逆恨みで丸裸 プリンスリーグ関東 横浜FMユース-浦和ユース

日曜日はプリンスリーグを観戦に小机へ。あれ?
そう、「超×∞」大事な東京ダービーFC東京U-18-ヴェルディユース」を観に行かなかった。あんだけ宣伝しといて(笑)逆に東京ダービーではなくて府中のダービーに行っちゃったんだ、てへ!競馬の方のいつもの友人にも最近顔を出してないし、何より今年の世代のダービーは見ておきたかったんだよね。東京ダービーには多くの皆さんが駆けつけてくれるだろうし、青赤の勝利を信じてますから。えぇえぇ。
オレを冷たい目で見ないでくれよ(笑)
しかしタダでは倒れないのがワタクシ。ならばと向かったのが日産フィールド小机。今日を終えればあと2節のみのプリンスリーグ、その残りの対戦カードである横浜FMユースと浦和ユースの直接対決ですから、これは絶好の偵察試合なわけです。東京ダービーで青赤の血が燃えに燃えた皆さんが是非、次のプリンスの試合にも来てもらうためにも、しっかり見てきましたよ。丸裸にしてきましたよ!フハハ!!
と、そんな逆恨みで大迷惑を被った両者のぶつかり合い。10時30分キックオフ。曇り、無風。

浦和ユース 4-1-2-3扇型
FW:17矢島 9葦本 18鈴木
OMF:11磯辺 13岡田
DMF:10石沢
DF:21若井 8池西 6岡本 5大里
GK:1中村

横浜FMユース 4-2-3-1
FW:9榎本
OMF:8関原 14小野弟 11天野
DMF:13澁谷 22渡辺
DF:3岡 4樋川 6中田 23星広太
GK:1橋本

  • 浦和ユースの攻撃に見られない「判断」

正直な話をすれば、残り対戦カードの両者を見にきてとは言ったものの、ほとんどが「横浜を見にきた」様なもので。浦和は今までを観た上で「勝たねばならない相手」という位置づけ。この相手の実力ならば、東京は目指す目標の上では確実に勝って先に進まねばならない相手だと評価する。
昨年の高円宮以降、ゲルト出向の多かったタレントたちは本格的にトップへ合流を果たし、Jユース杯では他に先駆けて新チームを睨んだチームで挑んでいた。おかげで他よりも立ち上げが早いと言っていいのがこのチーム。しかしそのアドバンテージも薄まりつつある。
タレントの差がある止むない事情(当然、昨年が良すぎた)があってもやるサッカーは変わらず。扇型4-1-2-3にワイドに構えて、速いパスワークでの攻撃を目指す浦和。しかしそこに「判断」があるようにどうしても思えない。
昨年のチームから浦和ユースの試合ではダイレクトパスが目立つ。それ自体は悪くないんだけど、このチームにはどうも「ダイレクトパス縛り」がある匂いがして、ある種どうでもいいシチュエーションでもダイレクトパスで繋ぎたがって、しょうもないミスで早いうちに自分のターンを終える場面が多い。
ダイレクトパスの練習を多くやってんだろうなぁ、ってのは凄いよく分かる。けど、そのツールとしての使い方にどうも「判断」があるように思えないんだよね。相手の寄せ具合だとか、受け手の準備だとか、受けるパスの質だとか。点のタイミングで同じシチュエーションなんてある筈が無いのに、そこで全てダイレクトでとりあえずパスを出す。それがスタイルだから練習しているからそうするんだろうけれど、ある場面では一度止めるべき場面だってあるはず。それを良しとしている感じがチームから感じられない。もう「とにかくダイレ!」で凝り固まってるみたいな。
昨年のチームもそうだったから、これは恐らく指導スタイルとしてもう信念なんだろうね。ただそこがどうも俺には合わないなぁ、とは昨年からずっと思う。今年は出し手のブレも多いし、詰まった時イコール最終勝負時での個人力が流石に昨年ほどに無いから、同じやり方でやるのは厳しいね。

