選手権 東京都予選決勝 國學院久我山-駒澤大学 帝京-国士舘

鳥取に行きたくても行けない人だっているのです。
そんな自分は、西が丘に。冬の選手権、東京決勝。

正直、ビックリした。
バックスタンドは生徒・関係者の専用席で当然の満席。一般者その他はメインと両ゴール裏の半分ぐらいを使わねばならなかったが、そこはさらにギッチリ。立ち見で手すりも埋まるほどの来客があるとは思わなかった。
思えば選手権観戦にはあまり縁がなかった。覚えている限りでは、「コイツは見ておかねば」という強い衝動に駆られて見に行ったいつぞやの選手権準決勝(本田圭佑@星稜の時のあれ)以来か。TVに依る思い出、そのせいか「観戦」的なイメージが弱かった。たまたま早くに着いただけで、油断していたらどうなっていたか。のんびり見れると思っていただけにぞっとした。
やはり冬の選手権、その力なんだろうな。伝統。「あの時の左サイドの水沼は凄かった、速かったんだ」「貴方と対戦したのももう10年前の話ですからなぁ」漏れ聞こえてくる話には全て年季が入っている。前者は自分の後方にいた年配と思われる方々の話、後者は今では某U-15を指揮する名伯楽のお言葉だ。積み重ねた歴史が詰まった西が丘、思い出話にも花が咲く。だからこその華やかなこの舞台なのだろう。トップレベルを蹴ってまでこちらを選択したくなる選手がいるのも仕方が無く思えてくる。
そしてその格式に大きな役割を果たした担当テレビ局。観戦して改めて、その中継のための「素材集め」に必死にかけずり回っている様を見せつけられて。お腹イッパイだよ。時代は変わったよ。大体「最後のロッカールーム」を撮影して商売するその魂胆には反吐が出る。そんな商売、良くできるものだと思うが。あ、スタンドリポーターのために来ていた夏目アナはとびきりかわいかったです。今年の応援マネージャーは生まれつきの整形顔って感じで何だかかわいそうです。そういえば府中牝馬Sでプレゼンターをやっていたミス府中の人は衣装とメイクが幸薄い感じの淡い感がかわいそうでしたね。こんな話だったらいくらでも出来るんですが。

