何がしたかったの?で満たされたスタジアム 天皇杯 -TDK SC戦

残留が決まった時点で今年の東京の仕事はもう終わりだと思ってます。そして、中身のない今年のサッカーで下手にタイトルだの賞金だのを狙うのは来期以降を考えた時に悪い方向に響きかねないとも。それよりも優先順位として上なのは、来期以降の希望を持てるプレーを見られること。何度も行ってますが、自分のスタンスとしては「ケチな点棒拾う気無し」「タイトルよりも、賞金よりも、未来を感じるワンプレー」です。なのでこの試合も東京は勝って欲しいけれども、考え方としては若年層の世界大会でよく言う「より多くの国際経験を積むためにも予選突破したい」というアレです。
「チャンスがあるなら狙うべき」という意見はもちろん候補の一つとしてあると思います。しかし今年のサッカーでこのままタイトル・賞金を獲得したところで、来季に何の希望が持てるというのでしょう?今季味わったモヤモヤがタイトルを獲得したところで晴れる、解決するとは到底思えません。それよりも来季の希望を生み出す事の方にスタンスを傾けて欲しいと。これが本心。
なので、この試合をカップ戦らしく「ただ勝てばいい」として欲しくありませんでした。そういう見方で見れませんでした。
そして、内容を求めてこの試合を見たので、この試合は最低だったと感じました。
TDK SCは良いサッカーをしていた。というのは毎年の様に格下相手に言うフレーズですが、要するに現代日本のアマチュアサッカーの傾向がこのチームにも良く出ていたと。この辺は省略しますが、いわゆる「S級っぽいサッカー」ということ。まぁTDKの監督(と代行)はS級所持者ではないんですが。なので、東京は格下相手とは言えども明確な意志で崩しにかからないと、相手を崩せないよということ。そこを見せることが出来れば、未来を感じるワンプレーは見ることが出来るかも知れない。
結果としてこの日の東京はそれを見せることが出来なかった。前半は前回の教訓が全く生かされてない圧倒的なコンセンサスの不足。後半はアタマから行くと思っていた栗澤の投入を何故かためらい(HTにピッチで練習させてないからアタマから行くものだと思ってたら。)金沢と共に、変わらず調子が良くないと判断した鈴木規からぶち抜かれ、ミスが重なり失点。モヤモヤやイライラがそのまま出た試合だったので何とも言い様がないです。抽象的な話ですが。
プレビューで期待した4-2-3-1も、評価の本質を抽出するのが難しい結果になってしまったというのが本音。しかし、絶望の前半を思えば4-2-3-1のがまだ形が作れた、流れを生んだというのは間違いないと思います。トップ下中央に栗澤が入ることと同じくらいに、左サイドにルーカスを配置することもチームが回転するのにカギになりそうだと見えたことは収穫か。

しかし不快だったのは観客。たまには…という殺伐さとは違う物だったと思います。明らかにチームへの「不信」がありきのブーイング。これは先週があるから仕方がないけど、終いには「チャレンジ」も結果だけ見て「ミスだ」とはき違えブーイングしていたのには閉口しました。そもそも「カップを奪い取れ〜」とか言っておきながら自分は応援しないってのはどういう事?と首を傾げざるを得ない気分。例え天皇杯初戦はガッついて応援しないみたいなスタンスだとしても、それを置いといてでも何が何でも天皇杯獲りたい!というのが、(自分以外の)天皇杯へのスタンスだと思ってたんですが。原点はなく、予定調和しかない。応援しないんだったら襷も要らないんじゃないの?「違和感を感じた」という選手達の本音の方を自分は支持しますけどね。