FC東京アカデミー応援企画2021ありがとうございました+最終戦とかの宣伝

FC東京」を使いこなせ!


リーグ戦開幕に向けて大事なプレシーズンとなる3月、イギョラカップ2021の決勝戦が行われた。チーム強化のために各地で行われるフェスティバルの中でも、イギョラ杯は今年で第30回とJリーグよりも長い歴史を持つ、国内でも屈指の伝統ある大会だ。

 

毎年、FC東京U-18は大会運営に協力しながらチームとしても出場を続けている。今年は決勝で帝京高校を下し、5年ぶり3回目の優勝を果たした。5年ぶりというと2016年、波多野・蓮川・岡崎・鈴木・内田の世代以来のこと。さらに初優勝まで遡ると、2006年、権田・吉本・森村の世代となる。

 

勝戦の会場は、東京ユースサッカーの“聖地”西が丘サッカー場。この試合がYoutube生配信並びに有観客での開催となったのは、今思えば大会を積み重ねてきた伝統と意地。時世を眺めればイレギュラーとも言えるものだったのだろう。「今年は2020年よりも、今日みたいに少しは現地で観戦する機会が増えていくのかな」そんな期待を抱いたものだが、現実には未だ生観戦の機会は訪れていない。

 

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2021年の高円宮杯プレミアリーグは、例年通り4月1週より開催することができた。前年は各地域のプリンスリーグと再編した形でリーグ戦が行われ、プレミアからの降格はなしという特別ルールだったが、今年は最下位クラブはプリンスリーグへ降格となる。緊張感のあるリーグ戦が戻ってきたわけだが、それでも世間の状況により試合が延期となる事も多く、8月までの公式戦消化は7試合に留まっている。

 

公式戦7試合のうち、試合を観られたのはLIVE中継のあった2試合のみ。そして生観戦の機会はゼロ。こうなると、チームの様子や今年ならではの特徴などは戦績の字面から想像するしかない。

 

7試合を2勝4分1敗。6位。総得点5、失点数は5。リーグ内では(消化試合数の影響もあるが)最小の失点数、しかし得点数も下から数えたほうが早いくらいの少なさ。引き分けの数を見ても粘れてはいるのだろうけど、点が取れない、勝ち切れない。首位の青森山田が9試合で29得点、6失点であることと比べると…

 

と、観ていない中で想像を膨らませていくしかなくなってしまう。その想像は、所詮は実態とかけ離れているかもしれないのに。選手の持つ可能性にも気づかないまま。もしくは語られない事情に想いを寄せる間もなく。想像は勝手に加速し、印象を決定づけてしまう。

 

知りたい側としてはそれが怖い。だけど、避けようがないのも事実だ。多かれ少なかれ人は「肩書」に振り回されてきて、今はそれが少し激しくなっただけとも思われる。

 

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「下駄を履かせる」という言葉がある。大辞林によれば「本来の数量にある数量を加えて、全体の数量を実際より多く見せる」の意。下駄を履いて本来以上の身長に見せることから、江戸の昔より使われる表現だ。

 

現代においては、様々な肩書や情報たちが、その人に履かせる「下駄」となる。周囲の人々は、下駄を履かされた「見かけの姿」をもって、その人を勝手に想像し判断してしまう。

 

FC東京”というエンブレムは、サッカーにおいては影響力の大きな、言うなれば非常に高い下駄となり得る。様々な場面で、人はそのエンブレムを通して、下駄を履いた姿を見ようとするだろう。「下駄」は、FC東京所属だから、以前FC東京だったから、とプラスに働くこともあれば、FC東京なのに、とマイナスにも作用する。

 

様々なスコア、結果が付随することで、その下駄はさらに高くもなるだろう。得点数、失点数、リーグ順位、出場時間、ファウル数。クラブユース選手権ベスト8、全国優勝、そして、予選敗退。

 

下駄が高くなるほどに、本来の身の丈からはかけ離れていく。見える景色はキレイでも、身動きは上手く取れなくなる。当人にとってはギャップに苦しみ、アンコントローラブルにも感じてしまう状況は、今よりもこの先のステージでこそ起こるかもしれない。

 

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しかし、思えばこれまでの先輩たちも「FC東京という下駄」に振り回されながら、一方で上手く利用もしてきた。

 

ある選手は、FC東京であったから様々な特別な機会を得た。海外遠征然り、トップチームでの練習機会も然り。練習環境や、サプリメントなどもそうだ。プラスに働く「下駄」を上手く履きこなすことで、実際の身の丈をどんどんと大きくしていった。

 

またある選手は、U-15ではほとんどスタメンで出場できず、U-18への昇格が叶わなかった。「FC東京という下駄」は、次のステージでより大きく作用した。むしろマイナスに働く場面も多かったかもしれないが、それらを反骨心に変え、諦めずに努力を続けた。

 

どちらの選手も日本代表に選出されるまでになったが、その経緯はまるで正反対だ。「FC東京という下駄」を履かされることの影響は、その時々でプラスもあればマイナスもあった。その影響を上手く利用しコントロールすることで、夢へと繋げる武器にしてみせたのだ。「下駄」無しの生身だけでも、同じ結果を得られただろうか?

