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感謝を繋ぐバトンを握って… FC東京U-18 2017シーズンプレビュー(気が向いたから選手紹介付き)

高円宮杯プレミアリーグEAST最終節での敗戦によって、思い描いていたよりも1週間早く終わってしまった16シーズン。しかしその2週間後には、休む間もなく17シーズンが始まった。

Jリーグが主催するインターナショナルユースカップに参戦したFC東京U-18は、この大会にて新3年生を中心とした新チームをお披露目。海外から招聘した強豪チームと身体をぶつけ合う機会を早々に得る事ができた。特に対フィゲレンセ戦はYoutube上からでも様々な示唆を得られる位に、非常に見所のある試合となり、12月という早い時期にこの機会を得られた幸運を実感する事となった。それもこれも、Jユースカップで優勝という結果を残せたからである。

www.jleague.jp

昨シーズンのFC東京U-18は、クラブユース選手権・Jユースカップと全国二冠を達成。それによって高まったチームバリューは、プレシーズンに多くの大会に招待頂く形となって表れた。インターナショナルユースカップのみならず、春先には前橋招待・サニックス杯に久しぶりに参加、強豪校に進学したU-15時代の仲間たちと成長を確かめ合う機会にも恵まれた。

これに毎年おなじみイギョラ杯、UMBRO主催のGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ、何よりU-23J3参戦シーズン2と、FC東京U-18としては3月はなかなかの繁忙期となった。高校入学前の新1年生選手も含めて、非常に多くの選手たちが質の高いプレー時間を積むことが叶ったが、それらは昨年のチームが遺してくれた財産とも言えるだろう。そして仕上げの最終週にはドイツ遠征へ。マインツ訪問もまた、アカデミーの歴史が財産として活きた例であった。


今年のチームは果たして、次代にどんなバトンを残していけるだろうか?

「結果」という観点となると、引き続きFC東京U-18はEAST他クラブに比べて難しい立場にある事に変わりない。FC東京はEAST唯一のU-23保有クラブとして、昨年に引き続きT1-プレミア-J3の3ディビジョンを戦う事となる。

選手が揃わない事、もしくは選手が揃って”しまった”事といった不安定さが、良しにも悪しにもチームに影響を与える事を昨年大いに学んだ。その波を受け止めつつ、得るものを増やしながら失うものを減らす。勝ち点を掴むための作業は、より精微さを求められることだろう。

その幸せを是非噛み締めて欲しい。どんなクラブよりも細部を求められる環境であると、胸張っていい。真正面からその難しさに向き合った先に、勝負の神様はきっと宿る。次代へと繋がるべきバトンは、こうして自然と形作られていくだろう。

「勝ち点を計算できる相手チームが1つもない」とは佐藤一樹監督も常々口にするが、これは全ての人間が同じ想いだろう。降格と優勝が紙一重の熾烈なリーグ。しがみつくに値する、最高の環境。FC東京U-18はいよいよ本番「高円宮杯プレミアリーグEAST」に挑む。

4/8(土)1300KO、味スタ西競技場。相手は昨年のクラ選ファイナリスト、清水ユースとの『再戦』。先代からのバトンと感謝を携え、FC東京U-18が走り始める。


気が向いた時にしかやらないU-18選手紹介。3年生+2種登録選手をご紹介

  • 16 GK 高瀬 和楠 U-15深川時代は廣末陸を、U-18時代は波多野豪と偉大な「兄」の背中を見て育ってきたGK。弟キャラのお調子者は、緊張しいでポカもするけど、後押しする程に頼もしく。そして大舞台でこそ輝けるタイプ。
  • 2 DF 坂口 祥尉 CB、SBを高いレベルでこなす様子は、ワッショイ兄やん曰く「風格を漂わせる職人気質」。しかし実際は衆目集める系のキラキラさを包み隠さない、東京の太陽。総監督を愛し、総監督に愛された?男。サンシャイン祥尉が東京を照らす。
  • 3 DF 篠原 新汰 昨年のクラ選制覇。その始まりは、負傷中の新汰が親御さんを集めて行った円陣からだった。「緊張しているのは親御さんより選手です。選手をほぐしてやってください」親御さんすら纏めたそのキャプテンシーは、腕章の有無関係なしに絶大な効果を発揮してくれるはず。
  • 4 DF 長谷川 光基 昨年、J3と同時進行のJユースカップで一気に台頭してきたCB。ガッシリと成長した体格で相手とボールを弾き返せるパワー系。横からのボールを枠に叩ける能力も高く、CKではゴールゲッターに変貌する「昭和のイケメン」。
  • 5 DF 岡庭 愁人 もはやJ3でもおなじみとなった、青赤サポ好みの弾丸SB。レジスタFC仕込みの「王者のメンタル」が、シンプルなプレー選択で最大の急所を突く。さあみんな、今のうちにオカニのサインを貰っておこう!
  • 6 DF 荒川 滉貴 本人曰く「持ってる男」はクラ選R16横浜FC戦、Jユースカップ決勝広島戦と、要所でのゴールで有言実行。今年はスタートからDF登録でサポを驚かせつつ、けど結局はどこのポジであろうと変わらず「ゲットゴールあらこー」。
  • 7 MF 杉山 伶央 相手の網目をスラロームの様に泳ぐ心地良さと、方や物怖じせず相手とのコンタクトを厭わないプレーぶりが、いつも相手サポの目を惹いてきた。165cmながら誰もが意識せざるを得ない「小さな巨人」。
  • 8 MF 小林 真鷹 やさしい顔立ちからは似つかないプレースタイルは、身体的な無理を効かせつつ相手のボールにリーチする米本系。鷹狩りボランチが目指すべきは、その次の精度。近くと遠くとスキマを見通す「ホークアイ」を掴んで欲しい。
  • 9 MF 吹野 竜司 昨年Jユースカップでのクロージング出場で台頭してきた選手ではあるが、それもT1リーグ14試合をスタメンで戦ってきた賜物。追わせ、ドリらせの活動量が非常に「深川的」な選手。流した汗の量だけ、チームの勝利に直結する。
  • 10 MF 小林 幹 U-12より都内で天才と呼ばれてきたナチュラルボーン。実績乏しい中でゼロックス杯に招集された事実は、大きな期待と重い責任を促すためのもの。それに応えたJ3での2ゴール、待ちに待った覚醒の時は近いはず。幹よ、青赤のベルカンプとなれ。
  • 11 MF 横山 塁 プレーチョイスには成り上がる野心を漂わせ、ピッチ上では味方との衝突も辞さない、強気なやんちゃ大将。しかしそのやんちゃさこそ、真にチームに必要なものなはず。塁のあの、まるで尾崎豊の様な雰囲気が、たまんねぇんだよ。
  • 13 FW 吉田 和拓 強靭なフィジカルで前へと進められる今年のエース。一樹トーキョーの生命線たる「ペナ角」の今年の担い手ではあるが、重要なのはもちろんその先。「カズ」を冠するFWたるもの、求められるのはとにかくゴールのみ。
  • 14 FW 原 大智 元々抜け出しが得意なFWであった彼が、今年は登録187cmまで成長して”しまった”。相手を背負い、空中戦を制する様なハイタワー業務はまだまだこれから。J3でペシャンコにされた経験をまずはU-18でぶつける。小林幹とのあうんの呼吸が凄いの「なんでだろう~」。
  • 18 MF 品田 愛斗 長短のパスは精密機器の様に正確で、それは蹴り姿の美しさを見れば一目瞭然。長期の怪我に苦しんだが、新人戦決勝では復活の狼煙となるゴールも決めた。将軍の復活を今年1年追いかけたい、個人的な想いで言わせてもらえれば「俺はマナトで優勝したい」
  • 15 MF 久保 建英 幼くて小さいタケのイメージは即刻改めるべきだろう。昨年登録から身長は3cm伸び、フィジカルコンタクトではU-18年代でも相手と「戯れる」レベルになった。U-20日本代表でもFC東京U-23でももはや主力級、U-18卒業のカウントダウンは既に始まっている。
  • 23 MF 平川 怜 360°のプレーサークルを駆使し、ボールも相手もコントロール。セントラルでこそ輝く彼の技術、そのルーツは小学生時代のフットサル技術から来たもの。日本の育成メソッドの未来形を示す彼を、特にフットサル系ライターはすぐに取材に行くべき(ただし安藤隆人と六川亨は除く)