T1リーグ・総体の2冠を達成している久我山は、気になるチームではあった。一度くらい見られればいいなぁとは思ってはいたけど、それは当然順序的にはかなり下の方で、何だかんだで見ることはないだろうと。それがこう観戦出来る事になり、さらに10番を背負う選手が東京に入団することになったというから巡り合わせは面白い。対するは駒澤大学。慣れ親しんだユニフォーム。全校応援でスタンドには生徒がびっちり。しかも全員が懸命に応援していて、まさに全校生徒で悲願を勝ち取ろうと強大なパワーが西が丘を包む。エライもんだ、こういう時に「真っ先に何もしない」生徒でしたよ、学級委員とバトってましたよ、自分は。えぇえぇ。
日テレで放送があったので(日テレって言っちゃったね)多くの人が見ただろうで、簡単に。点の取り方のあるチームと無いチームの差が出た試合だった。
駒大は点の取り方がまだ弱い。流れて受けるにも、その為の判断→プレー実行までのタイムラグが、受ける側も出す側も等しくまだ遅い。判断、そこから必要な歩数をかけて「いっせぇのぉせ」でパスを出すのでは現代サッカーでは遅い。必要な歩数と「いっせぇのぉせ」、これをどれだけ速くするか、もしくは普通とどれだけ違うリズムを刻むか。その差額が選手の優劣を決める。その点で駒大はまだ考えて伸ばせる余地がある。しかし現時点では足りなかった。それでも守備では厳しい当たりと高い位置からもパスコースを潰していく運動量重視の追い込み方が出来ていて、その部分、守備の点では決勝に進んだだけの説得力はあった。
対する久我山は攻撃サッカーを標榜するだけあってその点でのこだわりは感じられた。彼等はピッチ上で、ボールで遊べる。アイデアは広いし、それが「点を取るため」に上手く還元出来ている。綺麗に前を向いて、ドリブルで仕掛ける事を最優先で鍛えたのだろう。それは十分に発揮出来ていた。
ドリブルで仕掛けることの重要さは育成年代では特に語られることだが、今日観て学んだのは、ドリブルを仕掛けることで得られる「自分の時間」がどれだけプレーの幅を広げるかということ。ドリブルをしようと前を向くことを染みつかせておけば、実際にドリブルは別にしなくてもその自分の時間で、前は見れるしパスは出せるし状況は把握できるようになる。ドリブルだけ教えてどうなるんだと思いがちだが、ドリブルを教える事で選手が自分の時間が持てる様になれば、その他のプレーが身に付きやすくなるのではないだろうか?シザースフェイントなんかも、フェイントの意味合いと同じくらいに「またいでいる間は自分の時間」であることが重要だって聞くし、前を向くことが自分の時間に繋がることを考えると重要なんだろうなと。こんな当たり前のことかもしれないけど、別にそうでもないのかもしれないけど。
戻って久我山。後ろから前までそんな思想が染みついたチームだけど、特に前線の4人。裏にサイドに上手く流れて、そこに計ったかの様にバチンと工夫のあるボールを出し、前を向いて仕掛ける。徹底しているし、見ていて気持ちが良い。
凄いローカルな例えをすれば、ルーベン(山村@FC東京U-18)を4人置いて攻撃させてるみたい。こちらの人の琴線に触れたチームなのも勝手に納得した(笑)
ただ、ファーストタッチにまだブレがある。シュートチャンスだったのに撃たない、ではなくてファーストタッチが深く入りすぎて、そのリカバリーを重ねるウチにチャンスっぽいエリアまで運べたけど、ぐらいなものだった。あそこが一発でピタリと入れば。DFもちょっと危なくて、あの辺はちょっと野洲臭がする(笑)シビアに見れば系統の近い野洲に比べればまだまだだってのが本音な意見だし、全国でどう活躍出来るかはちょっと分からないけど、まだまだ伸びしろがあると思って頑張って欲しいものです。
そうそう草民くん。
ルーベン4人衆(その例えヤメロ)の中では確かに異色。久保の様な感じといわれたのも納得。ユニも長袖でダボダボだし(そこじゃない)。で、梶山の様でもありユータの様でもあり。ホント東京はこんな選手が好っきゃなぁ。前述のファーストタッチもそうだし、守備はまだ甘いので、かなりまだ完成はされてない。入団してからガッツリと磨いていく感じになるでしょう。それだけに素材が面白いのは間違いないけどね。3年くらいでナビ辺りに出場して、どれだけ勝負出来るかかなぁ。せっかく面白いんだから死ぬ気で頑張れよ!!

こちらは正直あまり見るべき部分は無かったか。両者共に結構露骨にワーワーサッカーで。全試合の久我山が比較的あぁだっただけに特に目立った。HTには雨を気にして、だけでない理由で帰る人もいたと思う(某養○の斉○監督とか)。「東京って、昔からこうだったよ。だから東京は全国で勝てないんだよ」スタンド観戦していた現役高校生プレーヤーかららしきこの発言が漏れ聞こえたときにはドキッとした。けどこれは多分、間違ってない。
プリンスリーグ高円宮杯でいくつかの高体連チームを見てきたが、そのどれもがスタイル的に個性があり、それでいてベースの技術はトップユースと遜色ないものであった。それに比べれば技術も色もまだまだ。ただあれらは高体連でもトップに限りなく近いチーム達ではあるからそりゃあ当然ではあるけど。
気になったのは帝京の10番の子くらいかなぁ。ホント書くことがない。雨もあって、結構キツイ観戦だった。鳥取の結果が気になりすぎてそれどころでもなかったし(笑)
ブラバン聞いてたら終わっちゃったって感じかなぁ。「サウスポー」をイントロからガッツリと省略無しでやるもんなんですねぇ。「かっ飛ばせー帝京!」だもんなぁ。あと国士舘チアの振り付けはちょっと古いね。

チアの振り付けについてで、このエントリは締めです。読んでくれた皆さんありがとうございました(笑)