かわさーより先に始めちゃおうぜ「湘南ベルマーレU-23」

クラブユース選手権。Jユースカップ湘南ベルマーレユースの躍進は、2017シーズン国内アカデミー界隈のトピックだった。

恐らく多くの湘南サポが(そして対戦相手として戦った我々含めて、全国のアカデミー好きが)彼らの活躍を活字でもしくは直接足を運んで受け止め、心を動かされたはず。

そんな今だからこそ、湘南サポは本気出して「湘南ベルマーレU-23」を検討し始めるべきだろう。これまで考えてこなかったであろうU-23創設を、他人事ではなく「湘南ゴト」として。

湘南ベルマーレ Advent Calendar 2017。今回は湘南ベルマーレU-23を考えてみる、いわば取説的なエントリ。

 

U-23実施のためにクラブが用意しなければならないものは、シンプルに言えば「カネ」と「場所」だ。

パッと見、ハードルが高く感じるのは「カネ」の部分だろう。

しかし、思ったほど何とかなるのでは?というのが、以前個人的に行ったどんぶり勘定で受けた印象だ。

セカンドチームのJ3参戦を狙っていたサガン鳥栖が、説明会でサポーター向けに発言されたものらしい。J3クラブの平均財政規模が3億円弱なことを考えれば、運営費1.4億円はある程度妥当な目安かなと思う。

chono.hatenablog.com

FC東京U-23で言えば、2年目のシーズンということもあり観客動員数も前年平均2,797人に対して、今年は平均1,933人と減少する結果となった。

それでも客単価をざっくりチケット最安値の1,500円とすれば、入場料収入は約4,600万円とそこそこの額。これは2016年のJ3で言うと大分、長野、栃木に次ぐ4番目の金額となる。

U-23の年間運営費を、鳥栖が試算した約1.5億で鵜呑みにすれば、この入場料収入で年間運営費の約1/3を賄える計算だ。

加えて、何よりDAZNマネーである。Jリーグから各クラブに支払われる均等分配金は、DAZNによる放映権料増により倍近い増額となった。

J1 1.8億(2016) → 3.5億(2017)
J2 7000万(2016) → 1.5億(2017)
J3 1500万(2016) → 3000万(2017)

2017年シーズンは各クラブ共に、このポッと湧いた「あぶく銭」をどう活用するかに四苦八苦したシーズンだった。あるクラブは施設環境に堅実に投資し、またあるクラブはただ自転車操業を助けるだけに終わり。またまたあるクラブは豪勢な選手補強に費やしたものの結局リーグ13位に着地し。それらが「活きたカネ」となったのかは、各クラブで大きく異なるだろう。

U-23創設も当然、使途のひとつとして有力な一手となる。単純計算で言えば、J1分配金の増額分だけでU-23の運営は可能だし、J2分配金の増額分+入場料収入でトントン程度は見込める。

2016年シーズン中のざっくり試算でも、既に費用的なリスクは「思ったほどでもないかもしれない」だったのが、2017シーズンになってDAZNマネーの後押しまで加わった。カネの面のハードルはより下がり、大きな問題ではなくなってきたと言えるだろう。

 

方や、それ以上にハードルが高く問題なのが実は「場所」についてだ。J3ホームゲーム全16試合を実施できるスタジアムの確保。こればかりは土地的・政治的事情も絡まり、カネだけで解決できるものではないので、より質が悪い。

ガンバ・セレッソはそれぞれ吹田にキンチョウと、自前もしくはそれに準ずる指定管理制度を受けるスタジアムを保有しているので、会場確保に関しては大きな問題は無い。

方や、自前スタを持たないFC東京はこの点で非常に苦労している。東京都内でFC東京が有料公式戦を行えるスタジアムは駒沢陸上・夢の島・西が丘と限られてしまい、逆に味スタでは大きすぎるキャパを持て余してしまう(こう言うとヴェルディサポに怒られてしまいそうだが…)。加えてこれらの会場は関東大学サッカーリーグなど、他Div.・他競技でも当然使われるスタジアムであり、毎年都度行わねばならない会場確保は容易ではない。

そんな東京都と同程度もしくはそれ以上に困難なのが、何を隠そう神奈川県となる。

神奈川にはそもそもとしてJクラブが6チームもある。つまり、その分だけスタジアム利用も既にされているということ。マトモに残っているのは、恐らく保土ヶ谷公園サッカー場のみ。もちろん関東大学サッカーリーグ主力会場のひとつだ。神奈川が東京に比べて、お金だけではどうしようもないレベルで、場所確保の難易度が高いのは明らかだ。

 


…と、これまでの前提を基に、神奈川県JクラブのU-23創設の可能性を考える。

マリノスは歴史も予算規模もアカデミーの充実ぶりも、本来は一番U-23に相応しいクラブ。だがとにかく場所が無い。会場としてあの要塞・横国を使うのか?という問題以前に、そもそもマリノスタウンを手放したことでトップチームの練習環境すら定まらない状況だ。知り合いサポに聞いても「U-23の試合場所の前に、まずはトップの練習場所が最優先」と言われてしまえば元も子もない。

小野瀬・高丘など要所で優秀な選手を輩出し、U-15も含めて安定的な強さを誇る横浜FCも、アカデミーの充実ぶりに反して場所に困るクラブの1つだ。三ツ沢は既にYSCC(とマリノス)との共同利用。加えて関東大学サッカーリーグでも頻繁に使われる人気会場だ。特にYS横浜が同カテゴリのJ3である以上、共用はほぼ不可能だ。

 

本来であれば、神奈川で一番U-23創設に近いのは川崎フロンターレとなるだろう。

トップチームは安定的に上位の成績を収め、17年のリーグ優勝によって総額20億円以上をゲット。子供が通いやすい好立地もあり、近年では有力選手がアカデミーに集まり、U-18も2年連続クラ選ベスト4と好成績を残している。