「2年目のジンクス」があろうとも… FC東京U-23 2017シーズンプレビュー

難敵相手に開幕2連勝と最高のスタートを切ったFC東京。その勢いを追い風に、いよいよU-23も開幕を迎える。3/12(日)14時キックオフ。場所は新木場、夢の島競技場。相手は浮氣哲郎率いるカターレ富山である。

新人選手6名を迎えた今季の選手編成について、以前いつぞやのFC東京魂において選手の誰かが「今年の東京は人数が多い」と率直な印象を語っていた。

U-23保有クラブとして、登録選手数が増えるのは仕方の無いことではあるが、ではその適正人数は果たして如何程なのか?東京は多いのか少ないのか適正なのか、選手の感覚値は正しかったのか。その解は未だに、各U-23クラブそれぞれで試行錯誤が続いている状況である。

実際のところ、FC東京の登録選手数が多いかと言ったらそうでもない。

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東京に比べてガンバ・セレッソ保有人数はハッキリと一回り多い。ACLがあるガンバであればまだ理解もできるが、セレッソに関しては条件的には東京と同じであるにも関わらず40名もの選手を登録。GKなんて5人もいる。加えてU-18選手10名を二種登録済みのため、それらを含めたらGKは6人体制となる。そんないらねえだろ強化部長よ。あぁセレッソに所属しているGKはなんて不幸なのだろう!


これほどの人数の差は、各チームの取り組みの違いによるところが大きい。特にガンバにおいては、昨シーズンのやり方から大きく方針転換をしている。その内容が興味深い。

昨シーズン。トップチームとセカンドチームの区別をあえて付けなかった東京に対し、セレッソはスケジュールも練習も明確に分ける形をとり、ガンバはその中間の様な位置づけで運用がされてきた。今回ガンバが発表した内容は、それを一気にセレッソ方式に舵切った事を表す。「オーバーエイジ枠の未使用」まで明言しているから驚きだ。

何故そうなったのか?それは想像するに宮本恒靖の存在が大きい。

FIFAマスターを取得していた関係もあるが、現場でのコーチ経験はわずか1年だった宮本に、ガンバは2016シーズン前にユース監督という「要職」を授けた。迎えた16シーズン、プレミアWESTを5位で終えると、年末にはユース監督を早速退任、わずか1年で今度はU-23監督へと”昇格”となる。その際に行われたのが、今回の方針変更である。トップとU-23を完全に切り分け、スタッフ陣もU-23専用としてヘッドコーチに山口智、GKコーチに”あの”松代直樹を揃えた。ガンバのオフィシャルサイトでの選手紹介ページでは、トップとU-23で明確な線引もされている

これほどまでにすさまじいツネ様バックアップ体制が敷かれ、果たして今年のガンバU-23はどの様になっていくのだろう。ただその前に既に、トップチームが選手固定運用をせざるを得ない状況に苦しんでいる。ACLがありながらトップチーム選手の勘定が(選手紹介ページによると)GK4名+FP20名、加えて井手口が負傷離脱となればその苦労も当然ではあるが…ってのは外野の話なのでさておき。FC東京U-23の話に戻す。


