始めることの道険し?余計な人間の余計な思考さ 第1回お笑いトークラリー

木曜はロフト・プラスワン。
毎晩毎晩、本気なのかギャグなのか、ギャグだろうけどイケてないイベント感覚だとかただの芸人さんの小遣い稼ぎまでか、まぁイベントいっぱいでユワンユワンしたところとして有名であろうロフト・プラスワンに、表題のイベントを観に行ってくる。
ノンジャンル・フリースタイルを自称する当ブログといえども、どうしても話題はサッカーのまじめなネタばかり(前エントリがアレで何を言うか!)。テレビを見るのが大好きな、ただのテレビっ子程度な自分。お笑いなんてジャンルはほぼ自分の範囲外なはずですから。けどそれでも今回お誘いをいただけたんですから、これは非常にありがたいお話でして、喜んで行ってきた次第。


イベント自体はPLANETS VOL.6での「お笑い批評宣言」という巻頭特集の記念的なイベント。
PLANETSでの特集自体はフォントサイズが行ったり来たりで凄い読みづらかったものの、データベース的価値を整えようとする内容は充実していたし、インタビューなんかは面白く読んだりした。

「批評宣言」と言ったからには、これからお笑い批評は「始まる」わけだし、始めると言いだしっぺになってしまったからには、批評のための「整備」を行わなければならなくなる。これだけ人気と視聴率とカネを生むようになった「お笑い」というメジャーなジャンルではあるが、「始まる」という感覚も「整備」という感覚も、これらは現状と不足要素を正確に捉えたものだったと思う。お笑いを批評する、という楽しみがここ最近大きく広がりを見せ始めていようが、まだまだそこには前提とされるべきデータやら心構えやらがほとんど整備されていないのだ。

実際に自分がさらっと読んだときには、これは批評を行い始めるための「前提作り」を行った特集だったのかな?とは感じたことだし、この感覚は今回のイベント内でもあったイベント出演者による発言で、その意識を書き手も確かに抱いて執筆を行っていたらしいことは証明された。そういう特集であり、またそういうイベントだったのが今回。


ただ、そのいわば「基礎工事」の部分から、例えば自分なんかは疑問を思ったりもした。
例えば特集の最初の怒鳴り部分で「お笑いが面白いのは当たり前のことだ だったら、お笑いを語るという営みだって、同じくらい面白いはず」と書かれているが、果たしてそんな単純に繋がるかなぁ?とかね。
この一文に触れたときに真っ先に浮かんだのは「でもウケなかった笑い所を説明するのって究極につまらんよな」ってシチュエーション。今のは○○と△△をひっかけててさ…なんて説明された日にゃもう聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるわけ。こんな事もあるだろうに、けど上記の怒鳴り部分は「お笑い面白い」と「だからお笑い語ることも面白い」と過程抜きにイコールで結ばれる。これってどうなんだろう?って。違いはなんだろう。

当然これが、怒鳴りの部分がこれは間違ってる!だなんて言ってるわけじゃなくて。お笑いを語ることは確かに面白い。それはM-1を通して多くの人が実感として持っているはず。実際、自分が今回思ったシチュエーションってのは、恐らく「お笑いを批評する」というのとは同じ土俵の話ではないのだと思う。
けど、こっちはこうで、そっちはそうじゃん、っていう明確な違いってのがハッキリしない。自分が知らないだけ、分かってないだけ、でもあるんだけどそうっていうんじゃなくて「お笑い批評」という『世界』がその回答を示せるほどに熟してないし、知も蓄積されてない。この辺、お笑い批評という業界が熟成されていればすんなりと業界が教えてくれるのに、そんな感覚っていうか。


ちょっと良く分からなくなってきちゃったけれど、自分の中ではお笑いを語る上で前提部分でそもそも揺らいでしまうし、本来はお笑いを語ろうとする全ての人の中の「前提」が揺らがないくらいにならないと、前提部分を固める基礎工事ってのはいつまでたっても完成されない。
こんなところで躓いているのがもし自分だけだったならば、もちろん話は別なんだろうけどね。
ただ、今回の特集とイベントを通して世間一般に「前提」を通す作業、その道はかなり険しいのかな?なんて自分は実感するんだけど。もちろん自分よりも断然、周りの方々はお笑い批評を主戦場にしている人なわけだから、自分レベルの位置で正確な感覚は掴めないのでしょうが。自分以外の方、もしくは今回の当事者様方はどう思っているんでしょうか?


まとまらないままもう話を締めるしかなくなっちゃったけど(笑)、まぁ批評というからにはどうにも考え込んでしまう、そして序論→結論までの順序立てにこだわりたがるのが自分なんで、これはもうしょうがないんですよね。そんなくだらないことで立ち止まる前に、もっと単純に叩き台としての存在がある重要さってのは間違いなくて、その点での重要性が今回の一連には言われるまでもなくあったから。

まぁ理屈捏ねるところは捏ねるところで。それとは別に単純にイベントは楽しかったし。「はてな括りで」ということで参加させてもらった打ち上げではいろんな人の話に、アホみたいにゲラゲラ楽しませていただきました。面白い話、いっぱい聞けたなぁ…


とにかく楽しかったってことですよ。思ったよりまとまらなかったのは神戸戦を見ながら書いたからだ!ということにしといて下さい(笑)
木曜日にお世話になった皆さん、何よりお誘いいただけた織田さん、ありがとうございました。また、どこかの現場でゆっくりと…