しかし、ここでもネックになるのはスタジアムだ。等々力競技場は公益財団法人が指定管理者となっており、クラブは等々力をまだ完全には握り切れていない。加えて、メインスタンドに続く第2期スタジアム改修が、現状まだ基本方針の策定中。どこかのタイミングで発生する改修期間中にJ1とJ3を並行稼働出来るかは疑問が残る。

さて、そうなると残すは湘南ベルマーレのみとなるわけである。御存知の通り、ある程度の本気度で新スタジアム建設を検討している湘南ベルマーレ。「U-23創設」の現実感を、他クラブに比べて果たしてどう感じただろうか。

 

FC東京:45億 ガンバ:51億 セレッソ:30億 鳥栖:28億 湘南:16億

2016年度のクラブ営業収益で並べてみれば、確かに湘南は鳥栖よりも劣る。U-23運営費とされる1.4億も、営業収益に占める割合の大きさによって「たかが」とも「されど」とも見え方は変わってくるだろう。

しかし、そうして得られる成果は「11人×90分×32試合=31680分のJ3リーグ経験」だ。もしくは曺貴裁監督の講義のコマ数が増える、という考え方も出来るかもしれない。

舐めんなよ、ガキのくせに、こんな奴らに負けてたまるか。J3クラブからU-23に向けては、選手から相手サポから会場の空気感から、ありとあらゆる感情を込めて選手にぶつけられる。しかしこれら全ての感情が、我々にとっては格好の養分となって選手の血肉へと消化されていくのである。

U-23興行単体で収支をトントンにせねばとなると、確かに難しさはある。ただ「有力選手を獲得する」のではなく「育成しなければならない」クラブにとっては、この場この経験は多少のお金を払っても取りに行くべきものではないだろうか。

 

他方で例えば、湘南ベルマーレはクラブとして、今後どう予算規模を拡大していくか?という話もある。

平塚競技場のキャパ15,690人に対して、2015年16年と共に収容率は80%付近と、Jクラブ全体で2位のパンパンぶり。ある程度キャパの限界まで集客が叶っている状況は、見方を変えれば予算規模が既に頭打ち状態とも言える。更なる規模拡大となれば、打ち手は「客単価を上げる」か「興行回数を増やす」しか無い。U-23はその後者に当てはまる施策とも成り得る。

様々な観点から考えても、湘南ベルマーレ「だからこそ」、U-23創設は具体的に検討すべき施策なのだ。

そうとなれば…じゃあどうせだったら「かわさーよりも先に始めちゃおうぜ」。

 

湘南サポーターにとっては、U-23はこれまであまり考えたことも無かった話かもしれない。それは身の丈をしっかり理解しているからでもあり、99年の記憶が邪魔してくる部分もあるだろう。

ただ、せっかくU-18がこうも躍進してくれた。チョウさんのブランド化によって有力な新人選手がスカウトで獲得しやすくなった。そんな彼らを受け入れ、経験を積ませる器として、「湘南ベルマーレU-23」という夢を考え始めるべきタイミングではないだろうか。

野球で一流の打者になる為にはバットを振り続けるしか無いし、一流のピアノ弾きになりたいのであればピアノを引き続けるしか無い。試合で活躍する選手へと成長したいのであれば、試合に出続けるしか無いのである。

幸いにも、FC東京ガンバ大阪セレッソ大阪と「U-23人柱」は揃っている。その実験は現在進行系で来季以降も行われていく。

そんな人柱の浮き沈みを片目でニュースとして覗きつつ、「じゃあもし、湘南ベルマーレU-23があれば…」「神谷優太をレンタルではなくU-23で、手元で育成できていたかもしれない…」「福島ユナイテッドFC vs 湘南ベルマーレU-23J3リーグ公式戦が…」

そんな思考実験だけでも、U-23実現に向けた大きな一歩と言えるはずだ。

2017ユース応援企画御礼と、FC東京U-18であり続けてくれた感謝と

哲学において有名なパラドックスとして「テセウスの船」というものがある事を最近知った。例えばギリシャ神話においてはこういったエピソードがあるらしい。

テセウスアテネの若者と共に(クレタ島から)帰還した船には30本の櫂があり、アテネの人々はこれをファレロンのデメトリウスの時代にも保存していた。このため、朽ちた木材は徐々に新たな木材に置き換えられていき、論理的な問題から哲学者らにとって恰好の議論の的となった。すなわち、ある者はその船はもはや同じものとは言えないとし、別の者はまだ同じものだと主張したのである。

 

このエピソードを引用したプルタルコスは、全部の部品が置き換えられたとき、その船が同じものと言えるのかという疑問を投げかけている。また、ここから派生する問題として、置き換えられた古い部品を集めて何とか別の船を組み立てた場合、どちらがテセウスの船なのかという疑問が生じる…

と、ここまでWikipediaからのコピペではあるが、なるほど確かに面白い思考実験だろう。

そして、サッカーファンがこういうエピソードに触れると、恐らくこんな事を考え始めてしまうはずだ。「私があの時に愛したクラブチームは、今もなお同じチームであると言えるのであろうか」と。


歴代最高の成績を収めた昨シーズンの体制そのままに、今シーズンを迎えることが出来ないのが育成年代の常である。多くのカップを掲げた達成感と、最終戦で目標が潰えた悔しさとを背負った高3生は卒業し、方や沢山の夢を抱えて高1生が新たに加入。こうして毎年ざっくりと、1/3 の選手の入れ替わりをU-18は繰り返す。

もちろんそれは、チームとして決して小さくない変化である。しかしだからと言って、昨シーズンの成績と比較してしまう周囲の目から、逃れられる訳ではない。ましてや2冠という偉業ともなれば尚更だ。その比較により生まれる期待、もしくは受け止めざるを得ない重責とは、所詮外野の人間からは計り知れないものがあっただろう。

それ故に、日本クラブユース選手権連覇を達成した事は非常に価値が大きい。昨年以上に難しいことを今年は達成したのだと、全ての選手スタッフたちは胸を張っていい。


ただその道のりは、改めて振り返ると苦しいものだった。

高円宮杯プレミアリーグEASTが開幕するより4週間も早くに、3月上旬には一足先にJ3リーグが開幕。昨年に比べてOAの起用を減らしていく大方針が加えられるも、開幕時には既に多くの怪我人が発生していたU-23は、人数不足を補うために早速U-18から8名の選手を加えて挑む事になった。

