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Fリーグ第8節 町田-花巻 府中-神戸

フットサル

月曜日はFリーグ観戦に駒沢体育館へ。

この日は東京に本拠地を構える町田と府中が共同開催を実施。第1試合が町田主催試合、第2試合が府中主催試合として行われた。

もちろん初めての試み、普段代々木とかで行われているセントラル開催はFリーグ主催で、今回みたいにチーム主催のホームゲームが共同で開催されるのは恐らく初めてでしょう。見る側にとっては一つのチケットで2試合見れるわけだから、セントラル開催的なお得感があって良いのは当然として、これは面白い、良い試みだと思う。

Fリーグってのは、興業として「入場料収入で黒字になる」事は構造上ほぼあり得ないらしくて。それはまず室内競技のプロ興業って文化が日本には全くないのが一つ。成立しているのはプロレス・格闘技くらいなもんで、バレーボール・バスケ・アイスホッケーその他含めてプロとして、興行としては文化がそもそも無い。また、その文化の未成熟の象徴として「興行に耐えうるハコが無い」のがもう一つ。WWEプロレスを見ても明らかなように、日本に採算がとれるほどに大きなキャパの室内施設なんてものはほとんど無い。そのせいで、Fリーグのクラブの収入構造を考える際に、Jクラブのように入場料収入で黒字を目指すというのは不可能、経費とトントンにするのがやっとなのである。

っていう現状があるので、Fクラブの収入構造のキモってのはほぼほぼスポンサー収入であり、そのためにスポンサー露出の構造をどう組み立てるかがFリーグ成功のカギだったりする。それは入場者数然り、報道上の露出然り、何よりテレビを中心としたメディア露出の部分など。だからそれを気にして、自分はフットサルの試合を見に行く時には毎回看板スポンサーをメモるっていう習慣が染みついているわけで。またその辺の日本室内競技文化構造改革の一つとして、味スタ隣に建設予定の屋内競技場は、FC東京バレーボールチームとの絡みも含めて非常に重要なものになる。これ、スーパー大事な話なんだけどどうもあまり広まっていない様なので、青赤な人は特に必読なんですけどねぇ(リンク先参照)

脱線したんで話を戻すと、だから単純に、ホーム主催興業の経費の関係と、クラブとしてのアピールという観点からみれば、この共同開催は非常に良い試みだと思うわけで。もちろんこれが続けば「ホームタウン施策」が薄れてしまうけど、年1回くらいならちょうど良い。今回は駒沢公園で東京都主催のスポーツイベントが開催されてて、その一環みたいな位置付けでの開催だったけど、そこは首都・東京に居を構える2チーム、という利を活かして積極的に対外へのアピール含めてやっていけたら一番良いと思うわけで。現状、無いに等しい室内プロ興行という文化を「創っていく気概」ってのを、bjのアパッチ含めて期待したいところなのである。サッカーのオフシーズンである冬に楽しめる興行は、いくらあっても良いしね(まぁサッカーがオフシーズンじゃなくなる可能性があるわけだけど笑)

  • クオリティぶつかり合う好ゲーム 第1試合 町田-花巻

今回はこちらの方をお誘いして、やんややんやと楽しく観戦させていただいたわけですが、誘った側としてはあぁこれは胸を張れるってくらいに、熱い好ゲームだった。自分の数少ないフットサル観戦経験の中でも、レベル的にもかなり高い、そして白熱したゲームで面白かった!

好対照の両チーム。

町田は高速パスをバンバン回すスタイル。パススピードにはこだわりを感じ、それは競技の性質を思えばもはや極限に近いのではと思えるスピード。それを足裏でピタッと止めては蹴り、オフの選手は激しい動きでマークを引き剥がす。息つく間もなくとはまさにこのことで、かなりスタミナも消費するであろうスタイルだけど、そこは2ndセットでもメンツが落ちない町田おなじみの層の厚さがクオリティを落とさない。例年、選手は揃いながらもその期待に応えられなかったチームだったが、今年はこの試合を迎えた時点で2位。その好調さを示すに十分なスタイルだったと思う。

対する花巻も、ケツから2番目の9位と振るわない成績だったが、そんな様子は微塵も感じさせない質だったのには驚いた。花巻は逆にFP同士の距離感をかなり遠くするスタイル。町田がゾーンを敷く、その大外コーナー角に、どう選手が入り込み、どうその選手を使うか?その生命線はゴレイロの1肥沼。コーナーに選手がどう入り込むかがサインプレーとして徹底しているようで、恐らくこの肥沼がサインを発した瞬間に選手は複雑な動きでデコイランを始め、最終的にはピヴォの渡邉を中心に確実に町田の選手を剥がした状態でコーナーに人を進めれる。
また、それに対する肥沼のフィードが抜群に正確。スローはもちろん、足元でのキックでもピタリとそのコーナーの選手に放り込むし、選手も収める。このきっかけの質でほぼ勝負を決め、緩ませた相手ゾーンに侵入する形で何度となくゴールを狙った。

花巻の監督はジオゴ。湘南→町田と選手生活をし、今年から花巻で監督となった。湘南時代から選手兼監督みたいな形でチーム戦術のブレーンを務めていたが、花巻で初めて監督に専念するようになって、その仕事ぶりの素晴らしさには驚いた。マッチデープログラムには「安全フットサル」だなんてことが書いてあったけど、その安全フットサルの練度というかキレってのは、胸張って良い、素晴らしい代物で感動した。

