全18クラブ シーズン大妄想(中)

  • まえがき

沖縄よりも横河グランド!!(ご挨拶)

個人的に今年の観戦目標として、「相手をよく見る」というのがあります。

サッカーを見に行く時には大体、目的とその対象物があって、その側に感情を大きく委ねて観戦します。だってその方が楽しいからね。感情を委ねただけ、勝っても負けてもその感情の振り幅が大きくなる。大きくなるだけ楽しい!サッカーのみならず「見る事」についてはそういう見方を「心がけて」います。

だからといって、それで相手を見る事が疎かになってしまったらしょうがない。勝負事は相手があって成立するもの。相手関係が勝敗には重要な関わりをしている。けど、自分の目はどうしても感情を委ねている「味方」に向けられる。自分の感情に対しての「相手」も大事なのに、目が向いていない。そのせいで、大事な事を見落とす事にはならないか?

マッチレポートなどでよく見られる「採点」なんかが最たる例。自分が勝手に師匠と思っている人が仰るには、『サポーターは自チームしか採点できない人。プロは両チームを採点できる人』非常に納得がいく話です。東京サポとして、東京の選手監督を採点するのはいくらでも出来ても、じゃあ相手選手を全員採点してみ?となると、恐らく半数くらいの選手が「よくわからないから適当に5.5」とかにしがち。本来、東京の選手だけ、日本代表の選手だけ採点するってのは意味がないんだよね。そこで両方フラットにしっかりと採点できる、それくらい(感情は置いといて)均等に両チームに目を向けれている。これがプロなんですよ。エルゴラ採点が糞どうしようもないのは、担当じゃないチームを採点する事が下手くそな素人だからですよ。プロの仕事じゃねぇ。

今年ものんびりと、観た試合については感想を書くんだろうなぁとは思ってますが、その際に両チーム採点が出来ればベスト。両チーム採点する!って意気込みでもっと相手にも目を向けた観戦をしてみたいなぁと思うところなのです。一度是非、相手を採点してみて下さい。ビックリするほど出来ないもんですよ。

そんな、「相手をよく見る」事の一環でもあるこの企画。妄想を練り込んでおけば、正解でも不正解でもその振れ幅で楽しめますから。

ACL制覇の代償か、リーグ戦は8位に終わったガンバ。今季の焦点は、そのACLの代償が如何ほどの規模か、その予測と対処。
浦和でもあれだけペシャンコに潰された。過酷なACLはガンバをギッタギタに痛めつけた。元旦決勝の天皇杯を見て、ボロボロでも制覇した凄さと取るか、来季に引きずるほどのダメージとネガティブに捉えるか?浦和のパターンをなぞれば、来季は潰れるとも言える。また昨年の8位という結果で既にその代償は喰らったとも言える。そう、問題は今現在がACLの代償の「始まり」なのか「終わり」なのかって事。これからさらに、目に見える形でダメージが増えていくのか。代償の過程をどこと捉えるかが難しい。

ただ、補強からはその部分で危機感は十分に感じられたし、払拭するには十分な戦力を揃えたと言える。チョ・ジェジンレアンドロ高木和道にパク・ヒョンドン。ノープロブレムなな的確大型補強は素晴らしいの一言でしょう。実際のところはケガがあったりなんだりみたいだけど、それは獲らない事には無かった悩み。まずは獲った事の意味に対して、他サポ的には震え上がるのが正解でしょう。

代償の終わり、ってのは「ACL対応に順化した」って意味。新スタジアム建設への本気度も含めて、ガンバは本気でその順化に挑んでいると思うし、その補強プロセスに間違いはないように見える。世界への順化は着々と進んでいる。
リーグも獲った。天皇杯も獲った。ACLも獲った。「リーグばっかでACLが獲れてないのが悔しい!」な鹿島に比べれば、悲壮感は無い分、気楽。GOING MY WAYに、格が付いてしまったガンバはACLがあるとしてもそこそこJでも結果残せちゃいそう。

不安があるとすれば、将来スパンの話になるけどユース育成組織がどう機能するか?ということ。ユース自体の強さは変わる事はないだろうけど、近年はその昇格選手が悪い意味で「ガンバユースらしい選手しかいない」。寺田・平井・下平・倉田辺りのプレースタイル的な区別は、素人な自分には全く付かない。ユースではその学年の「ユースらしさの象徴」な選手だったのだろうけど、そんな選手をどんどん上げて、結果同じ様な選手しかいないなんて事にはなっていないか?良い選手なのは間違いないから、高卒は採る必要がないってなってるんだろうけど、色に染まるってのは幅を狭める事と一緒だから。
ってここまで書いておいてなんだけど、東京的にはガンバとは無駄に相性良いから正直ガンバはどうでも良いんだよね(笑)ボコでやられる事も当然多いけど、不思議と苦手意識は無いからね。

定位置となってしまった9位。名門も今や中位力の常連に。
ただ東京としては、ガンバとは逆にマリノスに対してはあまり良い思いはない。ルーカスは救急車だし、山瀬功は東京戦だけ張り切るし、松田も人生一度のループをかまされた(いや、数度あったか)。昨年は、あの梶山が革命起きちゃうくらいにフルボッコだし。