そう、重要なのはFC東京U-23である。今年の編成からU-23メンバーで基本布陣を妄想する。

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ACLも無いのに選手が多いとされてきた今年の東京ではあるが、実はU-23だけでスタメンを組もうとすると既に不足感が強い。U-23サポのみが妄想する事を許されるアヘ夢こと「レフトウイング小川諒也」で帳尻を合わせてはいるものの、実際はトップでスタメン出場している室屋がU-23に落ちてくる事はあり得ない。カッコの選手は負傷中もしくは別メ中とのことで、台所事情が厳しいのには今年も代わり無かったりする。開幕戦では柳をCBに回してやりくりするものと思われる。

最低限のベンチメンバーを確保する意味でも、OA・U-18・特別指定選手の常時フル活用は今年も必須となりそうな中で、しかしOA起用には慎重さが求められる事は以前に書いた通りだ。

U-23に多く貢献してくれたOA、圍、水沼、林は他クラブ移籍が決まった。U-23全クラブをみても、1,000分以上出場のOA7名(小椋祥平内田達也岡崎建哉、小谷祐喜、武田博行、圍謙太朗、林容平)は全て、16シーズン限りでクラブを退団する。サポが想像する以上に、選手にとって「トップではなくU-23に出場する」事は嫌だったということだろう。考えてみれば当たり前かもしれないが、それを改めて実感した格好となった。これは事実を基にした所詮妄想ではあったが、方や先ほどのガンバU-23方針変更において「OA起用の原則禁止」が明言されているのは、妄想を肉付けする材料として興味深い。やはり、OAの積極起用は、自重したい理想はあるということだろう。

”本気のクラブ”と戦った29,700分が若き青赤戦士の養分となった FC東京U-23 2016シーズンレビュー

とはいえ、我々はそうも言ってられない。都城キャンプや小平でのTMから察するに、今年もOA起用はフルフルで行っていく雰囲気はある。そうせざるを得ないのだろう。

結局、アタマ数としてのU-23選手層は、去年に引き続き決して多いとは言えない状況に変わりは無い。今年も多くのU-18選手が二種登録される予定で、ひとまず高円宮杯プレミアリーグEASTが開幕する4/8(土)まではU-23に積極参加していく形となるだろう。しかしそれ以降となればまた”融通”は求められるし、昨年「クラ選の夏」で起きた問題は、恐らく今年も発生するということだ。うっちー居なかったらどうなってたんだよコレ。


もちろん、チーム補強で優先されるべきはトップチームなのは当然だ。むしろ今年に関しては現状、補強がドンズバでヒットしていると言っていい位でもある。

その上で今後の理想を考えていくのであれば、もっと先行投資的な選手獲得を、U-23保有クラブというメリットを軸に打っていければ理想かなとは思う。U-18年代であれば他クラブの至宝と呼ばれる様なアカデミー選手だとか、他国有望選手の発掘(現在行っているタイU-23選手の練習生受入)、大学リーグ所属選手の「転籍」や、OAでもJFL等の下位Div.からピックアップした遅咲き選手(OAだけどU-23出場も「ステップアップ」となる位置づけの選手)など。

U-23を持つことで、選手獲得にあたっての理屈となる「意図と幅」は広がったはず。例えばプレミアWESTで2年連続得点王だったヴィッセル神戸U-18米澤令衣をセレッソが獲得し、レンタル移籍やU-23を通して育てていく様な方針は、まさに自分が理想とするところだ。この様なチャレンジの積み重ねでU-23の層が自然と厚くなり、U-23においても適度な競争が生まれていけば理想的ではないだろうか。


そんな陣容で迎えるFC東京U-23の2017シーズン。個人的に気になる箇所を3点ほど挙げる。

  

U-23ラストイヤーのインス、J3で圧倒的な結果を残せるか?

FC東京はもはや、要のポジションにおいては"育成"よりも"獲得"が求められるクラブ規模となってしまい、選手育成においては他クラブへのレンタル武者修行しか術が無かった。
(中略)
そこで、U-23という存在が活きてくる。ストライカーなり、司令塔なり、DFの要なりと、チームの軸となる選手をFC東京の中で育てられる環境がついに整った。かつ、サポはその過程を手元で見守る事も出来る。

例えばユ・インスがU-23に常時出場することによって、ストライカーとして”2,248分試され続けて”きた経験は、これまでのFC東京ではあり得なかった。「今後、インスが青赤の誇るストライカーとなれるのか?」サポにとって、この期待に代わるモノは無いはずだ。

選手としてのインスのイメージは、当初は正直パッとしなかった。スピードは確かにあるが、相手を出し抜ける程に圧倒ではない。ボールは競れるが、高さがある訳ではない。ボールを持たせても、特別上手いとは感じない。

しかし、確かにゴールは取れる。

彼が選手として特別だなと感じるのは、まずシュートで振る足の速さ。相手がブロックで出す足よりも早く、もしくはタイミングをズラしつつ振りぬくシュートは、ボールが相手の脇をスルリと抜けてネットを揺らす場面が多かった。また、嗅覚に従った位置取りの精度はもちろんのこと、その箇所に到達するためにフィジカル的な無理が効くことも大きい。相手を出し抜き、また身体もねじ込める。限定された局面においての、DFとの相対的な優位性。プレーヤーとしての資質は岡崎慎司に非常に近いものがあると思う。

だから、彼を選手として測る指標は単純に「ゴール」のみでいいと考えている。

  • 2014年:鈴木孝司 19得点/33試合
  • 2015年:岸田和人 32得点/36試合
  • 2016年:藤本憲明 15得点/30試合

昨シーズンのインスはJ3で11ゴール。今シーズンは、個人的にはノルマ20得点。

大久保嘉人、そしてピーターウタカとエースストライカー候補となる選手を積極的に獲得したFC東京。それによって今シーズン、インスがトップで出場する機会は限られてしまうかもしれない。その中で、不貞腐れて結果も残さずに外へ移籍するのか、誰もが頷かざるを得ない結果を残すのか。J3で獲りまくって、圧倒して、周囲を納得させてこそだろう。そうすれば、インスの未来は自然と開けていくはずだ。

 


