27時間名古屋旅行記

これだけ多くの所にアウェーに行っているのに、いわゆる「旅行記」みたいなのはほとんど書かない当blog。それはひとつに、試合のレビューと旅行記を上手くまとめて一つのエントリに出来ないから。それと「自分に写真を撮る文化が全くないから」。
やっぱ写真を撮らないってのが何よりダメージ。写真ドーンで済む話をあれこれ書いてリンク引っ張ってきて、ってのはやっぱりメンドイんだもん。
けどね、今回は撮ったのよ。何となく、気張って撮ってみたのよ。
だから書いてみます名古屋旅行記。振り返ってみたら計27時間の強行軍。そう、オレの旅行ってこんなのばっかなんです。

  • 東名をズンドコ名古屋へ

ETC割引利用のために、朝方3時出発。このために、これまた寝ないで出発するっていうね。おばけ柔道を途中まで観て、いつもの友人カーに乗り込む。いつもの様にくだらない話をだらりだらりと。助手席に乗る者として、寝ないでとにかく話しまくる。以前、助手席で寝たせいで運転手まで寝てしまい軽く事故った恐ろしい体験をしたトラウマか、助手席で寝ることはしなくなったなぁ。
こんな旅行記を書いておいて何だけど、当方基本的に旅行はノープラン派。本気で決める時には大体現地で旅行誌立ち読みで決める。今回もそれは変わらず、メシ以外は何も決めずにとうとう上郷SAまで来てしまった。そもそも名古屋ね、観光的に観るところが無いんよ。名古屋城とか、城の中にエレベータがあるのがどうしても許せなくてキライだし、何をしよう?とか全く湧いてこなかった。
なんで、上郷で必死にやることを決める。温泉雑誌を立ち読みして、とりあえず温泉だけはしっかり決めておく。ただ他はやることはやっぱり無し。その時点で朝の7時。昼メシまでの時間つぶしで「とりあえず行ってみるか?」とブラブラ寄ることに。

上郷から近かったので、豊スタ行ってみるか?とまずは豊田スタジアムへ。昨年の豊スタ開催に行けなかった悔しさのせいで今年は相当期待していたのに、瑞穂だなんて!開催はなくても、けど行っちゃうもん。

期待して行ってみた豊スタだけど、いや想像以上の素晴らしさ。45000人収容のビッグスタジアムだが、その作りはいたって簡素。急勾配の座席配置のために4面の分厚いコンクリを重ねて、その裏にサクッと階段とコンコースを備えるシンプルさが良い。

またこの急勾配の座席が、サポーター達の大声量を上手く反響させることもありそうで、この点もいつかの豊スタ開催が楽しみで仕方がない。
世界の大企業TOYOTAがその威光を示すにふさわしい、素晴らしいスタジアム。このスタジアムを使わないのはもったいなさ過ぎるし、「このスタジアムが使えるクラブ」というだけでどんな言い訳も通じないよなとも思った。とにかく、素晴らしいスタジアム。朝っぱらから大興奮!これは見に来て良かった。
ちなみにこの日は豊田国際ユースサッカーが開催中だった。おなじみ宇佐美タンやらのプラチナ世代が世界と戦う大会として、観たかったけどスケジュールが合わず残念。特に、結局コンディションが最悪だったらしいけど、名門サントスの至宝どころかブラジルの至宝「ネイマール」が来ていたともなればこれはガチで見ておきたかったと非常に残念。このネイマール、この年齢で既に獲得には5000万ユーロが必要という超逸材。また、これまた評判のコウチーニョも来ていたみたいで。この辺りについてはこちらのサイトこちらの動画をどうぞ。将来的に、知っておいて損はないらしいです。

昼メシまでまだまだ時間が余っているということで、ハコ物行政ツアー(笑)第2弾ナゴヤドーム見学。

何とも怪しい団体がイベントを開催していたので中には入らなかったが(看板に「寄付は求めません」とか書いてあるし笑)その外に常設されているグッズショップへ。待ちかまえているのは当然、おなじみドアラドアラのお膝元でドアラを体験したら、これはもうグッズを買うしかないじゃないか!買ったのがドアラうちわ。

ドアラ〜!

裏もドアラ〜!
ちきしょーカワイイというのか何というか、何かムカツク(笑)けどもうコレ手放せない、何か良い。何かムカツク。あードアラ〜!!
ってことで、ナゴヤドームよりもドアラグッズを眺めて満足するツアーになりました。ちゃんちゃん。

  • 旅行先でスーパーマーケットに入って時間潰しって、どうなの?

