×大宮アルディージャ戦

泣いた。人生で一番泣いた日かもしれない。
ただ、これはロスタイムに追いつかれたからっていうわけじゃない。3-2になった時点で「集中しろ!」というコールは自分だけじゃなくA席の至る所から飛んでいたし、悪い予感が当たった、という感じだった。もちろん悔しいけど。
なぜあそこまで号泣してしまったのか?理由はその後にある。
ロスタイムに追いつかれる。大喜びの大宮をよそに、それはもうまるでドーハのそれの様にうずくまる選手たち。ピッチに拳をたたきつける石川。立ち上がれない。何より心が折れてしまった。そんな中でA席で「まだ試合は終わってない!」「頑張れ!」「立ち上がれ!」と声が飛ぶ。試合を諦めてない人がオレだけじゃなくて他にもいてくれた。オレも「立ってくれ!」と精一杯の大声を出す。
タイミングの遅れた3枚目のカードが切られる。石川は本来走って交代すべき所でとぼとぼと歩いて交代選手の迫井の元へ向かう。「早く出てくれ」「諦めるな!」けど、今思えば石川は何も考えられないくらいショックな状況だったのだろう。
交代も済みキックオフ。しかし試合は無情にも終わる。ロスタイムでの同点弾だったからしょうがない。当然だ。結果は2-2(あえてこう記述させてもらう)。またしても勝利には届かなかった。
選手の挨拶。この日は出場選手たちに遅れて控え・けが人含めた全ての選手たちが挨拶に来た。落ち込む選手たちに「切り替えろ!」精一杯の拍手で迎えるA席のサポーターたち。ただ、その中にナオは居なかった。
遅れてナオがやってくる。ケガしてる選手からさえも大幅に遅れて一人で。そして、泣いている。そんなナオに盛大な拍手で暖かく迎えるA席サポ。するとナオが顔を隠して、人目はばからずにさらに号泣してしまう。そんなナオに対して「顔あげろ!」「頑張れ!」もらい泣きしながら声をかけるサポたち。その様をみて、自分ももらい泣きしてしまった。
何より一番悔しいであろう選手。そしてその中でも一番だったのがナオだったのは東京サポなオレらだったら分かっているはず。ショックは尋常じゃなかっただろう。けど、ナオは立ち上がった。たとえ一番遅れてきたとしても、そして気持ちの整理がその時はまだついてなかったのかもしれない。けどナオは立ち上がった。俺たちに対してしっかり挨拶をしに来てくれた。その気持ちを、オレらが汲んでやらなくてどうするんだ、と。確かに勝てない。不満はある。文句が出るのも当然だろう。だけど、オレはたとえ周りから「ぬるい」と言われようともナオの気持ちを汲んでいってやりたい。そして、サポートし続けてあげたい。解任だなんだという問題じゃない。おれたちみんなの問題だ。
この前のCLで解説の粕谷秀樹さんが言った「自分の地元のチームを愛せる、泣ける。ここまでの文化は日本はまだまだだ」けど俺は泣いた。チームに感情も愛情も注ぎ続けた結果、オレはナオの心意気で泣いたよ。
決心したよ。一生ついていく。愛してる、東京。