議論無いところから良いものは生まれない -千葉戦

ユルネバを聞いたら、目から天然オイルがじわっと来かけた。期待と熱気を溜めに溜めて、爆発したあの瞬間。
何というか、You'll Never Walk Aloneの歌詞をビジョンに出す様になった頃から、明らかに「東京のユルネバ」はランクが一つ上がった様な気がする。自由席ながら、毎回ほぼ同位置で聞いている最近のユルネバを、以前のものと思い出しながら照らし合わせると、どうしてもそう思ってしまう。やっぱり歌詞を映したことによって歌う人が増えたんじゃないだろうか。ここ最近のユルネバは、聞くと本当に「無敵感」を感じてしまう。
まぁそんな時に限って勝ちきれないわけだけど。
オレ達は、オレ達のユルネバ。この先もっと大きく育つ「オレ達のユルネバ」を、いつの日かまたミラー監督には聞いてもらいたいものだ。
千葉戦。
佐原の凡ミスから生まれた退場劇。「アビダルの退場は当然だよね〜あれやっちゃアカンよ」とアビダルをdisっていた自分には、「いや今のはイエローで良いじゃん」とはさすがに言えなかった。凡ミスを全て被った今ちゃん、という部分ではアビダルのそれとは大きく違うが、結末は一緒で間違いなし。いきなり、とんでもない筋書きを用意してくれたもんである。
10人になった東京は、両ワイドのエメ・羽生を絞らせて3ボランチ気味に対処。これがなかなか厳しい。攻守共に確かに機能してはいたが、サイドにボールが入ったタイミングでようやくチェックに行ける両脇は、通常よりも遅いタイミングで、しかもその都度長い距離を走ってチェックに行かざるを得なくなる。運動量が激増した両者。千葉にワイドの意識が少なかったから助かったものの、個人的には褒めたくない施策ではあった。2トップにこだわったのは、その後の平山・カボレの出来の良さを見ればそれもまた正解ではあったのだろうが。この辺はサッカー観の違いだろうか?
ベタかも知れないが、自分としては浅利投入。中盤の構成力を重視し、そこに枚数をかけたかった。決して守備的と思う無かれ、「浅利が入れば守れのサイン」は去年までの話だろう。依然、クローザーとしての役割を浅利に求めたシチュエーションは確かに今年もあったし、それを浅利はこなしもしたが、浅利自身がクローザーから脱皮して「攻」守にバランス取れたセントラルMFへと飛躍を遂げた(と評価している)今年では、それは『中盤を整備し、中盤を支配し、攻撃の狼煙を改めてあげる格好の合図』となると確信している。

松本での清水戦でも感じたことで指摘したことだが、所詮まだ新米監督故か、采配の「柔軟性」というか「アドリブ性」は、城福監督にはまだまだ足りない要素であると思っている。今まで多く成功してきた交代策は、大竹スイッチに代表される様に「試合前にあらかじめ用意されていた交代策」だった。タイミングなどの現場での誤差修正はもちろんあるだろうが、基本は徹底したスカウティングから導き出したゲームプランに則った交代がほとんどだった様に思い出される。逆を言えばスカウティング力とプラン練りに関しては抜群に凄い監督と言えるだろうが。だが清水戦の様に、修正箇所の兆候がピッチ上に明らかにありながらもそのプランに自信を持ちすぎるあまりに臨機応変な対応に遅れが出ているのが現状だと分析する。初志貫徹は大事なことではあるけれども。
少なくとも、昨日のことについては賛否両論もっとあって良いと思うが。いや、今回は城福さん違ったんじゃないの?と。オシムジャパン時代の国民総支持ぶりは個人的に気持ち悪くて仕方なかったのだが、そうはならない様に疑問は疑問として投げかけることが、1年目のまだまだ若い城福東京には必要じゃないだろうか?自分のスタンスとしては、こちらのサイト様で仰っている事には非常に共感するところがある。
そう、まだ一年経ってない、生まれたての城福東京である。選手・監督・クラブ・サポーター、一緒に歩み、共に成長し、頂点を目指そうじゃないか。「オレ達は一人じゃない」まさにそういうこと。You'll Never Walk Aloneなのである。