●波多野vs廣末のGK争いと、2ndGK大久保が水を差す頻度について

東京五輪の守護神を当事者として争う、波多野豪と廣末陸。両者の加入は、東京にとってはこれ以上ないリクルートだった。2人の成長をU-15深川・むさしから今までそしてこれからも見守る事が出来るのは幸福でしかなく、U-23において果たしてどんなスタメン争いが見れるのか、楽しみにしているファンは少なくないはずだ。
(とは言え個人的には波多野を即レンタル武者修行が理想だった。外を見て学び、成長して戻ってきた陸の様に、波多野にもどこかで外に学ぶ機会があればと願っている)

しかし東京には2ndGKの大久保択生がいる。既に実績十分とは言え、トップ事情を考えればそれなりに出場機会は与えておく必要があるだろう。

さて、U-23において果たして起用すべきは2ndGKなのか、それともより若手の選手であるべきなのか。

昨シーズンの東京は、その点では圍謙太朗で満場一致だった。2nd GKでありながら、大卒加入から実践経験もまだ足りない若手という立ち位置。圍と対するは、経験豊富なベテラン榎本と、U-18から二種登録の波多野・高瀬。選択に困ることは無かった。

それが、ガラリと総入れ替えした17シーズンのGK陣容だと、そうはいかないのである。

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16シーズンのガンバU-23セレッソU-23を見てみると、わりと均等に出場機会を分けていた様に伺える。東京もこの様な振り分けに恐らくなっていくだろう。

1stGKの林彰洋はトップで圧倒的な結果を残し、たった2戦で既に揺るぎない信頼をファンから得たと言える。しかしもし彼が日本代表として離脱する機会が増えるとなれば、その穴を埋めなければいけない機会は生まれてくる。

小平の日常においてジョアン・ミレッコーチから多くを吸収し、少ないU-23での打席数でも確実に打率を残していく。シビアなGK争い、まずは開幕戦のゴールを守るのは果たして誰であろうか。

 

 

●「お客さん」から「当事者」へ U-18戦士4名の『振る舞い』を問う

29,686分のうちの、8,151分。昨シーズンのU-23、27.5%はU-18が支えた。

その中から4名の選手がトップ昇格を果たす。前述の波多野豪。最多出場の岡崎慎。中盤の底で幹として存在感を示した鈴木喜丈。そして複数ポジションをこなすマルチロール内田宅哉。

ファンからすれば昨シーズンから既に勝手知ったる選手たちではあるが、その見る目は今シーズンからは当然、大きく変わる。アマチュアの高校生の立場から、プロサッカー選手へ。これまでの様な「お客さん」の立場では許されない。

「途中出場で自由にやってこい」と、「スタメンとしてチームビルディングに背骨を通す」のとでは、求められる役割は大きく異なる。そしてクラブがトップチーム保有のみとなると、どうしても前者の機会しか創出しづらい。U-23があるからこそ、後者の機会を選手に与えることが出来る。もちろん、U-23選手に求められる振る舞いは後者だ。

昨シーズンのU-23選手には、この部分が著しく欠けていた。

立ち上げ当初のバタバタの中では仕方がない。しかしある程度チームも形作られ、悪い意味での”慣れ”も出てきた終盤では、言い訳は許されない。OAの選手たちとU-23選手とで見られた大きな違いは、鮮やかなプレーや鉄壁の守備などではなく、こういった振る舞いの部分だった。必要な指示や連携の声は出ず、失点時に味方を鼓舞も出来ず、試合後にはダラダラと挨拶に回る。そんなU-23の選手たちを叱ってきた水沼宏太や圍謙太朗はもういない。

結果的にチーム内で最大派閥になってしまう場面も多かったU-18組にも、残念ながらその気配はあった。U-18で出来てた挨拶が、U-23に来た途端(もしくはトップ昇格した途端)コレかよと、ファンはすぐに気付く。ただそれでも何となしに許されてきたのは、彼らが所詮高校生のアマチュア選手「お客さん」の立場でしかなかったからだ。 

幸いにも、今シーズンの東京には理想的なお手本が身近に出来た。高萩洋次郎。盤面をどう察知して、そのためにどう動くべきか、動いて”もらうべきか”。そのための彼のピッチ上での「振る舞い」から、U-23選手たちはすぐにでも学ぶべきだ。

J3のそれなりなレベル感になじみ、プロ選手”風”な生活を楽しむのは容易い。昨シーズン見ていて実感した事でもあるが、この環境のせいで逆に、選手の能力が小さくまとまって終わる可能性はむしろ高いと感じた。「お客さん」から「当事者」へと変わった、昇格4選手。昨年は頼もしい仲間であった新3年生との違いを、彼らは「振る舞い」で見せつけなければならない。

 

 

各選手にも、U-23というチーム自体にも、今年迎えるのはプロ野球界でもよく言われる「2年目のジンクス」。

やること全てが目新しく、得るものしか無かった昨年に比べて、今年以降はより負の側面がオモテに出てくるだろう。続けていく苦しみが、恐らく観客動員にも反映されると思われる。2017シーズンのFC東京U-23が、それこそ昨シーズン同様に楽しむためには、昨シーズン以上の「光明」が必要だ。

それが、選手たちの成長から感じることが出来るのであればこれ以上は無い。期待を胸に、今年もU-23を追いかける。

篠田監督のキュレーションは青赤を悲願へと導けるか FC東京 2017シーズンプレビュー

プレシーズンにおいて、各メディアがこぞってFC東京を持ちあげる様は毎年恒例の催し事なので、そこに特に感想は無い。鍛えられた(いや、鍛えられてしまった)いちFC東京サポとしては「それでもダメだった」病巣を根治しなければ意味が無いことも、これまで学び続けて早や幾年だろうか。

城福政権の失敗を引鉄に、J2降格時から積み上げてきた選手構成サイクルは、2016シーズン途中をもって終了したものだと自分は認識している。なので重要なのは、次のサイクル構築にどう着手していくか。そのためにも未来の話がもっと発信される必要があるというのが、昨シーズンを終えての振り返りだった。