遅れて開幕したプレミアEASTでは、そんなU-23で既に数試合の経験を積んできた選手たちがズラリとスタメンに並ぶ。パッと見は豪華に見える布陣ながら、結果はATの失点で清水ユース相手にショッキングな敗戦。その後のU-18は勝ち点3の獲得が続いたものの、その内容はハッキリと芳しくなかった。当時は「今年のチームは大丈夫なのか?」と心配する声の方が多かったくらいだろう。

この時期には、欠けた 1/3 の偉大さを感じる場面も多かった。進級によってT1、プレミア、J3と戦うDiv.をそれぞれ上げた選手たちは、スピードやフィジカルのレベルだけでなく、試合自体が持つ意味も一気に大きくなる状況において、思った様なプレーが出来ずに苦しんだ。またチーム造りに重要な春休みシーズンに、U-23とU-18とでスケジュールが分かれてしまった事も大きかっただろう。

単純な実力不足だけでなく、多忙なスケジュールという要因も重なり、苦しみ続けたU-18。その苦しさは、クラ選が始まった7月下旬にもまだ続いていた様に伺える。


そんな欠けた1/3が埋まってきたと感じたのが、クラ選R16セレッソ大阪U-18戦。

競技場としての水捌け設備が施されていない、まるで田んぼのような会場に、前日に降った局地的大雨。水たまりの域を越え、転がったボールがすぐ止まる劣悪ピッチ。加えて相手は、同じくU-23で貴重な経験を積んでいる強豪セレッソ。そのようなシチュエーションに対し、若き青赤戦士たちは、技術で気迫で走りで、泥まみれになりながらその環境をねじ伏せた。2-1での勝利。タフに戦ってみせた選手たちの姿は、シーズン当初にそれぞれのDiv.でペシャンコに潰されてきた苦しさを乗り越えて、掴んだ逞しさそのものだった。

だからこそ達成できた連覇…だったのかと言えば、それだけではない。クラ選決勝、浦和ユースを相手に披露されたのは、むしろチームとして元々目指してきた「ひたむきさ」や「一体感」、「球際」に「ハードワーク」。昨年から続く、変わらないU-18の強みの方だった。

それは言わば、欠けた 1/3 ではなく、残された 2/3 の方。たとえ毎年 1/3 が代わり続けようとも、3年経てばすべての選手が入れ替わろうとも、これまで10数年とFC東京U-18として変わらずに積み重ねてきた「2/3」の歴史の価値だ。

元々、この日出場した多くの選手たちは、昨年のクラ選決勝ではスタンドでピッチ上の仲間を見守る側だった。カップを掲げる仲間たちの晴れやかな姿を、共に喜び、もしくは貢献できなかった悔しさを西が丘で噛み締めた、言わば 2/3 の「受け手」側だった。

そんな彼らが、今度は自ら西が丘のピッチに立ち、欠けた 1/3 を埋めてみせた成長だけでなく、2/3 の受け手として譲り受けた歴史をもピッチ上で表現し、掴んだ連覇。

そういう意味では、2017年クラブユース選手権優勝というのは、今年のチームが手にしたタイトルなのには間違いないが、これまでの全ての世代において関わってきた全ての人による、あくまでFC東京U-18という船が辿り着いた偉業だったのかもしれない。

歴史の積み重ね。思想や精神の継承。

ここに、FC東京U-18における「テセウスの船」というパラドックスの、ひとつの解がある様に思えてならない。


これからは受け手の戦いが始まる。今年の西が丘で何を受け取り、そしてそれをどう表現できるか。勝手に空いた席にただ座ったことに価値など無い事を、周囲はみんな分かっている。堂々と、その席が自分の席だと言える様に。そして歴史の体現者となれる様に。

方や「出し手」となった選手たちにとっても、自らの成長だけでなく、FC東京U-18という船に何を残していけるか?が問われてくるだろう。もちろんそれはピッチ上にいなければ出来ないもの、だけではない。それを選手は、トップチームの「18」から既に学んでいるはずだ。

こうして一歩ずつ一歩ずつ、出し手と受け手とでパスを繋ぎ、繰り返す。2/3 の積み重ねからでしか、強いチーム、強くあり続ける船は造れない。

これからもずっと、FC東京U-18という船が、FC東京U-18であり続けることを願って。船の航路はキミたちにかかっている。

=========================


FC東京アカデミーを勝手に応援する企画に、寄稿した原稿を今年も例によって公開いたします。企画にご賛同頂いたみなさま、本当にありがとうございました!

とは言え9月にお渡しして、今はもう12月。気を抜いてたら、いつの間にかこの時期に。高円宮杯プレミアリーグEASTも最終節を残すのみとなってしまいました。


今回も例年同様、夏のクラ選を見届けてから書き始めました。2017年を戦うU-18の立ち上げ以降を見てきて、チームの夏の結果を受けて。9月のお渡しまでに何とかせねば…と悩んでいた時期は、奇しくもトップチームでも激動を迎えていた時期でした。

8月末にはルヴァン杯川崎Fにボコボコにされ。9月アタマにはセレッソにボコボコにされ。そして9/10には篠田監督が解任され。

トップチームとU-18はあくまで別物なので、比較したり感情を引きずったりはしないようにと、自身心がけて観戦してはいますが…正直なところ今回の原稿について、それぞれの感情を遮断して書けているか?と言えばそれは否です。やっぱり無理でした。その結果が上のものです。今改めて読んでみてどうですか?悪くねぇんじゃないっすかね?(いつものように自画自賛


今年ほど「積み重ね」の大切さを実感した年はありません。クラ選連覇を達成した西が丘で真っ先に浮かんだのは、これまでFC東京アカデミーで戦ってくれた選手たちへの感謝でした。

