しかし浦和レッズの監督交代には驚いた。
去年の浦和があれだけ成功した要因のひとつとしては、「周囲が内容に文句を言わなかった」という点があったと思う。去年の浦和はポンテ・ワシントン・達也の3人だけで点を取ってた様な淡泊なスタイルで、周りから観れば面白さを感じないサッカーを展開していたはず。ファンタジスタ信仰の根深い日本人のメンタルを思ったら本来は、あれだけ結果を出していても「内容が伴わないと」「スペクタクルさが」っていう文句に溢れていたはず。しかし浦和はそんなことがなかった。粛々と勝ちを重ねていったクラブ。内容について表だって文句を言わずに声を出し続けたサポーター。コレはそうできることではない。その結果「世界3位」を掴んだ訳だからこれは充分過ぎる成果だっただろう。
だが今年はワシントンが居ない。ポンテもケガ中。達也の出番を奪うようにFWをガシガシ取ってきた。これでは昨年な内容のまま得点が取れなくなることは必然だったのだろう。そうなれば、今まで結果を出すことで封じてきた周囲の騒音が膨らんでいくことは当然だった。
結果としてのオジェック更迭。今年の浦和はそううまくは行かないとは思っていたけど、まさかこんな早くに動くことになろうとは。
苦戦の要因としては、去年のACL前後な頃にも書いていたけど、やはり日程が厳しい。浦和だろうがチェルシーだろうが、どんなチームだってあんな日程を去年消化して、更に今年も同等の消化が見込まれる状態で上手く行くはずもない。しかも浦和は代表選手なんかは特にまともなオフが取れてない訳で、「かわいそう」と括って良いくらいの厳しい日程である。
その上、補強。明らかに攻撃時にチーム内で気を利かす選手がいない。誰がパスを出すのか。誰が試合を創るのか。確かにFWは足りない箇所だったが、頭でっかちになりすぎて、振り返れば誰もいなかったなんて状態。その上アフリカ系の選手補強を狙っていたなんて話もあり、ピントのズレは明らかだろう。今野が取れてても大して変わりなかったじゃん。
今年だけで観れば2試合だけでの今回の決断だが、昨年からのこともあったのでそれを考えると、クラブトップもむしろタイミングを計っていたのかなとすら思いたくなる。そういう意味では個人的にも納得の判断だった。ナビスコの期間を考えればこの即決即断は「チキショー上手いことやりやがって」と思いたくなるところだった。
そんな完璧に思えた決断に「アレ?」と疑問を感じたのはこのニュース記事から。
「選手に不評だった午前練習も午後に変更する。」
スゴイ重箱の隅を突くようで申し訳ないけど、このくだりが非常に気になった。この部分、変じゃないですか?厳しい日程の中で朝くらいはゆっくり寝ていたいと言うことなのだろうか?この要求はハッキリ言って選手のワガママが過ぎる部分だと思うんですが。
他の記事を見比べても同様の記述は見あたらなかったから真意はどうだか分からないけれど、ただこれを鵜呑みにするとしたら、自分はこれは選手のワガママでしかない気がする。この延長で妄想すれば、選手が駄々こねて「あの人キライ」で監督をクビにした感が否めない。そりゃあオジェックの所作だって大いに問題はあるはずだけど、やはりメディアにあれだけ選手の文句が溢れるってのは異様だし、例え先生に不備があろうとも現象としては学級崩壊と変わりない。それでいてエンゲルス就任で「対話路線」だ「午前練習廃止」だって、ゆとり教育ですかって。
まぁ今の浦和には必要な処置ではあるだろうからしょうがないんでしょう。他サポがガヤガヤ言うのも何ですから、頑張ってくださいやって感じです。願わくば、東京戦まで崩壊し続けてくれるとありがたいですね。