この振り返りの前提には、新サイクルの構築にはある程度の期間を要する、というのがあった。

次のサイクルを回し始めるということは、また新たな”種まき”と”刈り取り”が行われるということ。そこには「種まきなりの、過渡期を耐え忍ぶ覚悟」「刈り取りなりの、勝負の時期の見極め」が求められる。だから一連を堪えるにはそれなりの「共通理解」が必須であり、共通理解としての「未来の話」だと。

そこで今回の選手編成である。主力の選手は入れ替わり、代わりに経験値が既に備わった、実績のある選手が入ってきた。新しいサイクルを用意しつつ、かつ種まきの時間をカネで解決した印象は強い。もちろん「高萩のボランチ換算ホントに大丈夫かよ」「外国人枠埋めろよ」「そもそも守れるのかよ」と言いたい事が無くはないが…総じて、既に”刈り取り”の空気感。こういった事など出来ないと思っていたので、これは正直意外だった。

加えて、それでいてフロント・強化部は未来の話を積極的に「言わない」という姿勢をとった。新体制記者会見ではこっそりとACL圏内と言うに留めシーズンスローガンでは結局「目標」が何かが全く語られていない。何とも腰が引けたポーズではあるが、それは彼らなりの、昨年から得た教訓なのかもしれない。少なくとも、省略した行間を周囲が勝手に汲んでくれて、尚且つその内容も今であれば勝手にポジティブに取ってくれるわけで。その間においては、それは賢い選択の一つとも言える。


かくしてメディアはFC東京をこぞって持ち上げてきたが、その露出の中身と言えば大久保嘉人の主張ばかり。方や篠田監督の話は一向に出てこない。

そんな中、2/17放送のFC東京魂において篠田監督のロングインタビューが放送された。その内容を自分なりに要約すると、

  • 選手時代も、コーチ・監督になってからも、基本は熱くて厳しい人。
  • 「泥臭さ」を特に求める。選手たちが昔から言われてきたものなハズだし、その一瞬が勝負を決める。
  • 2人のコーチ(安間、中村)は信頼している。自分が頼りないので、むしろ助けられているくらい。
  • 就任当初は、まず勝負の世界としてのサッカーを選手に求めた。形から入ったらむしろおかしい。
  • (新加入選手の)良さを出すための、ゴール前へのスピード感についてはアイデアがある。
  • (鹿島・浦和に勝つためには)真っ向勝負。小細工なし。向かっていくことが大事。
  • よりコンパクトに。相手のストロングを抑え、自分たちの良さを出す。引き出させてあげたい。

ワッショイ兄やんの所でのインタビューや、オフィシャルサイトでのインタビューでも、一貫して内容はこれに近い。個人的な印象を言わせてもらえれば、なるほど確かに「中身が無い」。


篠田監督については、これまでも何度も表明してきた通り、元々の印象はネガティブだ。ただしそれが、自分なりに正しく能力を測れてのものではない事も理解している。

誠剛タイムに苦しめられた状況下での指揮が、果たして篠田監督を評価するのに正しいプレパラートなのか?は非常に疑わしい。

そんなポジティブとネガティブと池田誠剛がベッチョベチョに混ざりあったこの状況が、篠田善之の監督としての能力を測る事を難しくしているから非常に困る。

 

短期間で監督を解任する事は悪ではない FC東京の来季監督を考える

篠田トーキョーを測るにあたって、その特殊性としてずっと心に引っかかっているのは、ホーム浦和戦での采配だ。「台本」と「アドリブ」が求められたあの試合で、篠田監督が採用したアドリブは「安間式5-3-2」だった。

選手に体力は無い。攻撃を作れる選手もいない。打ち手もかなり限られ、どれを採用しても率直にあまり効果も期待できない状況。しかしここはホーム。まだ同点。故に、どう「采配」するか?ここは100%アドリブを試される場面だった。

せっかく用意してきた台本を10数分で破棄するのは、シナリオライターとしては難しいところではあったろうが…それを個人的には期待しながら試合を見ていた。その中で、実際に取られた「采配」は梶山→インス。まさか5-3-2とは驚いた。FC東京ではこれまで、安間ヘッドコーチがU-23時代に4試合行っただけの布陣である。

ここ。采配においていきなり安間色が強い打ち手がされた事には正直驚いた。スタッフ間での合議制なのか、はたまた主導権的な内情なのか、透けて見えそうな何かに想いを巡らせながら…結果その安間システムは大失敗に終わる。EURO2016ではコンテ・イタリアも駆使していたこの美しい布陣も、インサイドハーフに移動した拳人・慶悟と2トップの前田・インスが4枚同時ウラを取りに走ってしまえば台無しである。

 

篠田監督が失敗した「台本」と「アドリブ」の潮目 レビュー FC東京-浦和レッズ - 「やってみるさ」

何故あの大事な試合、勝敗を分ける厳しい場面で、安間コーチのアイデアに全乗っかりしたのか。その所以がずっと気になっていた。その中で読んだのが、ワッショイ兄やんの沖縄一次キャンプ記事である。有料記事のため引用は控えるが、中央クサビからサイドに展開し、SBのクロスを中央でシュートする練習が行われたというものだ。

内容としては至ってオーソドックスなものではあるが、これは2016年後期のFC東京U-23で多く見られた、いわば中村忠監督の「型」である。

16シーズンのFC東京U-23では、まず安間監督が前線の選手に「ボールを持ったら絶対に個で仕掛ける」事を強く求めてきた。チームを形作るにあたっての分かりやすいルールとしての側面と、選手育成という本来の目的の側面との両方を満たす方針として。実際にチームにも、その意識はかなり浸透したように伺えていた。