首位のチームから千金の勝ち点1を獲得したけれど、これは横浜の悪さもあったし、CBに入ったキャプテン8池西の頑張る指示が活きたのもあるし、ほぼ唯一広い視野と丁寧な「止める」蹴るが出来る攻撃の中心13岡田が冴えに冴えたから。
ここまで読んでもらって分かるように、まぁほぼ「好みの問題」言ってます。昨年よりもチームにはなってるとは思う。けど東京にとって浦和ユースは「必勝」でなければならない相手。取りこぼしなくしっかり勝ち切るように。13岡田に気をつけましょう。

  • ゴールへのルートがあまりにも少なく、不安定な横浜ユース

本当は「良い横浜Y」を丸裸にしたかったけど、勝ち点1で終わってるのを見ても分かるようにあまりいい出来ではなかった横浜ユース。やり方がどうも随分変わっている。
最終ラインは攻撃のセットに入ると2CB+ボランチ一人(おもに13澁谷)の計3人、両SBは高い位置を張るスタイル。ホント流行ってんなこれ(笑)ただ、この最終ラインからその他の選手との距離がべらぼうに遠い。両SBの立ち位置は2列目くらいの位置だし、残ったボランチ22渡辺は触りに降りてくることは決して多くは無い。前線の4枚はほぼ最終ラインに張るくらいに。
ビルドアップとは呼べないくらいに前ががりな各選手のスタートライン。攻撃のために使うパスコースは「SBに向けたロングフィード」か「前線4枚から一人下りてくる相手への縦パス」に限られた。これで収まり、次のパスまで行けてしまえば、あとは9榎本8関原14小野弟11天野が山瀬バリにキレ良くドリブルでカットインし得点を奪う。この4枚が全員山瀬みたいなもんで、「山瀬カルテット」にまでどうボールを運ぶかが攻撃の質を決める生命線だったように思った(11天野は「公式の過剰な選手紹介」によればキックの種類を売りにする選手の様だが、彼にも当然キレはあるし、プレースキッカーを務めていても印象は山瀬的なところの方が大きかった)。
ただ、そもそもそこに行きつくまでの初手が2パターンしかないから、またそのどれもがある程度距離のかかるパスだから当然ミスも多く。浦和がそれをかっさらうと、目の前には3枚しか数が揃ってない横浜が露わになる。これではいくら攻撃が強くても脆さと紙一重すぎる。全国レベルのトランジションと攻撃力を備える三菱養和にフルボッコだった試合も、この部分が出ての惨敗だったのかも、とちょっと予想してみたり。
守備部分はさておいても、攻撃部分でもこのビルドアップでは心許ない。ビルドアップの基本は「相手の間に顔を出す」ことだが、顔を出すための「縦次元の動き」が少なかった。山瀬カルテットの威力は絶大だから、そこが発揮して得点を期待できるのも確かだろうが、これでは容易く封じることができる。
3月のマリノスカップで俺が惚れた、マリノスユースではなかった。

