ちょっと、それじゃあ東京の良さは伝わらないよ

やっぱり、関係ない話を。先週微妙に盛り上がった「サッカーだのPERFUMEだの面白いだの」の話のときにかまけた妄想を、もう書く気もなかったけど開幕戦で関係ありそうな気がしたので「少し」だけ出します。
スタジアム始めいろいろなスポーツを多く観戦に行ってると、例えば近くの席が「常連さん+ご新規さん」の組合せで来ているところにも良く出くわします。常連さんとしてはあの手この手でご新規さんに良さを伝えたいと、出来れば定着して欲しいくらいの意気込みを感じるんですが、しかしそのやり方が酷すぎる事も非常に多いと感じます。端から聞いてて「それじゃあ無理だろ」と思わせることが何げに多い。

  • (例)ご新規さん置いてけぼりで勝手に楽しみ出す

せっかく来て頂けるご新規さんを忘れて自分だけ楽しみ始める。ご新規さんは基本的に観戦慣れしていない人が多いので、ここでほっとかれると何をして良いのやら分からなくなる。どこを楽しめばいいか、それ以前に「どこを観ればいいか」すら分からない。慣れないところで、意味も分からないモノを見させられて、結局はケータイいじるだけってパターン。これ、結構多い。ご新規さんを連れてくるならば、最初から最後まで完全にエスコートしてあげるのが常連さんのつとめです。それは自分の楽しみを少し犠牲にしてまでも。

  • (例)何でもかんでも情報を詰め込もうとする

逆に構い過ぎて何でも教えようとする人も。自分の知ってる知識をとにかく何でも教えようとする。けど、ご新規さんは実はそこまでの情報は必要としていない。ルールも知らない、全く観たこと無い人にとっては「今のはオフサイドって言って、ディフェンスラインが・・・」とか言われても困るわけ。「観てみイケメンだろー、あれが馬場憂太って言って・・・」とか言われても、豆粒みたいな選手を指して言われても見えねぇよと。「あの選手がキャンプで全裸になった池(ry」くらいのネタだったら食いつくだろうけど(笑)情報詰め込みが行きすぎるとそれは逆に「強要」になって、相手としてはいい気がしない。休日こんな所まで来て「授業かよ」と。授業は面白くない。イコール、サッカーが面白くないと、ご新規さんはなってしまうわけ。
他にもケースは出てくると思うけど、総じてみると「余計なことばかり教えて、大事なことを教えてない」と。それはもう、『ただのオタクか?!』っていうくらいに悲しく下手なのが多い。ホント、サッカーオタク言うだけあって「オタク」なんですわ教え方が。もっと、最小限の情報だけ与えて、どれだけ楽しみ方の本質を味わってもらえるか、これが重要。

  • 何も知らない人には何も教える必要なし

オフサイドのルールも、教える必要ないでしょう。まだ知る必要ない。「笛が鳴ったからダメだった」だけで良い。聞かれたらその時教えてあげればいい。それだって、事細かに説明しないで「相手よりも先の位置にいたらいけない」くらいの、ザックリした説明で良し。細かく説明するのは試合の後、日常の時で良い。日常会話でサッカーの話が出るきっかけにもなるだろうし、スタジアムに着席している時点では、優先順位は低い。

  • サッカーの楽しみは「感情の発露」にある

それよりも教えるべきはサッカー観戦の楽しみ方。多くの娯楽と同様に、サッカー観戦の楽しみは「感情の発露」にあると思ってます。普段の生活でいろいろ窮屈になってる気持ちが、サッカーっていう娯楽を通して臆することなく外に出せることが楽しいわけ。だからまずはそこのハードルを下げてやることが大事。何もサッカーを観るのに知識は必要はない、けど凄いと思った事があれば「おー」と、ダメだったら「あー」と、口に出して言ってもらう事を促す。相手がアルコールが好きなら、そのためにイッパイ飲むことも可。そのおかげで居酒屋くらい感情がサッカーを通して出る様になるんなら儲けもん。この日くらいはどんどん奢ってあげよう。男友達だったら、カワイイ売り子さんから買うことも忘れずに。ただ、その手段が出来ない人もいる。逆に酒にしか興味がなくなる人も出てくる。そこで、アルコール無しで感情を出してもらうための仕掛け。

  • 東京サポに「なりきってもらう」

はい来ました詐欺の手口。要するに「おー、とか、あー、とかぶちまけて楽しんで欲しいけど、それだけだと分かり辛いでしょ?とりあえず、今日この日だけは『東京サポになりきって』観てみ?」と縛りを設ける。どちらのサポになりきっても良いんだけど、ここは味スタだから、「一応」ホームの東京側になってみれば?と、緩やかに「強制する」。それがダメなら対戦相手方に設定して、「常連さん東京サポvsアウェーサポもどきのご新規さん」っていう対決姿勢を鮮明にしてあげる。プロレスでもそうだけど、善悪ハッキリ区別されると、人間は感情を移入しやすくなる。その為に、試合を観るにしてもどちらかのファン、っていう「てい」になってもらう。そうすれば良いプレーかどうか分からない人にとっては良いプレーに「おー」とは言いづらくても、これなら判断基準が明確になる。オフサイドも何も知らなくても、応援する側が凄そうだったら「いけー」って、やられたら「フザケンナ!!」って言いやすくなる。素直に声が出る。これがサッカーの楽しみ方の第一歩じゃないですかね。これが楽しいんでしょウチらは。
もちろんその後定着するには「サッカーという競技の魅力」に気付いてもらわなければいけないわけだけど、それはもっと随分先の話。楽しみ方さえ分かってくれば、観戦の回数を重ねることが出来るならば自然と気付くし、興味も沸いてくるはず。ただ、そこに行き着くまでは所詮サッカーは娯楽のひとつ。PERFUMEと変わらない。しかもPERFUMEよりも伝わりにくい。って、この辺はどーでも良いけど。要するにせっかく来てくれたご新規さんを楽しんで帰ってもらうためにも、こんなやり方はどうですか?っていう「サッカーヲタ兼PERFUMEヲタ」からのご提案なわけです。