で触れてたのはやっぱり、切り替えの部分でしょう。
- 伸びきったゴムじゃあピシッとはならないよね
トップクラスの鹿島の切り替えスピード、堪能させて頂きました。一級品のカウンター、これは非常にオレ好みだった(笑)
注目だったのは、カウンター時には必ず鹿島は6人が絡んでいること。絶対6人。どう絡むか分からなくても、6人は絶対ダッシュで駆け上がる。この意識の叩き込みだよね。これがチームです。
だって絶対6人なんだもん。6人上がるって事は、4人は残って再逆襲に備えるって事。そして「絶対」6人が、ということはそれがチームの狙いとして徹底されてるって事。クロスオーバーのフリーランニングとかも、キッチリ「練習通り」なんだよね。
オレもバカじゃないから、やってるモノを見せてくれれば、それがどれだけの練習の成果かって事くらいは分かる。オズになってからずーっと、これを叩き込んできたんだろうなぁって。これは胸張って世界に見せれるよ、一級品。これにはカネ払う価値があったよ。
それに比較して言うけど、やはり東京は甘かった。攻→守も、守→攻も。後半はそれに輪をかけて立ち上がりからずっと「ガス欠東京」で(嫌いじゃないけど)。伸びきったゴムのような、緊張感のまるでない切り替えを見せられてしまったなぁと。この辺の意識の植え付けは、ほとんどやってないんだろうね。オレもバカじゃないから、分かるよ。つか東京を見続けてるくらいサッカーが好きな方ならみんな、その辺の審美眼はあるはず。その感覚がなんとなくでも、その直感はたぶん正しい。
- これがACL流、経験値ってことなのか
守備に無策で、切り替えがゆるゆる。それが後半にはガス欠東京(嫌いじゃない)で更に顕著に。そのそれぞれに対して鹿島がどう動いたかが、この試合の流れを決めた。前半レベルのゆるゆる切り替えに「走るべき所で走って」突いた鹿島。しかし後半はさらに緩んだはずの東京を鹿島は突けなかった。
後半が東京ペースみたいな話になってるけど、あんだけ酷い切り替えを東京がしていてそれはないのでは?だから東京が良かったと語るよりも、鹿島がどんな状況で、またどう動いたかを考える方が自然。
ACLの影響でコンディション的にしんどかった、ってのは当然なので省くとして。やっぱりあの部分がJとACLをこなすための、経験というか順化なんだろうと。この試合の鹿島についてのフレーズとして「省エネサッカー」ってのが多く言われていたのは、まさにその通りで、「2-1、東京はゆるゆる、ウチは超疲れた」ってシチュエーションで年間スケジュールをこなすにはあぁしかないんだろうな。あそこで「やべぇチャンスだ3-1、4-1にしてやろうぜ!」ってやってたら、いくら身体があってももたねぇぞと。むしろその学習を、この試合中にしていた可能性も。「やべぇ先週の火曜に4得点とかはしゃがなけりゃよかった…」と(笑)
城福監督はあぁやって試合後にはしゃいでたけど、相手ありき+見るに耐えない切り替え精度の末のあの内容だってのは忘れちゃいけない。さすがに城福監督がまさかあの切り替え精度で満足してるとは思えないけどね。ゆえにあぁいった内容ながらも選手交代は早め早めに決断していくべきだったし、ナオの交代タイミング含めて今回の試合はそれなりに適切な交代をしてくれたのではと思っている(あそこで「鹿島のライフはもう0よ、反撃の力は残ってないわ」と判断してナオをギリギリまで引っ張ってたら、それは連覇の王者を舐めすぎだと思ってたところ)(実際鹿島のライフはもう0だったけど笑)(カボレはケガっぽかったけど。ベンチに座ってからスタッフが3人がかりで足を見てたし。無事を祈る)
- 他サポ向けに大迫くんの話でも
あれだけ昨年ユースの試合を見に行っておきながら、今回が初大迫という何ともイロイロ外しまくりなオレですが、なるほど良い選手なのは間違いなさそうで。
現状で興梠のが当然かなり上でしょう。途中投入で見た興梠はさすがだと思ったし、特に足元への収まりとその後に段違いの差がある。絶対値で言えば当然興梠がスタメンであるべき。それでも大迫スタメンだってのには、興梠にとってのぶら下げたニンジンというか、それが興梠にも大迫にも成長に繋がるとのオズの判断であり、実力よりも成長を取ったチョイスであることには間違いない。
けど、一歩引いて冷静に考えれば、日本代表候補でもある興梠のニンジンとして選ばれたことにまず驚きを表さなければいけない。そして例えそれがニンジン扱いでも、連覇鹿島のスタメンを張れているということも。鹿島所属の日本代表候補のニンジンに選ばれたことは、これはかなり名誉なことである。
そう冷静に考えれば、大迫が「既に凄い」ってことに異論はないはずである。大迫くんは最高級のニンジンであり、つまりニンジン娘なんです(違う)。
だから今後も、彼がこのオイシいニンジン状況をどう活かすのか?これはオズが大迫にかけている期待と同じように、周囲も温かく見守ればいいかと。「見守れれば」の話だけどね。
前半が猛烈に面白くて、逆に後半はどうも楽しめなかったけど。しかしやっぱ、青赤のDNAってあるよなぁ。あんなサッカーが、味スタに足を運ぶ様なサポはみんな好きなんだよな。でまたイキナリふっとやってみて、あれだけスムーズに出来ちゃう選手達にも。それは青赤のDNAに他ならなくて、久しぶりに刺激してくれて血が燃えまくっって、その再確認というかが出来たのが全てだったかなぁ。
だからこそ、伝統、良い点、ベースのDNAにプラスα、ってのを求めたいんだよなぁ。