有名作家の新連載が続く「攻めの新連載攻勢」の中で、いきなりの新人さん(?)の連載がスタート。「シャカリキ!」以来待ちわびたサイクルロードレースを題材としたモノ。ただ、第一話で目を引いたのは圧倒的な作者の「マンガ力」。
いわゆる「マガジン的」なマンガでは確かにあるんだけど、そこの枠を飛び越える画力・ネーム力を感じる。特にコマ割りが上手くて、説得力がある。大ゴマの使い方も上手いし大ゴマにも耐えうる表情(特に眼)が力強い。セリフもしっかり考えられるタイプそうで、セリフにしっかりと意味が持たせられるタイプそう。大体、新人であのカラートビラ描けるんだから凄いと思うよ。
課題は、ストーリー構成がこの先垂れないか。第一話から引きを作るのは正直どうかと。ページ数は割かれてたんだからある程度のどーんとした結論は出しても良かったんじゃないかと。後、初ページにエンディング的な部分(サイクルロードレースがテーマで「ツール・ド・フランス」とか)を持ってくるのは個人的に好きじゃない(トビラに華やかな絵が欲しいのは分かるけど・・・)。後はセリフ。せっかくセリフをコマに使えるくらいにセリフを大事にしているのならフォントにもっとこだわりを見せて欲しかったかも。大セリフに耐えうる安っぽいフォントを使わない。福本伸行ほどに、とは言わないけどさ。
正直、今回は新連載が強力だから打ち切り率は・・・高いだろうなぁ。ただ、長くやらせてあげて欲しいなっていう作者の可能性を感じたのでこのまま見守ってあげたいところ。