ある人は昇格が叶い、ある人は他クラブで高校で大学でサッカーを続け、またある人は選手としての第一線からは卒業し。

多くのOBたちが、西が丘に集まって、もしくはSNS等で気にしてくれて。そしてみんなが今のU-18を応援してくれて。そんな彼ら越しに、クラ選連覇を祝う事が出来たのが本当に嬉しかった。

思い起こすのはあの時の、例え結果が出ようが出まいが、外的要因が邪魔をしようとも、自らをモチベートし、その場その時を懸命に頑張ってくれた歴代の青赤戦士たちの姿。FC東京にとっての「当たり前」な光景。

その積み重ねがあって、迎えた今なんだなと。説得力を伴って感じる次第です。おかげで、今もなおFC東京U-18という船は、FC東京U-18という船であり続けている。これまで歴代戦ってきてくれた全ての選手・スタッフで掴んだ連覇だったと、改めて言いたいです。

もちろんその感謝は当然、いま懸命にその船を守り、次に繋げてくれようとしている現役選手たちに・チームスタッフの皆さんに向けても然りです。それを改めて、最後にチームに直接伝えに、最終節の小平に向かおうと思っています。

 

高円宮杯プレミアリーグEAST、2017年度の最終節を整理します。

◯プレミアEAST順位表 

 

◯最終節試合情報

 第18節 2017年12月10日 13:00 KickOff

 

FC東京U-18 優勝条件

  • FC東京U-18自力優勝は無し。逆転のためには、まず東京の勝利はマスト
  • その上で、清水ユースが引き分け以下の結果の場合のみ

そもそも我々は今年、首位である清水ユースに1分1敗と一度も勝てませんでした。もっと言えば最終節の対戦相手である青森山田とは、今年含めて3年間一度も勝ったことがありません。

FC東京U-18が他チームに比べて、相対的に強さがあるのは事実でしょう。それによって優勝候補だとか期待を受けるのも当たり前だと思います。しかしこうして並べてみると、自力優勝できる立場には無いのだから当然ではありますが、我々に何かを言える権利など無いということが分かります。

やはり、青森山田に勝てていないチームが「優勝」を口にしたらダメでしょう。勝たなければノーチャンス、至って「正しい」と思います。

そう、高円宮杯プレミアリーグEASTは今年も非常に正しく、白熱した最高のリーグでした。いち観戦者として、本当に楽しかった!

そんなリーグも今週末でラスト。FC東京U-18のみならず、青森山田も清水ユースも、全てのチームが、全力プレーで出し尽くせる事を願います。

FC東京から消え失せた積み重ね そして未だ生まれる気配の無い「やりたい事」

主力の選手は入れ替わり、代わりに経験値が既に備わった、実績のある選手が入ってきた。新しいサイクルを用意しつつ、かつ種まきの時間をカネで解決した印象は強い。

篠田監督のキュレーションは青赤を悲願へと導けるか FC東京 2017シーズンプレビュー - 「やってみるさ」

クラブとして積み上げてきた、ひとつの選手サイクルが2016シーズンに終わりを告げ、そんな中で迎えた2017シーズン。新たな選手サイクル構築のために、まずは新しく種をまき直し、芽が出るのを耐え忍ぶシーズンがこれから始まる…と思いきや、実績のある選手を積極補強することで、そのフェーズを省略してみせたプレシーズン。ある意味、サイクル構築の時間をカネで解決した様な理解だが、それはそれで解決策の一つであり、アリだと考えていた。

しかしその結果は見ての通り。まずは、こんな楽観的な己を反省するところから始めなければならないだろう。

とは言え、いま振り返っても補強施策自体は大きく間違っていなかったと、今でも思う。高萩は今や精神的支柱すら担うオーガナイザーとして君臨。大久保嘉人はあれだけチームとプレーが合わなかろうとあの得点数はさすがの一言。途中加入組でいえば、ピーターウタカはチーム内得点王だし、チャン・ヒョンスは最終ラインでレベルの違いを見せている。林にしろ択生にしろ永井にしろ、復帰した太田宏介にしろ。この実績の質量を見て、補強が失敗とはさすがに今でも言えない。

ただ、間違いとは言い切れないが、その代わりに露呈された事実その大きさ・ドス黒さ・空虚さによって、FC東京というクラブを取り巻く事態はより混沌を迎えたのだと思う。


平易な言い方をすれば「やりたい事」の問題だろう。

4バックなのか、3バックなのか。カウンターなのか、ポゼッションなのか。古き良き日本に染み付いた土着的発想なのか、欧州で持て囃される新概念なのか。それらをどう選び、もしくはどうミックスさせるのか。

本来は、こういったやりたい事が各自にあるのが前提で、それが出揃ったのを受けて初めてその是非が議論されるものだ。どの選択肢についても、基本はもちろんフラットな立場であるべきだろう。だがこれまでの経緯や積み重ね、選手構成の具合、もしくはアカデミーが既に策定している方針など様々な要因によって、実際にはどうしても取り得る選択肢が狭まってしまうものだ。そんな外的要因に素直に従うのか、もしくは抗う手段まで伴っているのかをもって、「やりたい事」の是非が定まっていく流れが殆どだろう。

こうして是非がしっかりと定まれば、後はそれに向かって一丸となって進むのが組織というものだ。いわば、よく言うところの「クラブフロントと現場の両輪が噛み合っている」状態だろうか。正しく噛み合えば、クルマは自然とスムーズに目的地に向かって進んでくれるだろう。逆に、もし左右のタイヤが別の方向を向いてしまっていては、クルマが正しく前に進む事など当然無い。


例えば「篠田監督の意向に沿った補強がなされていないフロント」という切り口を考える。

確かに、両輪が噛み合っている状態とは言えなかったかもしれない。だかしかし、じゃあ篠田監督に「意向」「やりたい事」などという崇高なものが果たして、そもそもあったのか?と自分は疑問に思う。

今までも、篠田監督の「中身の無さ」「具体の無さ」は気になっていた。まずは元気に頑張る。プレスに走る。そして頑張る。最後は気持ち。負けたらみんなで考える。声の大きい人の意見に全乗っかりして、じゃあ今度はそっちにしてみよう。なのでまずは元気に頑張る…の無限ループ。具体も、そこに至るプロセスもまるで無かった。