  • やはりトリコロールはファンタジスタが司るべきチームか

1-2と劣勢になったところで、満を持して10小野悠斗が登場。14小野祐二との兄弟タッグがこのタイミングでやっと観れた。
弟である14小野祐二は典型的なU-17代表系選手。甲府ユースの堀米やヴェルディユースの高木善明の様に身体のキレでドリを仕掛け、相手の逆を取り、ボールを蹴る能力に長けた選手であるが、特に小野弟はさすがトリコロールというか、山瀬功治の匂いをより漂わせた選手と言える。「山瀬カルテット」の中でも、彼にしか見つけられないドリブルのコース取りを眺めても、より山瀬的な選手と言える。
それに対して兄10小野悠斗はこれまた典型的なレフティのファンタジスタ。裏のエリアを俯瞰で感じ取り、やさしく捌く姿はこれまたトリコロールの匂いというか。ファンタジスタでもちょっとクラシカルな感じで、なんとも華のある選手だろう。前橋育英グランドでのPUMA CUPでは見る者を完全にメロメロにしていたね(ほぼ青赤サポだが笑)。
彼がここ最近出場が無かったのはどうも怪我だったみたいで、そのせいかこのタイミングでの出場となった小野悠斗。
しかしここで、ガラッと変わったね横浜は。ビルドアップ能力がバシンと増した。
周囲の10番への信頼が高いのがよく分かる。「彼がいるから…」っていう安心感がより大胆な仕掛けも生み、ギャップへの顔出しやSBのオーバーラップが一気に増え始めた。オレの23星広太も有効な攻め上がりを増し、8関原もゴールゲットに直結する野心をプレーに乗せ始める。
彼の投入で一気に変わったね。逆転までを目指していたせいもあって、そのせいでの「焦り」が結果を邪魔しはしたけれど、「やっぱり小野悠斗」を身に染みた試合だったのではないだろうか。
マリノスカップで圧倒的な実力で優勝したマリノスユース、その時の印象は「仕掛けゴコロとパスゴコロの高いレベルでの両立」。相反しがちなこの両者のバランスが非常に高いところで取れていて、その華やかさがとにかく魅力的だった。しかしそれがこの試合ではバランスが仕掛け要素にかなり大きく傾いていて、おかげでチーム全体のバランスまで崩していたように思う。ただ、潤沢なタレントたちを上手くやりくりして、廻して起用している様子もあるのでこの試合もその一環かも、といった捉え方も出来なくない。実際に小野悠斗投入でそのバランスを少しだけでも整えたら一気に内容も変わってしまった。

マリノスユースの弱点はやはり守備面。前述の守→攻のトランジションでのショートカウンターの他に、2点。
一つはボランチの運動量。マリノスユースボランチ陣はこの日の両者だけでなくとも12後藤然り17松本然り、泥臭さよりも華やかさのが勝る。そのせいかセカンドボールの拾いあいに弱い。その役割を本来担うであろう選手は13澁谷だろうが、この日は拾い合いではレッズユースに後れを取った。そのせいで小野悠斗投入後の「形ある攻撃」が出来るようになった後も、何度か浦和ユースにチャンスを作られていた。
倉又イズムのトランジションを持つ東京U-18としては、ここは勝る部分なはず。セカンドの拾いあいで流れを有利にキープしたい。

もう一つはフィジカルコンタクト。マリノスユースのCB、4樋川6中田はヨーイドンのぶつかり合いに強いタイプではない。裏へのロングボールを入れて、バチバチに競り合いながらさてどっちがボールを取るか?となった時に、フィジカルコンタクトの上手さ・強さでキープできるのは東京最大の強みだし、逆にマリノスユースは苦手な方と言っていいと思う。東京がバッチバチに当たりに行くサッカーをした時に、マリノスは結構苦戦するはず。
東京でぶっ壊し屋と言えば2阿部巧に14三田尚夫(笑)彼らが最終戦ではキーになると見る。東京が長所をしっかり出しさえできればチャンスはある、スタイル的にやはり相性はいいのではないだろうか?


  • 気づいたこと2点

久しぶりに超まじめに、どう勝つかを考えながらスカウティングをしてみた。けどこうせざるを得なかった事情を覆す重要な2点に気付いたよ。
まずひとつは、よみうりランドからタクシー飛ばせば東京競馬場に15時40分の出走に間に合ったんじゃねえかということ。東京ダービー日本ダービーのはしごは計画練れば実はできたかも。得意のチャリだったら間違いなく出来てたな、豪雨だったけど。東京ダービー、実は見れたんじゃねオレ?
しかも軸を某差し馬にしていたので、豪雨になった時点で「ダービー中止になんねぇかな…」って何度つぶやいたことか。東京9Rの惨状を見た時には「あぁもー予想変えなきゃじゃん中止にしようよ〜」って叫んでた。散々でしたよ。まぁダービージョッキー横典が見れただけ良いとするか。

もうひとつは両者の対戦が約一か月も後ということ。しかも「スクラップ&ビルドの関クラ予選」の後じゃ、今日の知識も対戦時には役に立たない古い情報になるんじゃねぇか?小野悠斗だってどんどん調子上げてくだろうしさ。じゃあ頑張って観た意味ないじゃん!

ってことで皆さん、この情報を鵜呑みにしないで是非7月のプリンスリーグラスト2戦をお楽しみに〜