仙台でナクスタ、そして名古屋の青赤っ子達の結果を気にしていた人は当然、多数いただろうが、恐らく筑波大の結果を気にしていた人はそう多くはないだろう。
今季のJが終了し、冬サッカーが本格的な到来。そこで自らの課題としていたのが主に、
特に自分にとって最も注目だったのが筑波大である。今年の筑波は面白い。スゴイ。監督スゴイ。そんなインパクトが刷り込まれたせいで、しかし逆に妄想内で評価が過大に膨らんでしまっている懸念を感じていた。それを確かめる、修正する必要が自分にはあった。だから最後の全国の舞台で、今年の大学界最大のトピックを確認する。その機会が出来た事は素直に嬉しかった。
先週だかのサカダイだかマガだかで筑波大の見開き特集が組まれていて、それが非常に面白かった。昨年降格をギリギリ回避した筑波大は、今年3位に躍進。独走で関東リーグを制した流経大と同じ、22試合で51得点。得点王は2トップの西川、木島の2人旅。けど失点数もリーグ最多の45失点。このスコアが全てを表しているが、それについて特集で監督は「当然、だって守備・戦術練習は全くやってないから。良くコレで済んだとすら思っている」と平然と言い放った。リップサービスも含んではいるはずだけど、コレには痺れた憧れた。
ただ、その言葉に偽り無しと信じ込めてしまえるくらいに、筑波のサッカーはこの言葉そのものである。華麗な仕掛けとパスワークからどんな壁をも崩せてしまえる攻撃。そして時たまポカーンとやられてしまう守備。ムラの波がありすぎる筑波サッカー。
この日観た試合もそうだった。相手は広経大。多種多彩な筑波のチャントを徹底して「パクって」盛り上がる感じは悪くない、むしろ親近感。そんな相手に、前半やきもきしながら後半途端の4得点の完勝。
前半のやきもきは主に筑波エース・西川優大が「彼の日」では無かった事に起因するもの。しかしそうで無くても今の筑波では、各々が自ら考え、自らが打開し、結果それが纏まってチームとしての破壊力を生む。木島悠が、小澤司が、大塚翔太が、それだけではない数多くの個が集合体となってクオリティを保っている。
この日は、大塚翔太の日。突っかけられる怖さを知りつくし、それを自らの攻撃に活かす小澤。小澤はどんどんと中央に侵入し、決定的なクサビとフリーランの同時進行。そこをきっかけに大塚は一発で前を向いて勝負、この日2本のシュートをゴールにねじ込んだ。それはまさにストライカーの様。けど違う。考えた上で、状況判断によってストライカーの役割をしただけにすぎない。それが風間サッカー。
行動力に溢れる天才って、恐らくスゲェ厄介で。風間八宏はそのタイプに属する人間だと思っている。賢くもあるから、喋らせれば一般階層にまで降りてきてかみ砕いて解説してくれる。育成しようと思ったらスペトレ開いて徹底して個人技を伸ばしたり、TVパワーを使って息子をセビージャ下部組織に留学させる「実験」も平気でやる。そして監督やらせたら、これである。それでいて今アイツって、JFA特任理事でしょ(笑)ハッキリ言って恐ろしい。
正直かなりビビってます。フジ系のサッカー解説としてあまりにも慣れ親しんでいるから誰もあまりイメージ湧かないだろうけど、風間八宏はスゴイです。ただ喋れるだけの人間ではありません。
そんな自分の風間八宏への最大級の賛辞として、彼には是非ロンドン五輪代表を率いて欲しい。これだけ候補がいないんだったら、やっひーがやればいいじゃん。そのくらいな程度で前にネタ感覚で思っていたけど、現在かなり大マジで、そして成功への自信を確信レベルで備えた上で推薦します。彼が一番ふさわしい。彼のサッカーでロンドンへ行きたい。ロンドンで暴れたい。
そのためにも、タイトルを是非取って欲しい。出来れば今大会で。ダメなら来年でも、どうせ恐らく近いうちに全国タイトル取る事になると思うけどさ。ただ今回のインカレ決勝だったら、テレ朝地上波で深夜録画放送するだろうから、そこで嗅覚優れるサッカーファンに「あれ?」と思わせて欲しい。そして今まであまりにも身近で挙がる事の無かったリストに挙がって欲しい。
インカレ準決勝、次の相手は関東王者・流経大。次の相手が流経大だと知らせるアナウンスが流れたとき、スタンドからは「え〜」という声が漏れた。何とご冗談を、今年の関東リーグでは6-5,4-4と壮絶にボコりあった鉄板のバカ試合カード。その相手にこのタイミングで巡り会った事にニヤニヤが止まらないわ、オレが。
1/7(水)は会社を辞めて是非見に来て欲しい。監督・風間八宏。早めに体験しておいて損はない。