昼メシまではまだまだ時間が。あと数分だけだったので、近くのスーパーで時間潰し。こんな旅行ってあるのか?
けど、自分が旅する時に結構気にするのが「その土地の日常を感じる非日常体験」ってのがあって。例えば18切符で関西に始発で行くと、朝のちょうど通勤通学時間頃に静岡を通ることになって、その電車の中は休み中だけど部活のために学校に向かう学生の「日常」と、18キッパーとして朝メシ駅弁を食べたりゴツい荷物を置いて爆睡する「非日常」がごっちゃになる、ある意味カオスな情景が電車内に生まれる。自分にとってはそこが非日常なわけだけど、周りにとっては普段通りの日常なわけで。そのギャップを楽しむのが旅の醍醐味であり、また自分がその土地の「日常」を壊す要因にもなっていることも決して忘れてはならない。
スーパーなんてまさに日常でしかない。けど自分がそこに混ざるとそれだけで「非日常体験」になるわけ。どんな魚が並ぶのか?その鮮度は?肉はどこの肉が届くのか?そこから名古屋の食卓を想像するのも楽しいわけ。味噌コーナーにずらっと並ぶ赤だし味噌を見るだけで、非日常体験になる。

名古屋名物味噌煮込みうどんも、名古屋人にとっては日常であり、袋メンの一つなわけで。けど東京人にとってはこれだけでも大満足。寿がきや製で間違いなし。友人は一緒に「香里奈の愛した『つけてみそかけてみそ』」も購入。チューブ型の味噌で、豚カツにも豆腐にも、何にでもかけたらたちまち名古屋流。
何となく入ったただのスーパーで大収穫。おみやげなんて、こんなでも良いんですよ。

  • 間違いなしな「どて玉丼」で、まろやか〜ん!

どんだけ時間を潰していたんだってのは、11時開店のこちらの店を待っていたわけで。初味のどて玉丼。今回唯一決めてきた目的地。
肝心な飯モンで写真を撮ってないってのが俺クオリティ(笑)。自分が撮るよりよっぽど綺麗なこちらこちらを見て下さいな。
スジを煮込んだことある人なら分かると思うけど(この導入もどうかと思うが)スジってめんどくさげな下処理もそうだけど、ただ火にかけるだけだと汁気も気にしなきゃだし下手すりゃスジがほろほろにほどけきって煮崩れしたりもする。だからリンク先にもある様にその「タイミング」って結構ウデが問われるところだと確かに思う。その辺り、こちらは語っているだけあって確かに絶妙な柔らかさと物体感。またおなじみ赤だし味噌でこってり一辺倒になるかと思いきや、そこで柔らかく中和してくれるのは半熟玉子のまろやかさ。小口に切ったネギとお新香、本場の赤だしもクッション代わりで安心する。
名古屋味噌文化が好きな人ならばサクッと喰いきってしまえる美味さ。イヤー相当美味かったぜ!
って、案外名古屋満喫できてね?ノープランだったのに。

美味いモンも喰って、次の目的地に向かう途中。青看板を観てピンと来た。「今、徳川美術館の看板出てなかった?」相方は気付かなかったみたいだが、確かに俺は見たはずなので、言われた通りに左に曲がってみる。するとやっぱりあった「徳川美術館」
尾張徳川家が管理する財宝がずらっと展示されている徳川美術館に気付いたのは、マジで偶然だった。あの状況で気付いても、その交差点が青だったら普通にスルーしてたし、そうでなくてもそんな簡単に行程を代えようなんて思わない。けど、何か「徳川」ってだけでワクワクしたんだよね。「大徳川展」で満足しきった自分には、どうしても無視できなかった。
ってことで急遽行った徳川美術館。行って大正解。徳川に圧倒された。
武具・刀剣のコーナーでは、名刀正宗の短剣がいきなり実物展示。何だろう、他の刀と比べて光り方というかその鈍さ?がやっぱり違う様に見えるのは先入観からなのか…続く茶の湯能楽・奥道具のコーナーではまさに「品」「粋」そして「わびさび」の華やかな世界。特に華やかな調度品の世界では、葵紋をただ闇雲に配置しないセンスというか、家紋自体がすでに美術として成立している完成度だとか、とにかくホンモノがずらっと並べられてて圧倒される。
特別展は「徳川家康と戦国のたたかい」。「戦国無双2」「センゴク」「へうげもの」を愛するミーハー戦国ファンには丁度良い濃さ。一国一城の価値のあるとも言われた肩付の名物「新田」。三方ヶ原の戦いの後に戒めとして書かせた、かの有名な徳川家康の顰像
そして何より凄かったのが『妖刀 村正』。ホンモノを見てしまった!ホンモノあったんだ!妖刀とか言われちゃうとホントに吸い込まれそうだろー!ここでテンションMAX。疲労MAX。ホンモノにこれだけ真剣に付き合うと、ホント疲れる。
けど行って良かった。ホント良いモノを見れた。俺のアンテナに感謝。つか、こんな所あるなんて知らなかっただけなんですが。

