ガッテン流水炊きを、食べる幸せ。

段々と、日中は暖かな陽気に包まれることが多くなってきた。2月ももう終わり。春の到来と共に過ぎ去ろうとしていく、あの凍える様な寒さ。あれだけの極寒が過ぎるのは大変有り難いが、唯一の心残りは、そんな冷えた身体を最高の「鍋」で暖める幸福が薄まってしまう事か。
しかし、今日食べた鍋は最高に美味かった。『ガッテン流水炊き』。

素材の肝は何と言っても「手羽先」。鍋に全く味付けをしないで済むこの水炊きでは、この素材のポテンシャルが味の全てを決める。ここだけは予算の許す限りイイものを買って欲しい。無銘柄の安い鶏でやったら、せづねぇことになる。そして「鶏もも肉」。ップリプリの、これまたイイものがあるに越したことはないが、おカネをかけるなら手羽先の方にかけた方が個人的には良いと思う。あと好みで「つくね」があっても良いだろう。
鍋の具といえば白菜が定番だが、博多流となると「キャベツ」。これは白菜の多すぎる水分のせいで、せっかくの極上プースーが薄まることを防ぐため。馴染みがないかもしれないが、是非キャベツを。
基本的な具はこれだけ。他にもキノコ類や豆腐、野菜類はお好みとなるが、そんなにごっちゃに入れないでシンプルに楽しむのがここでは正解。「豆腐」くらいで十分だろう。種類を求めるよりも、鶏のグレードにチカラを注ぐべき。
詳しい作り方はリンク先を見て頂きたいが、困る箇所は全くないはず。時間をゆっくりかけるだけで難しい行程は一つもない。味付けも必要ない。勝手に、極上になるから。
食べ方の順序に関しては、家で喰う分には特に気にする必要はないとは思うが、それでもやはり、まずはスープを飲んで欲しい。手羽先からにじみ出た、コラーゲンあふれる滋味あるプースーを。飲み干してホッと落ち着いたところで、トロントロンの大量の肉をガッツリとシバく。野菜も既に適当にぶち込み済みで、併せてシバく。キャベツの甘みが嬉しい。豆腐も鉄板。塩・しょうが・ポン酢・柚子胡椒などのお好みの最強薬味陣と共に徹底的にシバきあげる。幸せ。
お待ちかねの「締め」も、ここは博多流を倣い「ちゃんぽん麺」を使いたいところだが、関東で手に入れるのは難しい部分もあるから、極太の中華麺で代用。しかしこれでも十分。塩を足してあっさり喰うなり、ポン酢を足してガツンと啜るなりお好きな味で。これで、一滴残らずプースーを胃に収める。
満足。この満足感が鍋の醍醐味よ。
鍋の季節はもうすぐ終わりを迎えそうだが、春を迎え甘いキャベツが並び始めるこれからは、まだまだ水炊きの季節と言えるだろう。是非お試しを。マジで美味いですよ。