 

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U-18、U-15の選手たちには、「FC東京という下駄」を、是非とも上手く使いこなして欲しい。

 

本来の身の丈を弁え、また履かされた下駄の高さも弁えて。情報過多の時代に、身の丈以上の下駄に振り回される機会は、昔より多いかもしれないが。それでも、そのプラスもマイナスも全てコントロールして利用してみせる、どんなことでも「もう一歩」の糧としてしまえるように願う。

 

FC東京という下駄」は、コーチやスタッフ、過去の先輩たちが磨いてきた代物でもある。どんな夢においても、この下駄は必ず、みんなを助ける武器となれるはずだ。

FC東京U-18、U-15深川、U-15むさし。FC東京アカデミーへの応援の気持ちを、カタチとして発信し伝えようと、サポーター中心に行っている”勝手に応援企画”。今年も無事に行うことができました。参加いただきました皆さま、本当にありがとうございました。

そして今年も機会を頂き、企画に同梱するテキストを書かせて頂きました。

この原稿は毎年、夏過ぎに書いています。

夏の全国大会が終了し、これまでの成績を振り返りながら、企画参加者に向けて「アカデミーがこんな活動を行っていましたよ」と、自分目線での報告の意味も込めて。

その上で、自分なりに感じた率直な意見を、良いも悪いも変換せずにそのまま書くようにもしています。そこは選手たちにもこの原稿が届くことを明確に意識しつつ、真剣に。なので、時には結構キツイことを書いた年もあったかと思います。

そして、夏の企画向けに書いた原稿を、冬のこの時期に(勝手に)公開しているのも、ここ数年のルーティンとしていました。

夏から冬にかけて、チームが更にどう変わっていったのか、その芽を(もしくは花を、実を)毎年様々に感じながら。そのクライマックスとしてのシーズン最終戦をターゲットに、個人的にも答え合わせを楽しみにしながら、です。

ただ昨年に続いて今年に関しては、酷い言い方をしてしまえば、書き残すほどの「思い出が無い」のです。

もちろん個々の思い出や、もしくはこういった時代となる前の思い出はたくさんあります。ゴシアカップでは、当時中3の安田虎士朗・髙橋安里の活躍もありました。キリンレモンカップは現高3世代を中心に、レアルマドリードをぶっ潰してみせたり。

(なお、この数か月後に久保建英レアルマドリード移籍が決まるという)

 

ただ、自分はいわゆる「点の思い出」には実はあまり興味が無く、関心は「線の思い出」だったりします。線の長さ、厚みを持たせるために、多少無理目でも点の思い出を作りにかかっている部分もありますし、そのなれの果てがスウェーデンだったのかもしれません。

なので、今までの点々とした思い出を、こんな時代でもかろうじて「線」と出来るよう、青森山田戦をこの目で観戦できればよかったのですが、厳正なる抽選の結果(ry

一番怖いのは、今回の結果に「そこまで落胆していない自分がいること」でもあります。撒き餌としての「点の思い出」の少なさ。もしくは、この時代において線を作ることへの諦め。見れない時期が2年経ち、来年の新高3世代は、今までほとんどプレーを観たことがありません。来年、書けるかなぁマジで…

 

暗い方向に話がズレまくってるので、マジメな事も書きます。

自分の目で観れない以上、少ない情報を頼りに具合を想像するしかありません。ただ、そんな想像が正しい訳がない。想像するだけの材料が、人に比べたらまだ手元にある自分でもコレ。基本、世の中には材料なんて無い人が殆ど。

そうなると、想像の方向性は「先入観」や「看板」に引っ張られてしまう。実態からかけ離れた想像が他人を決めてしまうことが『当然』な時代が、残念ながら今なのだと思います。

厄介なのが、例えポジティブな方向に想像を引っ張れたとして、それが必ずしも当人にとってプラスに働く訳でもないということ。FC東京アカデミーという看板は、過去の先輩たちの頑張りによって、まぁプラスな方ではあるとは思います。けど、そのことに苦しむ事だって、きっとあるでしょう。U-15卒業後の高校で、もしくはU-18卒業後の各所で。

それが少しでも、捉え方次第でポジティブに出来るのであれば…自ら使いこなせるようになれば…という願いを今回は込めてみました。捉え方を変えることは出来るはずです。それが、仲間たちと一緒に作った、ポジティブな思い出である以上は、必ず。

 

 

宣伝をします。

ひとつめ。

FC東京U-18は、12/12(日) 13:00 大宮アルディージャU18と対戦します。本来であれば先週の青森山田戦が最終戦となるはずでしたが、延期分のこの試合が入ったことで、日曜が最終戦となりました。青森山田戦に比べて、この試合がどういった露出がされるのかは不明ですが…気にかけて貰えると嬉しいです。

ふたつめ。

FC東京U-15深川・むさしは、12/11(土)より冬の全国大会「高円宮杯U-15」に参戦します。今年はめでたく、両チームとも全国大会出場めでたい!準決勝、決勝はJ SPORTSで放送もあるらしいです。多くの人に見てもらえる機会があればいいなぁ。

最後みっつめ。

愛媛生まれの「紅まどんな」が美味しい季節になりました。

最近スーパーでも見かける機会が増えたと思います。人気なんです。何故なら美味いから。
スーパー美味いです。今年も既に4個買いました。
食べたこと無い方がいれば是非、紅まどんなオススメです。

 

選手スタッフの皆さん、激動の2021年も本当にお疲れさまでした。シーズンクライマックス、怪我無く無事にやり切れる事を願っています。