唯一、具体的な話が出てきたのは篠田監督最終戦となるHセレッソ戦直前。3-1-4-2移行後からずっと守備面の問題としてあった「サイドに構えたボールホルダーへのアプローチ」について、急に「つるべの動きでDFラインが対処するのが方針」って話が出てきて驚いたレベルだ。

何がしたい。こうしたい。その為にはああであって欲しい。そんな類が一切見えない中で、クラブフロントがどうやって、有りもしない意向に沿った補強が出来るのだろうか。

そんな中でもクラブフロントが獲得してみせた選手は前述の通り。言うなればそれは、上等なたまねぎであったり、超高級魚であるノドグロだったりと、名の通ったブランド銘柄ばかり。これらは、意向もクソも無い中で行える最大限だったと今でも思う。元々冷蔵庫にあった素材も含めて、名前だけ見れば充実したラインナップになっただろう。

しかし、肝心のシェフである監督がそれをどう調理したら良いのかが分からない。

材料を見て、どんな料理が作れるのか?そもそもどんな料理が作りたいのか?それどころか、そもそも俺は和の料理人なのか、中華の鉄人なのか、それともフレンチのシェフなのか?篠田監督本人ですらも分かっていなかったのではないだろうか。

その状況だけでもかなりの問題だが、それはむしろ以前から外から見てても知っていたことだ。今回露呈したのはそれだけではない。そもそも、この店は何を食わせてくれる店だったのか?料亭だっけビストロだっけラーメン屋だっけ?それが実は、お店のオーナーであるクラブフロントもまるで定めていなかったのが露呈したことだろう。

このチームで見てきたものは、思えばいつも「現場の監督のやりたい事」だった。

大熊は本質をとにかく求めた。ポポビッチはワンツーがやりたかった。マッシモは美しい守備がやりたかった。城福はムービングのリベンジがしたかった。

もちろんその目的のために取られる手段の拙さによって、結果として残念なお別れとなるのが殆どだった。ただ少なからずこれまでの監督たちには「やりたい事」があったし、だから我々も「やりたい事」に対しての是非が議論出来ていた。

それら監督の「やりたい事」に隠れて、両輪のもう片方であるクラブフロントの「やりたい事」への意図まで、事細かに知ろうとしてこなかったのは、サポーターである我々の責任だろう。

クラブフロントは果たして、我がクラブを何屋だと思ってたのだろう?何屋の看板を掲げているつもりだったのだろう。そして、数年間共に過ごしてきた篠田シェフの事を、何のジャンルの料理人だと理解していたのだろう?そして、上等なたまねぎとノドグロを一緒に仕入れてきて、どんな料理を作ってもらうつもりだったのだろう?

そういった諸々が、蓋を開けてみたら「どちらにも何もなかった」のである。

「2017年のFC東京」で起きた事とは何だったのか?

それは、篠田監督もクラブフロントも、お互いに「やりたい事が無い」という稀有な地獄だった。両輪にはタイヤすら無く、ステアリングも無く。どちらを向いているのか、どちらを向きたいのかすら示されず。クルマを推進させていく気があったのかすら疑わしい地獄だった。

こうして冷蔵庫で調理されずに眠り続けていた素材は、いつしか賞味期限を迎えるのである。そして一度腐った素材が、採れたてのあの時の鮮度を取り戻すことはもちろん無い。腐ったミカンを冷蔵庫に残し続ける訳にはいかないのである。

 

クラブフロントをどう評価するべきか?ピッチ上の出来事について、査定されるべき人物が立石GMなのか石井強化部長なのかは分からないが、より上位の役割・立場である事を踏まえて、それを立石GMとすれば。

上等なたまねぎを仕入れてきた点に関しては、もちろん評価すべきだろう。たまねぎであれば、和であろうが中華だろうが融通の効く万能食材だろうし、さぞかしお安く仕入れる事も出来たのであろう。

ただ、GMという役職は(クラブによって役割や位置づけは細かく異なるものの)少なくとも上等なたまねぎを仕入れるだけが役割の全てでは無いはずだ。このお店は中華屋なのか牛丼屋なのか?そういったより上段の「やりたい事」を定めるのがGMの役割であるはずだ。

だから立石GMを「上等なたまねぎをお安く仕入れてきた人だからGMとして評価しよう。」とは、なる訳がない。もしそれが本人が嫌だと言うのならば、たまねぎの部分を評価してくれよと言うのならば、いま身につけているGMという肩書はすぐに外して、より本来に沿った肩書であろう「CTO(チーフ・たまねぎ・オフィサー)」とでも名乗ればいい。

そしてそんな立石GMもしくはCTOに、正しく役割を定め、その役割に対して正しく評価すべきなのは、果たして誰なのか?その人の評価はどうあるべきなのか?という至ってシンプルな話だ。

 

報道によれば、来年度の監督候補として長谷川健太に正式オファーを出したらしい。クラブに携わる人間自らが積極的にマスコミにリークしていくスタイルでおなじみのFC東京なので、恐らくこの報道は実際に進んでいる事実なのだろう。特に、森保一東京五輪代表監督に決定した直後のリークなので殊更、信憑性は高い。

ただ、それでいいのか?それだけでいいのか?それよりも重大な何か、欠けているものについては何もないのか?リークを受けての、ファン・サポーターの反応は正直だ

「そういう事じゃねーんだよ。やりたい事は何なんだよ?ウチは何屋なんだよ?たまねぎとノドグロでどんな料理作れっつんだよ!」

ノドグロ たまねぎ」で検索した結果
http://www.sakaiminato.net/site2/page/suisan/conents/report/resipi/nodoguro/

そうかカルパッチョを作ればいいんだな!次の監督は長谷川健太じゃなくて、イタリアンのシェフがいいんじゃないですかね!(超適当)

 