それがミニラ監督に交代になってからは、今度はサイドに展開する意識が途端に強くなり過ぎた。無理して、もしくは技巧的にクサビを打てたとしても、そこからサイドに叩いてしまう流れはこれまでの安間式とは大きく違うものだった。そのギャップが強かったが故に、個人的にはあの型はミニラ式としての印象が強い。

それが1次キャンプで、全く同じ型を、トップチームの選手たち相手に、忠さん自らが指導しているという記事。

この件をどうしても、昨年の浦和戦の件と同じ文脈で妄想してしまう。

つまり、浦和戦の時に妄想した「スタッフ間での合議制でチームを形作っている」説に現実味を補強する事例なのかな、という理解だ。少なくとも、監督がこれほどにコーチのアイデアをピックアップする様子が表に出てくる事例は、過去にあまり無かったように思える。

そうなると、監督:篠田善之としての色の無さも納得できる。むしろ、彼の特色はいわば『FC東京2017制作委員会』議長として、安間・中村両コーチのアイデアを積極的にキュレーションして形作っていくスタイルにあるのかもしれない。

 

選手とコーチをセットとして考える形自体は、サッカーにおいては一般的なものだ。お互いの特長をもって補完し合うのは、特に欧州ではより分業制に近い形で浸透しつつあると言う。FC東京においても、攻撃構築に長けたランコ・ポポヴィッチ監督が、ブラドコーチを招き守備の面を任せていた事例は記憶に新しい。2017シーズンに関しては、この要素がこれまでに比べてかなり強そうに伺える。

この仮説を切り口に、今年のFC東京を追いかけてみようかと思っている。

篠田監督の能力として考えるべきは2つの視点。ひとつは「議長」として、良きを吸い上げてチームを形作るキュレーション能力の部分。そしてもうひとつは、いち「議員」として逆にどんなスペシャリティを議会に与えられるのか。

気になるのは、このメンバーでそもそも議会の俎上に、正しく「守備」はあがるのか?ということ。そしてもうひとつは、篠田監督が場に提出できる様なスペシャリティが果たして、モチベーター的要素以外にどれだけあるのか?ということ。

結局はこの疑問に立ち戻るわけだが。そこに関してはシーズンが明けてから、結果論でじっくり考えていこうと思う。

 

東スポ曰く、

各ポジションに有力選手がちりばめられ、日本代表経験者だけでスタメンを組める陣容は豪華の一言。そんなスター軍団を束ねる篠田善之監督(45)の手腕も確か

【Jリーグ大予想(1)】新指揮官と巨大戦力が融合したFC東京が悲願V

とのことらしい。そんな、優勝候補と呼ばれている今年のFC東京。悲願成就。目標に向けて、2017年のJリーグが今週末いよいよ始まるのである。

 

…で、今年の目標って何なんですかね。

”本気のクラブ”と戦った29,700分が若き青赤戦士の養分となった FC東京U-23 2016シーズンレビュー

端的に言えば、楽しかった。FC東京U-23。やはり新しいチャレンジはしてみるものだなと思うばかりである。

U-23チームのJ3参戦。その激動の1年目が終え、結論として「成功だった」という感覚値は、世間・各クラブ・サポーター共通の認識だと思われる。もちろん、自分もそうだ。

だがその結論に至るまでには、数々の問題が起き、失敗もし、それらは現在においてもまだマイナス要因そのままに残っているものもあるかもしれない。

しかし、世間が華やかな成果ばかりに目を向け続けていくことで、何時の日かそれらが消え去ってしまうかもしれない。そんな不安がよぎった。それでは困る。

起こってしまった問題や失敗は、それらもまた等しく「財産」。1年目だからこそ、U-23創設のチャレンジを行ったからこそ得られた、日本で3クラブしか手にしていない宝物なはずだ。

だから振り返る。そしてWebに残しておく。こういったアーカイブ化は時が経つほどに効いてくる(はずだと信じて…)

 

FC東京U-23の2016年を、時系列でざっと振り返る。

  • 3月:J3開幕。諸々の革命が起きる。開幕戦はボロ負け、観る者が嗚咽するくらいの酷い出来。
  • 4月:おいちゃんダブルヘッダー事件。第6節A鳥取戦で念願の初勝利!インスポーズ爆誕。
  • 5月:ムリキ志願のU-23出場。OA積極参加の先鞭に(その後めっちゃ使い倒される)
  • 6月:翔哉・室屋のリオ五輪組がU-23で脚光。メディア露出が増え始める。
  • 7月:城福解任により、U-23監督が安間さん→ミニラに。
  • 8月:U-18がクラ選優勝!世間にU-23効果として謳われ、世間のテノヒラクルーが始まる
  • 9月:U-23として初の味スタ開催+ナオ復帰戦を水沼ゴールで劇的勝利!
  • 10月:2勝2分と初の月間負けなし。富山県でのはじめしゃちょー人気がバカいかちい
  • 11月:平川怜に続いて久保建英J3初登場、最高動員を記録。最終順位でセレッソを逆転。
  • 12月:U-18最終節に多くのU-23ファンが来てくれて小平大盛況。その裏でU-23が嫌だった選手たちが続々と退団

良い事も悪い事もたくさん並ぶ、このバラエティ豊かな年表を見るだけでもU-23が「面白かった」事が十分に感じられるだろう。


もちろん、単にサポが外野的に面白かっただけではない。クラブとしても得られるものは非常に大きかった。

その最たるものは言うまでもなく「実戦でのプレー機会」。

J3という「プロの有料試合」で、昇格を目指す百戦錬磨の「プロの選手たち」を相手にし、周囲を「敵意むき出しでかかるサポーター」が囲う環境の中で得られた、11人×90分×30節=29,700分。それは他クラブで復活したサテライト戦とは質量共に雲泥の差だった(サテライト戦はクラブ都合で簡単に中止になったり、選手のモチベーションを高めようが無くて効果が期待できない等と、そもそもまともに機能しなかったと聞く)

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みんな大好き!SOCCER-DBより引用した出場記録を生年順でソート