ルートを予定に戻す。上郷で思いついた究極の時間潰し『競馬』。中京競馬場へ。

これでJRAの競馬場で行ってないのは北海道の2場と福島のみ。中京なんて行くこと無いだろうからこの機会に行けて良かった。

左回りの、こぢんまりとした地方らしい競馬場。府中の(ムダな)華やかさに見慣れていると非常に簡素に思えてしまうが、本来競馬場なんてそんなもんだ。LOVE大井だ。コースの感じも簡単にイメージに残し、しかしここまで来たらやることはただ一つだろう。
ま、ボウズでしたが。遊び程度にチマチマ1点勝負とかしてたからしょうがないんだけどさ。この辺は確かに、思い出したくない(笑)ま、コレも経験。中京競馬場とはなんぞや?が分かっただけで大収穫なのである。

そんな中京競馬場ですが、信号一つとなりにあるのは何とあの「桶狭間」!誰もが知ってる桶狭間の戦いでおなじみの桶狭間は実は中京競馬場のとなりにあった!勝負の匂いってのは寄せられてくるものなんだろうか…?

光の感じで分かりづらいけど、桶狭間古戦場碑。この地形の感じと、それを戦いで利用しようとする思惑などは、これは実際にその場に立ってみないと分かるものではない。関ヶ原なんかもそうだったけど、その土地で戦いがあったのには、その地形にしっかりと所以があるのだ。


古戦場碑のとなりにあるお寺?の境内にある今川義元本陣跡と、古戦場碑そばにある今川義元の墓。今川義元が討たれた場所を示す資料の中で、一番古い碑の傍に建てられた墓らしい。無双シリーズではあまりにも残念なビジュアルで描かれていたが、彼もまた名将の一人。戦国最強武将を唱える人もいるくらい。その辺りは「センゴク外伝」でこれからもっとしっかり語られるはず。あーセンゴク面白いなぁ。
やはりその場で、直接触れて初めて分かることもあるわけです。

これだけでもう既にお腹イッパイの名古屋遠征。楽しみすぎて本来の目的を見失うことはアウェー遠征あるあるの一つだろうけど、少なくともこの試合は、東京の状況が状況だけにスイッチが入ったなー。

久しぶりの瑞穂には、立派なオーロラビジョンが。きめ細かくて発色良い素晴らしいビジョンだった。ハイビジョン画質じゃね?とかはしゃいでいたが、あれは哀・地球博で使われた「エキスポビジョン」を無償で譲り受けたものらしい。なるほどね、欲しいなぁ。
瑞穂といえば個人的に思い出すのは「スタジアム演出のアレさ」。選手入場でoasisがかかった時にはズコーだった、試合が始まる前から味スタで負けた後みたいな感覚になったが、さすがにそれは改善。けど萎え萎えの日本人DJは相変わらず。様にするためにも名古屋サポは協力してやれよとは思った。
観戦自体は西京極に比べたら座席勾配がしっかりあったのは良かったけどね。ま、普通の陸上競技場です。
ともあれ勝って良かったですよ。平山ゴールの直後に吹く風が一段ヒヤッとし始めて、アルヘン戦の再来な豪雨を覚悟したが、それも無くて助かった。

  • アウェー観戦後の温泉は定番になりそう…

ガツンとお肉の夕飯を食べた後には、やはりひとっ風呂浴びたくなるもの。営業時間で選んだ、「みどり楽の湯」へ。金土祝前日は25時まで営業なんで、ナイター後でもゆったり入れる。クルマ遠征だったら、高速に向かうほぼ途中道なので寄り易いはず。
名古屋は雑誌立ち読みの感覚だとスーパー銭湯が非常に多い。値段もピンキリで多種様々だが、名古屋市中心はあまり良いところがない。ここは出来て間もない造りで清潔綺麗。泉質は重曹効果というのがあって、皮膚がテロンテロンに。江戸っ子には温いかもしれないけど、何たって温泉、サッパリ気持ちよく帰れるってもんです。
閉店ギリギリまで休んで、途中SAで仮眠を取りながら何とか帰宅。沼津で朝メシ喰って帰るプランもあったが、さすがに体力的にしんどくなってきたので素直に帰ることに。個人的に日曜日に用事もあったしね。
午前6時に帰宅。前日から計27時間の行程。ノープランで適当に行った割には完璧大満足な名古屋遠征となりました。ただ、さすがにダメージは結構引きずってて、いや普通の人は素直に新幹線とかで行くべきですよね。Jヴィレ遠征だとかその類のを続けてて、つくづく思うのは特急の偉大さだったりするのです(笑)