DAZNマネーによって、リーグと各クラブは一時的に大きく潤った。そのお金を、各クラブがどの様に使うのか?また「それ以上の金」をどう掴みに行くのか?急に降って湧いた、重要な立ち回り課題に、各クラブが右往左往する今シーズンだった様に思う。

FC東京においては、選手人件費を上げることにあぶく銭を割き、加えて新選手の仕入れも積極的に進めた。その意図自体は、個人的には「良いギャンブル」だと思っているが、その結果と振り返りは前述の通りだ。

そう、ギャンブルはもう終わったのだ。負けて、フィロソフィーまでオケラになった。

そんな何も残っていない更地に立ち、今この状況に及んでも「やりたい事」が監督次第な事に変わりがないFC東京というクラブ。片輪を担うべきクラブフロントから「やりたい事」が出てくる気配は、未だ皆無だ。

それが定まるまで我々は、6ヶ月程度先の未来にすら当てが無いままに、ただ「有料のJ1公式戦で行われる安間塾」を眺め、目の前の試合の勝敗が何も意味を持たない状態のまま、石川直宏の引退という日を死んだ心で待つしか無いのである。

篠田トーキョー総括 ノーマル監督ガチャに失敗したFC東京が得た教訓と失った1年半

これまでもこれからも、東京が勝てば嬉しいし、負ければ悔しい、その思いが揺らぐことはありません。しかし、その一喜一憂の起伏の無さと言いますか、「勝った?そりゃ何より。負けた?あ、そう。」と、思いのリアクションがどこか他人事のようになっている

Pañuelo blanco - 続々々・メガネのつぶやき

 そうなった原因は2つある。

1つは、組織力が極めて小さく、属人的なチームに高値安定のパフォーマンスなど望める訳が無い中で、試合ごとの出来不出来に一喜一憂することが馬鹿らしくなったこと。

そしてもう1つは、事態が変わるタイミング、つまり解任の時期がどうせ今すぐにとはならないであろう事が分かりきっていること。やはりパワーのかかる一大事、動くためにはそれなりのきっかけが必要になってしまう。

じゃあそれなりのきっかけが果たして何時なのかとなると、一般的には「夏場の連敗で最大瞬間風速を記録する」か、もしくは「シーズン終了後に淡々と…」位しか無い。そして今回の東京であれば、その時が来るまでは恐らく個の能力で相手を局面でちょいちょい圧しながらポツポツと勝ち点を拾っていけるのだろうし、そもそもその内容も所詮、属人的な乱高下によるものだから真に受けても意味がない。

こうして、勝とうが負けようが粛々と”その時”を待つばかり。そりゃ、こうもなると思う。

 

問題は「続投か、解任か」から「いつ解任させるか」に、もはやフェーズが移行した様に思える。

個人的にはその時は夏まで待つしか無いと思っていた。コンディションが摩耗し、頼みの個が弱まるであろう夏場を迎えた時に、果たして篠田東京が如何ほどの瞬間最大風速を記録してしまうのか?それとも堪えられるのか?が次のヤマかと思っていたのに。それが想像よりも早くに訪れた。言ってしまえば”下方修正”だ。

 

篠田監督を振り返る。

「議長」として安間・中村両コーチから良きアイデアを拾い編み上げるキュレーション力と、「議員」として監督自身が提供できるスペシャリティ。いくらコメントを漁っても「中身が無い」篠田監督だったので、さてどう能力を測ろうかと設定した仮説としてこの2点をシーズンプレビューとして設定してみた

いざ開幕してみるとシーズン序盤は、中央をキッチリ締める守備の硬さにマッシモ譲りの匂いを感じた事もあったし、それが篠田議員のスペシャリティに成り得るかも…と思ったこともあった。しかしそれも両CBのコンディション低下でクオリティは落ち、守備偏重のチーム方針に造反した嘉人に舐められて結局無かったことに。

「議会」に響く選手個々のやじを、主体性が無い議長が逐一拾っては方針を翻し、やれまずは守備的だ、やれ次は中央突破だサイド攻撃だと。しかもその決議を、実働する選手たちに全く徹底できない。選手たちも決議されたものを遵守する気はサラサラ無く、終いにまた議会で迷走し、また翻し。

この状態から立て直していくにはどうすればいいのか。
髙萩洋次郎は「それは監督がやってくれると思う。監督がやるサッカーに、選手が忠実についていけばいいと思います」と言う。

【有料記事/J1第16節】レポート◆得点源の大久保嘉人が負傷離脱。混迷するチームにさらなる痛手(2017/06/25) : 後藤勝公式マガジン トーキョーワッショイ!プレミアム

そんな中での高萩のこのコメントを、果たして外野の我々はどう受け止めるのが正解なのだろう。

 

ただ自分の嗜好だけで言えば、スタメン構成的にバランスが取れない監督は正直好みではない。梶山・草民・河野・翔哉という攻撃的な選手のみを並べた中盤構成は、自分からすれば狂気じみていると感じるし、「その割に守れる」わけでもなければ「それだけ並べただけあって点が取れている」わけでもない。

短期間で監督を解任する事は悪ではない FC東京の来季監督を考える - 「やってみるさ」

去年の10月ごろにぼんやり思っていた事が、結局今になって納得感が増してきた。誠剛ファクター等の要素が篠田監督の評価を邪魔して困るとかも思っていたけど、結果論だけで言えばそんなに間違っていなかったなと振り返る。

 とは言え、だからじゃあ昨シーズン末に篠田監督とキレイに非更新と出来たかと言えば、やっぱり難しかったのかなとも思う。当時は勝率が良かった監督だっただけに、結果という「筋」は強かった。それでも石井監督を解任した鹿島の様に、リーグ7位であろうと胸張ってクビ飛ばせるなら良かったが、さすがにそれを求めるのは酷なのかもしれない。少なくともあの時、それを望んでいた(顕在化された)サポーターは極少数だった。当時は自分もかなり懐疑的ではありつつも、読み返してみると保険をかけながら書いているなぁと反省せざるを得ない。

 

