FC東京08”パッション”5番勝負in小平 二日目休んで三日目 東京-筑波大

U-18も見るつもりで準備していたので、まぁいいやと速めに小平へ出発。これが大正解だった。何とオソロシイ人出なのか。立ち見のサポーターは何重の人垣で、ほとんど見れなかった人も多かっただろう。まさか始動日以上にサポが集まるとは・・・何というビッグクラブ。
雪カバー用のシートが張られていたのか、大雪後とは思えない綺麗なピッチでTMが出来た。貴重な5日間をムダにせずに済んだ、スタッフの頑張りに盛大な拍手を。

一本目45分 FC東京(4-0)筑波大 (10分平山・13分徳永・16分石川・34分徳永)

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4-2-3-1、39は羽生。ファーストインプレッションは「やべーマジで梶山10番だよ」(笑)
全ては大学生相手というフィルターが必要だが、それでもチーム全体の意図を多くの選手で共有し、実現させようとしていた様が見られたのは非常にワクワクした。2列目の羽生・エメ・石川の3人がめまぐるしくポジションを変えながら飛び出していき、平山の落としや梶山の鬼キープから3人目がけてボールが良く入る。特に石川は中央への強烈な意識で、質量共に危険な飛び出しを連発。ダブルボランチの2人はDFライン近くからゴール前まで積極的な上下動で、チーム全体が非常に「MOVING」。
攻撃が目立つ分、守備はやっぱり少し恐い。ポジションチェンジを繰り返すあまりに攻→守への切り替え時の守備ブロックの脆さはありそう。カウンターとまで行かない相手攻撃でも、こちらの守備の枚数が不安な場面が多い。特にナオが中央へカットインした後の右サイドは非常に薄い。もちろん始動後の東京は今までほとんど守備練習をしていない、ニュースとかで知っている限りでグアムの時に一度やったのみ?なわけだけど。もちろん鳥かごの練習の中にプレス・コーチングの要素はあるだろうし、他の練習でもそうかも分からないが、今後はこの部分のバランス取りが監督としての手腕の発揮しどころでしょう。特に、練習試合もこれから増してくる中で課題は顕著に出てくるだろうから。むしろ、今まで丁寧に突き詰めてきたものがフルコートで片鱗を見せられたことをポジティブに評価すべきでしょう。
羽生は最初はチームとのズレが多かったが、すぐに順応。バンバンと引き出す飛び出しを見せてさすがと唸る。
エメはとにかく動く。攻撃では大きく動いてからボールを受けるし、守備でも良く追いかけてくれる。チーム合流の短さから言っても恐らくこれは、チームオーダーではなくて本人の特色なんでしょう。だから良い。技術はありつつも、結果的にエメから奪われてカウンターの起点になる場面もあったけど、これも周囲と、そして日本ともっと順応していくことで解決するでしょう。印象は非常にイイ!日本に合いそうな外国人。このまま日本も気に入ってくれたらいいね。

二本目45分 FC東京(3-0)筑波大(10分平山・19分羽生・39分赤嶺)

