関東在住の人間が語るR-1ぐらんぷり08

今回、表題の「言い訳欄」には『関東在住』という言葉を使わせてもらいましたが、とりあえずこれが言い訳として通用するほど関東にはやはり浸透していないと思うんですよ。ザックリと感想を巡ると、ネタから番組コンテンツの作りから出てくる「関西臭」を過敏にキャッチした様な感想も見受けられたし。『いよいよR-1 GP』という事前番組も、東京では深夜4時ごろから放送でした。今回は関東も生中継だったとは言えども、やはり関東ではまだまだこんな感じなんです。じゃあ関西は凄いのか?というのも知らないですが。
てなことで、まともにしっかり見たのは初めてというR-1ぐらんぷり。言い訳も十分前置きしたことで、今回も簡単に感想を。
とりあえず、最初の提供クレジットBGMがCOMPLEXなのは毎回なんですか(笑)ナベアツとなだぎが「BE MY BABY!」と口ずさんでる姿が、何故かツボでした。他のCMジングル(アイキャッチ)でも出場者がほのぼのしてて(ほのぼのさせてて)、これをM-1に求めるのは酷ですかねぇ?

結局はネタが狭いのを、4分に向けてどうするかって時に、水増しした感が出ちゃったのが、低評価の所以?根っこが少なくて(夕張メロン・タヌキ・純)広がりが少なくて。。あと後付けの練り込みがイマイチ。後付けを加えたところで、その質がちょっと弱くて観る側の熱がサーッと引いていったかな。ネタの柔らかさから言ったら出番トップはあまり問題にしないタイプだと思うけど、それで最下位だったわけだからそういうことだったんでしょう。
ネタ時間は4分17秒くらい。出囃子が終わってから暗転までの時間を、大雑把に計ったものです。

逆にこっちは「3の付く数字と3の倍数だけアホになる」を深く掘り下げてやり切りやがった(笑)。ネタ中の間の取り方はさすがだけど、細かいネタを4分サイズの大きな一括りにするのに、もっと工夫のあるくくり方はあったと思う。結果優勝したなだぎと比較すると、此処の差でしょう。しかしナベアツはいつのまに山下しげのり発の「OMORO!」をガッツリ使う様になったんでしょう?しかしナベアツ、アホやな〜。
ネタ時間は4分10秒くらい。こうネタ時間を並べてみると、4分きっかりでネタを用意しててさすがと思うと同時に、同じ4分でも印象の差で長くも短くも感じるなぁ。

立川ダンカンが言ったことが全てなんだけど。マジメさが抑揚のない一本調子になり、逆に捻りのきいたネタを楽しみきれないと言うか。堅い喋りにあったネタの見せ方ってあると思うけどなぁ、浅越ゴエとかカリカ林みたいな。キャラキャラ言ってるみたいで自分でもヤですけど。採点後の「くじ運すいませんでした!」は良くないよなー。マジメに謝っちゃったよって、少し引いた。いつかのM-1笑い飯だかの「サービスしてもらえないですかね〜」みたいな100点の返しが決勝だけに欲しかった(そのくせディテールうろ覚えですが)。あれはサイコーにおもしろかった。あと、「チーズはどこへ消えた?」じゃね?
ネタ時間は4分40秒くらい。単調な感じで、実際よりもっと長く感じたかも。

圧倒。びっくりした。ナベアツの時に触れた「小ネタをまとめる大きな括り」の、設定センスでしょう。この部分が非常に芸達者。飽きさせないし、何よりアホ。ナベアツよりもアホだったもん。おかげで既存の「ややこしや〜」は映えた。二度目の「ロード」のSEも余分なところをしっかり削ってて、飽きさせないストイックな細工もさすが。
4分30秒くらい。キャラ物と括ってはいけない、細かい「芸」が多く混ざってたと。

ガッチガチに緊張してましたね(笑)この人を観て毎回思うのは、このキャラ・雰囲気だったらもっと大胆に「間」を使っても良いかと。出囃子→登場→ネタ始まりまで、上手く間を取って受け手を引きつけるとかすれば、もっと雰囲気出て面白くなると思うんだけど。それがこの日は緊張か、例えば「そーーれヒットエンドラーン」って変な間の埋め方をしていたのが気になった。R-1だったら裏を返せば「4分をどう使ってもいい」わけだから、バラエティの時よりももっと大胆に間を操作できるはず。これができれば「強烈なキャラものの中に潜む、言葉選びのセンス」も際だって良いのにね。せっかく、賢いんだから。
4分10秒。ちなみにオチの「てんやわんやで『てんや』行く」のてんやは、関東限定の天丼チェーン店で、「牛丼」と一応かかってます。関東以外の方は分からなかったですね。関東人でも「てんや」なんて大して知らねぇけど。

ウザくなかったですね。ネタの入口と締めだけキャラっぽいウザさがあったけど、ネタの本題に入ったら途端にマジメな内容の漫談で終わったのが残念。笑いを取りたい、って所で笑い取れなかったのは、「語りの中の自分」がウザくなかったから。だって「彼女」のがウザいし。これじゃあただの妄想が強い人。だから言い回しは「キャラがありそうな言い回し」レベルで終わり。もっと本ネタの中でもウザさ全開で良かったんじゃないの?
きっかり4分くらい。中山功太に比べてネタの中身がスッと入ってきたのは、漫談としての喋りの技術だろうから、上手くやって欲しかったけど。

まさに「余興」。からくりTVか椿鬼奴か。R-1が「面白ければ何でもOK」と謳っている以上はアリなんだけど、個人的にはもっと『芸』が見れると思っただけに残念だった。SEいじってもっと一曲をスリム・濃密にするとか、そもそもの選曲センスとかさ。もっとハッキリ言えばジンギスカンいらなかった、削って良かった。例えばぼったくりバー設定で漫談重ねて、長オチとして唐突に「ボラ〜レ」に入るとか。なだぎの細かいストイックさを見た後だっただけに残念。
5分30秒ぐらい。4分きっかりの美しさを追求できてないところも「芸」じゃなくて「余興」レベルだった所以。残念すぎるよなぁ。面白かったけど。

関東在住なので、ポンちゃんバトルオワライヤルでの勇姿のイメージしかなくて個人的には大好きなんですが、この日のポンちゃんのネタはまんま「ひとりバトルオワライヤル」(笑)。それが、まぁ個人的には良かったとも賞レース的には悪かったとも。どちらにしてもオワライヤルの性質からいってもトリ順はキツイし、優勝もキツイですね。
4分10秒くらい。ダンシングールナイトのくだりの、何も無さは何だったんでしょ(笑)

  • 最終結果について

順位発表時の、芸人のアップが抜かれた時の「マジ悔しがり」ぶりは何げに注目箇所。
得点と順位は個人的には順当。審査員の採点アベレージが高かったけど、それだけにそれぞれの少ない点差はリアルな点差と受け取るべき。10点差圏内の4〜8位と、3位ナベアツと4位中山功太の10点差は如実でしょう。
芋洗坂係長は面白かったけど、やはり芸じゃなかったところを観れば優勝にはふさわしくなかった。まぁ実際そこまでの考慮は生中継の現場では無かったっぽいけど、それでも結果的に順当になだぎが優勝して良かった。サンドウィッチマンとは違った「背負うものの重さ」を感じたなだぎの涙は、意外でもあり、けど美しかったですね。おめでとうございます。
あー面白かった。てゆうかBE MY BABY格好良すぎなんですけど。