で、マリノス。正直全くわからん(笑)
苦手意識が目を曇らせてるのもあるけど、とにかく木村コーキチがマジ分からねぇ!最初はただの無能バカかと思ってたのに、その想定からそのまま随分な位置にまで突き抜けた(笑)突き抜けすぎてもう分からなくなったわ。
単純に見れば、名門ユースの選手始め若手の才能を開花したわけだから、循環は悪くないはず。けどじゃあそれで競争が生まれている感が外野に漂ってこないのは、それはベテランの処遇含めてコーキチのせい。なんだろうね、「不遇」に見えるのは。モノは言い様でもあるんだけどさ。
ざっとスタッツ見て驚いたけど、昨シーズン失点数がなんと32。24の大分、30の鹿島に次いで3位。一試合平均1点以下ってのは素晴らしいよこれ。中澤いるんだからそれぐらいじゃなきゃ困るってのもあるけど、中澤なんてJで活躍してるとは思えないしね。マリノスの守備メソッドは今年ちょっと気にしてみるポイント。対する得点は43で、得失点差11はこれまた悪くない。これで9位な『理由』が紐解ければ、マリノスの本質にちょっと近づけるんだろうな。

10位の神戸。しかし順位よりも、一昨年58得点だったのが昨年39得点にまで落ちた事の方が深刻。原因は知りません。
個人的には松田監督の作ってきたチームってスゴイ評価していて。大きな穴も作らずに、堅実さを突き詰めながら出来たチームは、相手として結構嫌な印象はあった。けどその分パンチに欠けてるというのも確かにあって、それは58得点の時から続けてそんな印象。
パンチ力というか華を求めての監督交代っていう理屈は分かる。サイクルも替え時だったし、この得点数の落ち方は確かに心配。けどその監督交代のプロセスをマズった。報道見るだけじゃあ、ホント下手くそな交代劇。そしてそれに輪をかけるように、節操なく飛び交う移籍情報。「あれ欲しい」「これ欲しい」手当たり次第でポイントが絞れてない補強計画。
おそらくオーナーがアレだけに、フロント主導でいきたかったんだろうね。松田監督を切ったのも、外国人監督ってのもその辺が関係しているかも。よく知らない、けど実績はありそうな外国人監督が来て初年度ということで今年の神戸は当然全く分からないですが、けどフロントがこうだとあまり期待は出来ないけどね。

加入はツネ様に我那覇、Aパラナエンセとベンフィカ(!)から来たガイジンさん。Aパラナエンセのバイーアってのは監督が連れてきたのか、だとしたらそこから少し透けて見えるかも。とオレの楠瀬。オレの楠瀬を悲しませるなよ神戸!

リーグ戦は11位。天皇杯はファイナリスト。こんちくしょう。
とにかく監督交代が全てでしょう。この辺も確かにサイクルが厳しくなっていて、石さんがスパッと辞めて新天地を求めた点、本人でもサイクルを感じていたんでしょうね。さすが優秀なお方です。
こう続けて書いてみると、「サイクル」ってフレーズを多用していて、そこを凄く気にしている自分に気付く。けど、こういうもんでしょう。盛者必衰。どんなクラブにもサイクルは訪れるわけで、それを監督なり選手なりで上手く回していく脚本力がクラブフロントには問われる。日本人なんかは自分のカラーに殉じる監督が非常に多いので、このサイクルがもっとハッキリと表れてくる(まぁその「自分のカラー」がどれも似たり寄ったりなのが悲しいところだが)。
国内で言えば西野監督が長期政権だけど、あの人は結構大胆にスクラップ&ビルドを繰り返すからね。今のあの華麗なパスサッカーを、戦術マグロンでやってた時代のサポに教えてあげたいくらいに。自分で気付いて、もしくは所作として壊す意識を固めて、そうやって監督主導でサイクルを回していける監督ってのは日本じゃ西野監督だけでしょう。その点で言うと、代表監督よりもクラブ監督のが合っているんでしょうね。

意図的に話をずらしてみました。この辺りの順位がイチバン言う事無い(笑)

注目はやはりユース組でしょう。昨年柏ユースで楽しませてもらった者として。チームとして異質を作った集団が、ばらけて、トップチームでどう活躍できるのか?工藤は普通に活躍しそう。仙石が組み込めるようになったら仙石・チーム共に面白くなるけど、さてどうなるか。つーか吉田達磨は本当に柏U-15でやるの?また3年間の達磨ラボ??サポカンで発表があったらしいけど、本当ならとっととオフィシャルでも発表してくれんかねぇ。

ここからが降格圏争い組、大宮。
個人的にはまだ三浦俊也の名残か守備が強いチームって印象が強いな。樋口監督であれだけパスサッカーしていても。そのパスサッカーも、外国人選手が定まらずに頓挫。助っ人自体のポテンシャルはどれも高かったように思うけど、「現状のチームに合う」ってトコまで絞り切れていない補強が多いのかも。
今年は鳥栖の藤田、湘南の石原と、J2を賑やかしたストライカーを両取り。さらにKリーグからマトとパク・ウォンジェ。さすがみかかの豪腕さ。
ナクスタにも慣れ、そろそろ次のステージに進みたい。「オレ達、降格争い慣れしてるしね〜」なんて悲しい事はもう言わないくらいに、一度マスコミを賑わす旋風を巻き起こしたいでしょう。浦和との差別化、ってのは確実に需要があるはずだから、そこを離さないクラブに向けて、地味に進んでいくのが大宮らしさでしょう。



(後半に続く。書くこと無くなってきて疲れてきた…)