〜19分まで
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19分〜
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徳永をボランチ、栗澤・佐原・池上を投入と少し変えてきた二本目。
便宜的に位置はこうしたが、二列目がめまぐるしかった一本目と違い、二本目は中央の今野・徳永・梶山の3人がめまぐるしく動く。特に梶山は底の組み立てからラストパスまでまたしてもプレー範囲の広い動き。故に両翼のポジションチェンジは減り、ワイドさは欠けたが、その分両SBの上がりが非常に増えた。このメンバーこのスタイルになって、両SB(特に1本目から出ていた長友)としては非常に上がりやすい、やりやすかったのではないだろうか。ってこんな事を言うと、一本目に徳永が2ゴール決めてて、さらに2点目は強烈なゴラッソだっただけに説得力はまるでないんだけど。けどこの練習試合を見て一番感じたことはそこだった。「これはSBは難しいな」と。
ボールの動きと選手のオフの動きで「ラブリー」に崩すことを目指している東京だけに、この日もDFラインで細かく回して機会を窺う様、そして何度でもやり直す様は見て取れた。その中でSBはそのボール回しの構成員をこなしながら(ポゼッションを東京が握る中で、SBの位置は最重要)、それでいてめまぐるしいポジチェンジの中で空く広大なスペースを時にはリスクを冒してオーバーラップを仕掛ける場面が出てくるだろう。しかし、そのタイミングは前年までと比べて刹那のタイミング。ダメならチームはまたやり直すわけだからこれは難しい。ナオが持てばとりあえず徳永上がれ!では無理。しかも守備では空きがちのサイドのスペースを数的不利でガツンと止めないといけないわけだから。その場面だけでなくSBに求められる仕事は前年と大きく変わっていそう。相当な能力は試されるだろうし、その分やりがいを感じているんじゃないだろうか。
二本目後半からはガラリと入れ替え。展開的な上手さが出るのが栗澤・池上・近藤だけだからさすがに詰まる場面は増える。しかしメンバーが替わっても志向するチームイメージは変わりなく、ピッチで表現しようとする様が見て取れたのは頼もしい。
ビックリしたのはユースケ。視野が広くなり、ミドル・ロングパスの精度が上がったか。赤嶺へのアシストなんかは早い段階で赤嶺を捕まえて、タイミングを計って精度の高いラストパスを通して見せた。アシスト数が非常に増えた理由が分かった気がする、逞しい成長だった。と共に、ユースケのあの動きを一本目に混ぜると逆に難しくなるのかな?とも。一本目の、あの二列目の動きにユースケまで混ざってしまうと、逆に出し所に迷ってしまうことになりそうで、一本目ほどMFが動くならばどっしり構えられる平山の方がMFとしてはやりやすさを感じるのかもしれない。これでユースケが一本目に順応したらいわゆる「ゼロトップ」ってヤツになるのかも。ゼロトップってまともにしっかり見たこと無いけどさ。
あと、栗澤の万能過ぎる潤滑ぶりもさすが。もっといろんな人との組合せも見てみたい。

三本目45分 FC東京(2-0)筑波大(15分近藤・21分大竹)

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若手総登場でガラッと変わった三本目。後の方でメンバーを変えて赤嶺とかを戻したが、省略。若返りまくったDF陣もさすがに少し不安定か。程度は落ちるけど、このメンバーでもやはり城福イズムは感じ取れた。少なくともやったことが浸透して発揮できているのはスゴイよなぁと感心する。この回は内容よりも個人評価を。
小山のCBも今年ちょくちょく見られてたので「本当にやるんだ!」と。個人的にはまだ恐い、CBの位置でも技巧に走る場面があったのは意識を改革して欲しい。ただ、ガツンと身体をぶつけまくってたのは(これはこれで恐いものがあるけど)気持ちの強さを感じたから、上手くこなれていって欲しい。
大竹は城福サッカーに溶け込みながら積極的に仕掛けていく場面を多く作れそうで、今後も出場機会は多そう。「積極的に仕掛ける鳥かご」でも常に上手さを見せてくれるし、今年東京に数少なそうな、貴重な「スーパーサブ」になる可能性が。
赤嶺は心配。とにかく目立たない。もっと多くの場面で絡める様になって、その上でこの日の様な赤嶺らしいゴールを見せてくれれば。
浅利。これが実は今年面白くなるかもと期待している。右サイド綺麗に抜け出して惜しいシュートを放つ姿はインパクトがあったのかもしれないが、みんな驚きすぎ。「珍しいもの見た」的に雑談する人が多かったけど、こんなんで驚いてたら今年持ちませんよ。個人の予想としては今年、浅利はJ1初得点すると予想しています。
というのも、練習を見てると浅利って結構城福イズムな動きが上手くて、結構身に付いている様に感じていたから。城福監督の練習で3人目の飛び出しの練習を見ていた時に、中央の相手の裏のポイントをナオが狙って飛び出す場面で、実はそのポイントを浅利も狙っていてナオと同じタイミングで浅利も飛び出してナオと被ってしまった、って場面があったのを見かけてて。三本目のあのシュートは、3人目として飛び出す動きの理解度の深さが生んだ、必然のシュートだったかもしれないんですわ。アレは質が高いですよ。そこそこの出場機会があって、このまま精度を高めていったら・・・!

全体的に。攻撃時のボール回しを今まで重点的にやってきたわけだけど、そこがやった分だけ成果として素直に出たことが良かった。そして結果観客に期待を持って帰らせたわけだから順調と言っていいです。守備はまだ余り詰めてないだけの不安は見せたと思うけど、これは次の湘南戦でしっかり課題が出てくるでしょう。
しかしこのタイミングで始動の早かった湘南とやれるのは絶好の試金石。1.5軍くらいの印象の清水にこの時期とは言えどもTMで勝ってきた湘南の出来はなかなか良さげ。なかなか面白いTMが見られそうです。
って、また雪?!寒い?!!勘弁してくれよ・・・ケガだけは気をつけて。