今回の件でつくづく思うのは、「監督のシーズン途中解任は、未来の1年半を担保に取って回すノーマルガチャである」という事だろう。

監督の程度は測れても、現実問題その計測結果をもって決断まで出来る様なきっかけは、1年の中でどうしても限られてしまう。今回の夏場城福解任→年末篠田留任→次年度困るパターンは一般的によくある流れだった様に思うが、そんな今回の例を取ってみても、このまま年末まで引っ張るのであれば7月以降の半年を無駄に過ごすしか無いのが確定となるし、夏場に解任したとしても今回同様にまた次回の決断に困る瞬間が来年に訪れるのは明らかと、共に失う期間は大体1年半くらいと言える。こうして考えると、質草として1年半という期間は改めてかなり大きい。

加えて、失われた1年半という時間も大きいが、それだけでなく影響範囲はこれから選手編成にも徐々に及んでいく事にもなる。

元々今年は選手補強だけで言えば現状「成功」と評価していいものだった。高萩と林は今季のチームの軸となっているし、嘉人も何だかんだゴールは残している。DAZNマネーを狙った積極補強は、FC東京にしては珍しく「いいギャンブル」だったと今でも思う。

しかし、だぶついた戦力はシーズン末に反動がやってくる。天皇杯敗退で来季ACLの道がひとつ閉ざされたこの状況で、残ろうという選手が果たしてどれだけいるか。前田。阿部。河野。田邉。小川。他クラブの強化担当だったら、ほっとかない様な選手はいくらでもいるし、出場機会が少ない中では出ていく方が本人のためになりそうな選手も少なくない。

クラブが求める選手層の厚さは、選手にとっての幸福とは決して重ならない。だから、選手編成が今年のまま来年へ…など決してあり得ない。今年でなければならなかったのだ、そういう編成をしたのだから。その観点で言えば、途中解任というイベントは1年半を過ぎた来年以降にも、引き続き影響を与えていくことになるかもしれない。

それ程に大きな、監督交代というイベント。その影響(延焼)範囲を今回の件をもって痛感するに、それは解任ブーストの有無といった短期的な話だけではなく、長期スパンでのリスク・リターンで見ても分が悪いバッドイベントなのだなと思うばかりである。

ただ、これは決して「あの時、城福監督を解任しなければ…」という話ではないという事は、当たり前ながら念のため付け加えておきたい。問題なのは、

「短期間で監督を解任」する事が悪なのではなく、「短期間で解任しなければいけない程度の監督を選任」する事が悪

短期間で監督を解任する事は悪ではない FC東京の来季監督を考える - 「やってみるさ」

ということなのである。

 

今回の件からサポーターが得るべき教訓は「監督の”程度”を測るモノサシはサポが持つべき」ということだろう。”その時”を生むような瞬間最大風速が基本、サポーターから発生するものである以上、監督を測るモノサシの精度はサポーターが保証しなければいけない。また、その判断スピードも大事な要素。分からないから、もしくは就任してまだXXヶ月だから…と判断を避けて先送りにする事は、質草となる期間を無駄に伸ばすだけの絶対悪である事を、今回自戒した次第である。

 

さて、篠田以降は果たしてどうなるだろう。

願わくば何時でも回せるようなノーマルガチャではなく、キラキラ輝くレア監督ガチャを回したいものである。ただ問題は、課金するだけのカネがあるかどうかと、それ以上にレアガチャ引ける選択肢を立石GMが持ち合わせているかだろう。

立石GMの目の前にあるのは果たして「中身が空に近いノーマルガチャ」なのか、もしくは「ドイツ遠征ついでに回すワンチャン謎ガチャ」なのか。逆に言うと、それ以外にドイツ遠征に行く理由が全く無い。そんなことを言ってしまうのは、日頃お世話になっているDMM様には申し訳ないのだが…

感謝を繋ぐバトンを握って… FC東京U-18 2017シーズンプレビュー(気が向いたから選手紹介付き)

高円宮杯プレミアリーグEAST最終節での敗戦によって、思い描いていたよりも1週間早く終わってしまった16シーズン。しかしその2週間後には、休む間もなく17シーズンが始まった。

Jリーグが主催するインターナショナルユースカップに参戦したFC東京U-18は、この大会にて新3年生を中心とした新チームをお披露目。海外から招聘した強豪チームと身体をぶつけ合う機会を早々に得る事ができた。特に対フィゲレンセ戦はYoutube上からでも様々な示唆を得られる位に、非常に見所のある試合となり、12月という早い時期にこの機会を得られた幸運を実感する事となった。それもこれも、Jユースカップで優勝という結果を残せたからである。

www.jleague.jp

昨シーズンのFC東京U-18は、クラブユース選手権・Jユースカップと全国二冠を達成。それによって高まったチームバリューは、プレシーズンに多くの大会に招待頂く形となって表れた。インターナショナルユースカップのみならず、春先には前橋招待・サニックス杯に久しぶりに参加、強豪校に進学したU-15時代の仲間たちと成長を確かめ合う機会にも恵まれた。

これに毎年おなじみイギョラ杯、UMBRO主催のGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ、何よりU-23J3参戦シーズン2と、FC東京U-18としては3月はなかなかの繁忙期となった。高校入学前の新1年生選手も含めて、非常に多くの選手たちが質の高いプレー時間を積むことが叶ったが、それらは昨年のチームが遺してくれた財産とも言えるだろう。そして仕上げの最終週にはドイツ遠征へ。マインツ訪問もまた、アカデミーの歴史が財産として活きた例であった。


今年のチームは果たして、次代にどんなバトンを残していけるだろうか?