FC東京はもはや、要のポジションにおいては"育成"よりも"獲得"が求められるクラブ規模となってしまい、選手育成においては他クラブへのレンタル武者修行しか術が無かった。丸山祐市然り、橋本拳人然り、中島翔哉然り。近年で台頭した選手の殆どがレンタル帰りの選手となり、外部レンタル無く主力に位置している選手は、近年では小川諒也・室屋成くらいではなかろうか。

そこで、U-23という存在が活きてくる。ストライカーなり、司令塔なり、DFの要なりと、チームの軸となる選手をFC東京の中で育てられる環境がついに整った。かつ、サポはその過程を手元で見守る事も出来る。

例えばユ・インスがU-23に常時出場することによって、ストライカーとして”2,248分試され続けて”きた経験は、これまでのFC東京ではあり得なかった。「今後、インスが青赤の誇るストライカーとなれるのか?」サポにとって、この期待に代わるモノは無いはずだ。


他方で、問題も多くあった。その最たるものが「編成の失敗のしわ寄せが選手に向けられた事」である。例えばU-23の選手不足がために、U-18所属の生地慶充に、同日別会場で開催された公式戦にハシゴ出場するというダブルヘッダーを課した。

もちろん、それが選手たちに貴重な経験となっているのは事実だ。正しく得た出場時間であれば大歓迎だし、自分は元々U-23施策には全面的に賛成の立場である。

しかし、あくまでそれは「適度」であるべきだ。少なくとも、4月17日の様に「千葉で試合に出場⇒新木場に移動⇒夢の島で試合に出場」などは絶対に行ってはいけなかった。時間は経ち、移動のために身体も硬くなり、その後に上位カテゴリーの試合に出場。よく怪我をしないで済んだというレベルである。目的には100%賛同するが、そのための手段として、この様な度が過ぎた起用のされ方は決してされるべきではない。

FC東京U-23が迎える"初めての夏"を初めてなりに考えてみた

少し前のFC東京魂において、渡辺一平が「彼らは若いんだから何も問題ないよ!強豪校ならどこもやってること」と何度も口にしていたが、冗談じゃないふざけんなと言いたい。彼がイメージしているのは所詮、選手が試合中に大量に入れ替わる様な練習試合や、オフシーズンに合同でTMを開催するフェスティバルなどでの連戦に思われるが、今回は「U-18年代最高峰リーグ」と「第1種プロリーグのDiv.3」の同日ダブルヘッダーであり、位置づけも強度も負荷も全くの別物だ。土日での連戦の場合でも、ただでさえクラ選や国体、冬の選手権においてその過酷なスケジュールが問題視されている状況でもある。

渡辺一平の無責任な言動よりも、こういった親御さん方の切実な悩みにこそ意識を向けたい。親御さんのサポート無しにU-23は成立しなかったし、改めてこういった過剰な負荷は決して良しとはしたくない。


そして編成の失敗の影響は、オーバーエイジにも及ぶ。

吉本一謙・ムリキをきっかけに、水沼宏太林容平などがU-23で正しく振舞ってくれた事には感謝しか無い。試合後にサポーターの元へ挨拶に行く際にも、先頭を引っ張るのは圍謙太朗や水沼ばかりで、方や後ろでダラダラと歩いてしまうU-23勢が先輩に怒られる姿は、多くの観客が何度も見かけた光景だ。先輩たちが、無形のU-23を「チーム」として形づくり、ビシッと背骨を通してくれた事は全てのサポが知っている。

ただそんなOAの選手たちとしても、まさかクラブからここまでU-23へのコミットを求められるとは思っていなかったのではないか。自身のコンディション調整のために、もしくはU-23の惨状に一肌脱ごうとある意味男気をみせて手を挙げてくれた彼らではあったが、クラブはそれ以上の出場を求めざるを得ない状況。林容平に至っては、人数合わせ・勝利優先のCMF起用といった”被害”も受けながら、結果としてU-23クラブでOA最多出場時間を記録してしまう。

U-23に多く貢献してくれたOA、圍、水沼、林は他クラブ移籍が決まった。U-23全クラブをみても、1,000分以上出場のOA7名(小椋祥平内田達也岡崎建哉、小谷祐喜、武田博行、圍謙太朗、林容平)は全て、16シーズン限りでクラブを退団する。サポが想像する以上に、選手にとって「トップではなくU-23に出場する」事は嫌だったということだろう。考えてみれば当たり前かもしれないが、それを改めて実感した格好となった。

(とは言え自分から見ての言い分としては、彼らの想いが叶わなかったのは単純に「選手自身の実力不足」もあったと思う。林にしろ水沼にしろ実力的には「J1に短し、J3に長し」だったし、圍に関しては秋元への信頼が揺らぎ絶好のチャンスであったH長野戦において、非常に不安定なパフォーマンスに終わってしまった。サポからすれば、彼らがU-23止まりである理由もまた、何となく察していたし納得感もあった。このU-23の場で彼らもまた”改善”し”成長”してくれる事で…しかしそれは叶わないままに、圍も水沼もクラブを去ってしまった。この手の問題は、一生相容れないものと割り切るしかないのかもしれない)

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選手の出場時間を、U-18、U-23、OAで割合を出してみると上記となる。参考にJ3首位の大分、世界2位の鹿島も並べてみたが、若手年代への出場機会創出という意味ではその実績差は明らかだろう(ただ、所詮目的の違うトップチームとセカンドチームとの比較であること、特に鹿島に関してはそもそもJ1公式戦のみを抽出対象としたデータだったりと、色々と恣意的な比較ではある…)

U-23の3クラブ内で比較した際に、FC東京U-23がガンバ・セレッソに比べて、U-18・OA選手に多くの出場時間を割いていた事がよく分かる。実際、FC東京は組織変更でU-18の所管を変更する等、U-18選手を積極活用する意図が元々強かったのは間違いない。