両者のスタイルが、ともに高い質にまで上げられた様子がぶつかりあい、試合は前半から白熱したものとなった。パワープレーに頼らずとも、試合内容に盛り上がりをつけれたのは両チームのハイレベルなぶつかり合いがあったからこそ。

それでも試合結果に差がついたのは、町田の狙い=6ジャッピーニャへのピヴォ当てからのシンプルな展開が最終的に得点としてハマったからか。11マルキーニョスの得点は全てピヴォ当てから追い越してドンの単純シンプルなもの。そして今季から加入した18藤井健太がさすがすぎるキャプテンシーで、どうもペラかった町田というチームにどっしりとした安定感が備わった。いやー藤井の加入は大きすぎる、好影響ありまくり。

両者ともに質の高い試合で大満足。町田は上位にふさわしい内容だったし、花巻もこの内容ならとてもこんな順位で終わるはずが無いでしょう。お互いの明るい未来を感じる第1試合で素晴らしかった。

難を言えば、湘南時代から好きだった16篠崎がちょっと活躍できなかったのが悲しかったのと、町田チアのコスチュームが改悪された事くらいか。チアのコスがロングスパッツとか、マジあり得ないんですけど、何やってんの!!

  • 府中の冒険は険しさばかり 第2試合 府中-神戸

第1試合の興奮が凄すぎたので、第2試合はこのカードだしどうもキツそうだなぁと思ってたが、遠からず当たってしまった。まぁあれだけのハイテンションゲームの後だからしょうがないんですが。
神戸ってチームが個人的にとにかく苦手。とにかくプレーが荒くて汚くて。まぁそれが良しな側面も確かにあって、神戸らしい鉄板なゾーン守備と合わされば、初年度2年目と共に好成績を収めた所以をそこに思う程の代物に仕上がるんだけど。まぁ最終的な好みレベルだろうけどね。

けどそこはやはり神戸の守備ってのがまず良い試金石として存在する試合だから。どうしても府中の攻撃手の薄さは際立つわけで。

府中はアラが最後尾にまで下がってしまい、ピヴォとかなりの距離感を余儀なくされる。ピヴォが大きく左右に動き続け、最後尾からピヴォに向けて一発で全てを決めんとするパスをズドンと試みる。そのパス自体がそもそもキツイ代物であるのに、そこからゴールにまでつながるには、1.それが通るか、2.収まるか、3.ゴールにまで繋げるもしくはこぼれを狙うフォローが最後尾からしっかりゴール前まで詰められるか、っていうかなり高いハードルを3本も越えなければならない。さすがにそれでは点は決められない。

だから府中が点を決めようとするなら、現状パワープレーでしか得点手がない。試合の展開、スコアの推移と残り時間を照らし合わせながら、パワープレーをどこで使えるか?使える展開になるまでは何とか現状維持のスコアで耐えてくれ、そんな現実に即したゲームプランを組まざるを得なくなる。

前者の基本スタイルでも、後者のパワープレーでも、その軸はあまりにも7上澤。ゴレイロビブスももはや着馴れた感もありながら、どんなパターンでも上澤依存であり、上澤次第なところは変わらない。もちろん、他にも日本代表選手という面で言えば、FC東京ホットライン後のフットサルキングダムでおなじみの18小野や8皆本なんかもいるけれど、府中のスタイル的にオンのプレーでもオフの動きでも「相手を剥がした状態で1vs1を迎えられない」から、この強さが生きる形にまでチームスタイルが強くない。

それでも、試合展開的には後半早い段階で1-2とする事が出来、「終盤のパワープレーに賭けるために時間をやり過ごす」事にもある程度成功したこの日の府中。これで最後にパワープレーで、まさに「最終問題正解者は100万点差し上げます」的にうっちゃれれば、さすがフットサルの真髄ですねで勝ち点を拾うこともできたかもしれないけど、今回はパワープレーが功奏さずにそのまま終了。そういう意味では、最終的には神戸の強固なゾーンの勝利だったともいえるのかもしれない。

府中はこのまま恐らく「パワープレーの使いどころ」に縛られたゲームプランを抱えながら、F1年目を駆け抜けていくのだろう。その中で、セルジオ・ガルジェッリ監督がどう手腕を発揮して、チームの引き出しを増やしていくのか?そして難波田はあの湘南戦の初勝利の様に、古巣でやっとチームになじむことになるのか?(笑) スタンドの雰囲気も含めて、創世記の匂い強い府中のF1年目の挑戦は、これからもちょくちょく気にしてみたいと思いを新たにしてこの日は終了。


フットサルってのはもはやサッカーとは別競技だとも言われるけれど、その所以ってのは生で観戦するとホント良く伝わってくるし、その楽しみってのもまた、サッカー観戦愛好家からすれば敷居が低い状況で楽しめるはず。観るフットサルも楽しいですよ、是非是非。個人的お勧めはFリーグのセントラル開催を上回る、PUMA CUP準々決勝の1日4試合連続観戦。もう強烈に疲れますけどね(笑)