「結果」という観点となると、引き続きFC東京U-18はEAST他クラブに比べて難しい立場にある事に変わりない。FC東京はEAST唯一のU-23保有クラブとして、昨年に引き続きT1-プレミア-J3の3ディビジョンを戦う事となる。

選手が揃わない事、もしくは選手が揃って”しまった”事といった不安定さが、良しにも悪しにもチームに影響を与える事を昨年大いに学んだ。その波を受け止めつつ、得るものを増やしながら失うものを減らす。勝ち点を掴むための作業は、より精微さを求められることだろう。

その幸せを是非噛み締めて欲しい。どんなクラブよりも細部を求められる環境であると、胸張っていい。真正面からその難しさに向き合った先に、勝負の神様はきっと宿る。次代へと繋がるべきバトンは、こうして自然と形作られていくだろう。

「勝ち点を計算できる相手チームが1つもない」とは佐藤一樹監督も常々口にするが、これは全ての人間が同じ想いだろう。降格と優勝が紙一重の熾烈なリーグ。しがみつくに値する、最高の環境。FC東京U-18はいよいよ本番「高円宮杯プレミアリーグEAST」に挑む。

4/8(土)1300KO、味スタ西競技場。相手は昨年のクラ選ファイナリスト、清水ユースとの『再戦』。先代からのバトンと感謝を携え、FC東京U-18が走り始める。


気が向いた時にしかやらないU-18選手紹介。3年生+2種登録選手をご紹介

  • 16 GK 高瀬 和楠 U-15深川時代は廣末陸を、U-18時代は波多野豪と偉大な「兄」の背中を見て育ってきたGK。弟キャラのお調子者は、緊張しいでポカもするけど、後押しする程に頼もしく。そして大舞台でこそ輝けるタイプ。
  • 2 DF 坂口 祥尉 CB、SBを高いレベルでこなす様子は、ワッショイ兄やん曰く「風格を漂わせる職人気質」。しかし実際は衆目集める系のキラキラさを包み隠さない、東京の太陽。総監督を愛し、総監督に愛された?男。サンシャイン祥尉が東京を照らす。
  • 3 DF 篠原 新汰 昨年のクラ選制覇。その始まりは、負傷中の新汰が親御さんを集めて行った円陣からだった。「緊張しているのは親御さんより選手です。選手をほぐしてやってください」親御さんすら纏めたそのキャプテンシーは、腕章の有無関係なしに絶大な効果を発揮してくれるはず。
  • 4 DF 長谷川 光基 昨年、J3と同時進行のJユースカップで一気に台頭してきたCB。ガッシリと成長した体格で相手とボールを弾き返せるパワー系。横からのボールを枠に叩ける能力も高く、CKではゴールゲッターに変貌する「昭和のイケメン」。
  • 5 DF 岡庭 愁人 もはやJ3でもおなじみとなった、青赤サポ好みの弾丸SB。レジスタFC仕込みの「王者のメンタル」が、シンプルなプレー選択で最大の急所を突く。さあみんな、今のうちにオカニのサインを貰っておこう!
  • 6 DF 荒川 滉貴 本人曰く「持ってる男」はクラ選R16横浜FC戦、Jユースカップ決勝広島戦と、要所でのゴールで有言実行。今年はスタートからDF登録でサポを驚かせつつ、けど結局はどこのポジであろうと変わらず「ゲットゴールあらこー」。
  • 7 MF 杉山 伶央 相手の網目をスラロームの様に泳ぐ心地良さと、方や物怖じせず相手とのコンタクトを厭わないプレーぶりが、いつも相手サポの目を惹いてきた。165cmながら誰もが意識せざるを得ない「小さな巨人」。
  • 8 MF 小林 真鷹 やさしい顔立ちからは似つかないプレースタイルは、身体的な無理を効かせつつ相手のボールにリーチする米本系。鷹狩りボランチが目指すべきは、その次の精度。近くと遠くとスキマを見通す「ホークアイ」を掴んで欲しい。
  • 9 MF 吹野 竜司 昨年Jユースカップでのクロージング出場で台頭してきた選手ではあるが、それもT1リーグ14試合をスタメンで戦ってきた賜物。追わせ、ドリらせの活動量が非常に「深川的」な選手。流した汗の量だけ、チームの勝利に直結する。
  • 10 MF 小林 幹 U-12より都内で天才と呼ばれてきたナチュラルボーン。実績乏しい中でゼロックス杯に招集された事実は、大きな期待と重い責任を促すためのもの。それに応えたJ3での2ゴール、待ちに待った覚醒の時は近いはず。幹よ、青赤のベルカンプとなれ。
  • 11 MF 横山 塁 プレーチョイスには成り上がる野心を漂わせ、ピッチ上では味方との衝突も辞さない、強気なやんちゃ大将。しかしそのやんちゃさこそ、真にチームに必要なものなはず。塁のあの、まるで尾崎豊の様な雰囲気が、たまんねぇんだよ。
  • 13 FW 吉田 和拓 強靭なフィジカルで前へと進められる今年のエース。一樹トーキョーの生命線たる「ペナ角」の今年の担い手ではあるが、重要なのはもちろんその先。「カズ」を冠するFWたるもの、求められるのはとにかくゴールのみ。
  • 14 FW 原 大智 元々抜け出しが得意なFWであった彼が、今年は登録187cmまで成長して”しまった”。相手を背負い、空中戦を制する様なハイタワー業務はまだまだこれから。J3でペシャンコにされた経験をまずはU-18でぶつける。小林幹とのあうんの呼吸が凄いの「なんでだろう~」。
  • 18 MF 品田 愛斗 長短のパスは精密機器の様に正確で、それは蹴り姿の美しさを見れば一目瞭然。長期の怪我に苦しんだが、新人戦決勝では復活の狼煙となるゴールも決めた。将軍の復活を今年1年追いかけたい、個人的な想いで言わせてもらえれば「俺はマナトで優勝したい」
  • 15 MF 久保 建英 幼くて小さいタケのイメージは即刻改めるべきだろう。昨年登録から身長は3cm伸び、フィジカルコンタクトではU-18年代でも相手と「戯れる」レベルになった。U-20日本代表でもFC東京U-23でももはや主力級、U-18卒業のカウントダウンは既に始まっている。
  • 23 MF 平川 怜 360°のプレーサークルを駆使し、ボールも相手もコントロール。セントラルでこそ輝く彼の技術、そのルーツは小学生時代のフットサル技術から来たもの。日本の育成メソッドの未来形を示す彼を、特にフットサル系ライターはすぐに取材に行くべき(ただし安藤隆人と六川亨は除く)