しかし実際は前述2例の通り、本来あるべき以上の無理を、選手に強いた結果も含まれていたことを忘れてはいけない。改めて欲しいのは、編成の失敗を選手に、特に所詮アマチュアな高校生選手に「身体的に無理を強いる」という構図の気持ち悪さだ。

その気持ち悪さが改まった結果として、引き続きU-18に多くの出場機会が巡ってくるのであれば大歓迎だ。H秋田戦では、平岡翼とのスタメン争いの末に内田宅哉がスタメンを掴んだが、この様な健全な形がより増える事を願ってやまない。

失敗をしてしまう事は仕方ないし、過ぎた今となっては何事も無くて良かったとして次に改善出来れば構わない。逆にいえばこれを「良い失敗」と出来るかどうかは今後次第だ。

と、これだけ振り返った上で始まる、2017シーズンである。


U-23J3参戦とは、年間で得られる出場時間(=経験値)を、選手にどう振り分けるか?のサクセスモードとも捉えられる。

16シーズンからの改善も意識しつつ、さて今後どの様な意図でU-23を戦っていくか?出場機会の割り振りをU-23側に厚くするべきか、引き続きU-18に振るべきか。

FC東京の場合はU-18に多く配分された事がユース2冠へと繋がったが、方やU-23組がそれだけ経験値を得られていない事のマイナス面もあるはずだ。

確かな解は恐らく今後数年は見い出し難いだろうが…そうこう言ってる間もなく2017シーズンが、U-23の2年目がもうすぐ始まる。意図と改善が見える、2年目らしいチャレンジが見られる事を楽しみにしたい。

そんなFC東京U-23 2017シーズンプレビューは、いつか気が向いたときにでも。

「コバショー来年もヨロシク」のお話

2016年J1リーグ最終節、名古屋グランパスvs湘南ベルマーレの試合はスカパーLIVEで観ていた。同時キックオフでFC東京の試合ももちろん放送されていたけれど、それをセカンドスクリーンに追いやってまでこの試合を優先したわけだから、そこに「FC東京サポとして」以上に「他人事なスケベ心」が上回った事実は否定できまい。実際、そのスケベ心は結果としては十分に満たされたわけだけど。

湘南の2点目に目がいった。

心と身体が機能せずに硬直する名古屋のプレーぶりに既視感を抱きながら。前半の早い時間帯にまず湘南が1点。そして37分の2点目は、名古屋にとっては既にトドメと言っていいものだった。右からのクロスに、左サイドから突っ込んでくる高山薫。右SBを引きずりながらも、上手く出し抜いて前でボールに触る事に成功した、見事なゴールでもあった。

その応対した相手選手、つまり高山薫に出し抜かれた右SBの選手が、他ならぬ古林将太だった。湘南アカデミーの顔であったコバショー。この2点目に、クラブと選手とサポーターそれぞれの運命を感じずにはいられなかった。

そして試合後。

J2降格が決まった名古屋グランパスは、試合後にピッチを一周しサポーターへ挨拶に回った。成り行き上、アウェーゴール裏の前を通り、湘南サポにも挨拶をするグランパスの選手。そこで、TVカメラはゲーフラを掲げる湘南サポーターを映した。 

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色んな事が頭をグルグルしながら、どうこれを咀嚼すれば良いのか一瞬困った事を覚えている。

そして、それと同じ様な事がつい先日また起きた。タマこと三田啓貴FC東京退団、仙台移籍。グルグル。明日は我が身とはまさにこの事なのかもしれない。

 

グルグルと、少し前の事を思い出した。

U-18で全国制覇、大会MVPを獲得したタマは、しかしトップチーム昇格は叶わずに明治大学に進学する。当然「卒業したら戻ってこいよ」とタマを送り出したのだが、それがいつしか「卒業した時に果たして戻ってきてくれるのか?」と不安になる時期があった。

明大サッカー部で輝かしい活躍を見せるタマには、ジュビロ磐田からも誘いがあったらしく、FC東京と磐田とでのタマ争奪戦になった。しかしその当時FC東京はJ2に所属し、沼にハマりかけていた時期でもあった。

タマにとっては、J1ジュビロ磐田に進む方がよっぽど彼の価値に見合うわけで。彼の事を思った時に、ベストな選択肢がFC東京だぞと言い切れない事への、苛立ちというか、観念というか。すごい複雑な感情をあの時は強く抱いていた。

だから、タマが東京を選んでくれた時には、嬉しさ以上に安堵の思いが勝っていた様に記憶する。

そんなタマが、今度は移籍で東京を出ていってしまう。あの時とは逆というか、複雑な感情の通りというか。彼にとって、FC東京が「ステップ」になってしまった事への整理は、正直未だにし終えれていない。

 

コバショーにしろタマにしろ、彼らが湘南を、そして東京をそれぞれ愛し、憧れていてくれた事には間違いない。それはむしろ今もそしてこれからもそうだろう。そこを疑うつもりは一切ない。

ただただ、彼らが選手としての「次」に、愛するクラブは適さなくなってしまった。相応の価値を提示する事が出来なくなってしまった。

そこを例えば、選手が違約金を置いていかなかったからと、ドライに選手を突き放す切り口は簡単だろうし、確かにそれも正しい。それが湘南ベルマーレの財政規模であればより切実だ。

それでもここは一旦堪えて、原因の矢印を自らに向けるとするならば…

愛し、憧れてくれる選手たちの期待に、能力的にも経済的にも応えてやれるクラブとなれる様にと、クラブの歴史を膨らませていく決意を新たにしていくしか無いのだろう。

 

皮肉と自虐が絶妙に効いたあのゲーフラ。2017シーズンは、湘南サポはコバショーにどんな反応を向けるのだろう。「お望み通り、湘南では得られなかった成長を手にしてますかねぇ?」と伺いつつ。願わくば心の底に「あの時よりも憧れを受け止められる位に湘南ベルマーレも大きくなったから、何時でも帰ってこいよ」くらいな想いを抱きつつ。