大事なことを忘れてたピョン 高円宮杯 -浦和Y戦

「いやぁ〜オレのプレビュー通りじゃんよぉ!」
ナクスタは第1試合「米子北-静岡学園」を観戦し、我らが「東京U-18対浦和ユース」の第2試合も始まって、こんな浮かれポンチな自画自賛を仰け反りながらぶっこいて、そんなオレに「あんたエライね、そんなアンタにゃ弁当を差し上げましょう」なんて超展開でもならねぇかなぁ、とかしょうもないことも考えて(ただ腹が減ってただけだけど)。
でまぁその後、結果はご存じのように最後の最後に逆転されてまさかの敗戦となった高円宮杯GL第1節。
そう、そのプレビューには大事なことを書き忘れていたのだった…


それは、『大会の立ち上がりがすげぇ悪い』ということ。FC東京U-18は大会初戦に弱く、そのスロースターターぶりは初戦の枠内で収まらずに第2戦にまでいきかねないほどであるということ。
毎回毎回疑問に思うこの性質は思えば、自分が本格観戦し始めた昨年チームからあったことだし、もしかしたらその前からその傾向はあったのかもしれない。そして今年も。クラ選二日目の福岡戦は何だかぎこちない硬さにあふれた試合内容で、しかもそれが初戦のガンバY戦から引き続きの事だったという事実も聞かせられ。どこも体制固まっていないプリンスリーグ第1節をここで引き合いに出すのはフェアじゃないかもしれないが、昨年の湘南Y戦に今年の前橋育英戦も然りとしておこう。

東京の緊張の度合いは見るからに大きく、意図の見えないキックを多用し、それへの反応含めてどうにもレスポンスの悪い。そのせいでボールを奪ってもそれをみすみす簡単に相手に渡してしまう。攻撃が繋がらない。立ち上がりに失敗するとほぼこのパターンに陥り、それは今回もまた然りだった。

ただ、ここで可能性として考えたのは、東京の選手達はボール奪取直後にあまりにも無思考で「ロングボール」という選択肢を、ある種「徹底」して行っており、これが倉又監督による「リスク回避狙いの立ち上がり」を狙ったプランである可能性だということ。ただ、それにしてもそのゲームプランは選手共有の意識としてプレーに反映される事は全く無く。つまりボール奪って即蹴り、と前線がリンクしていない。足元なのかウラなのかは統一させやすいだろうに実際はバラバラ。
この手の仮説は初戦のあまりにもな硬さを見るにつけ何度も考えることではあるんだけど、しかし例えば第2戦の福岡戦でも引き続き見られたあの硬さ、という事実とも照らし合わせると何とも言いようが無い。そして廣木と山崎の代わりに先発出場した松藤と笠原なんかは事実、緊張かららしくないプレーが実際多かった。この辺は素直にそのまま「立ち上がりの悪さ」ってのを正解とした方が良いのかもしれない。


しかし、浦和ユースは良くなった。夏に何してたか知らんけど。
浦和Yを見るごとにいつも不満に思っていた事は、ここでも何度も(むしろ毎回)吐き出している。練習で多く割いているであろうダイレクトパスがありきでのプレーが多すぎて、「プレー選択に思考が全く見られない」事への不満。そこに思考が無いから、結果としてダイレクトパスを選択したことが最善でない場合が多く、案の定パスがブレてしまうそのパス交換は見ていて美しくなかったし、それでいいのか?という気持ちが強かった。それは山田・原口などで持て囃された昨年の高円宮杯でも感じた感想である。

それが今日は、一つ一つをホント丁寧に、止めては蹴り止めては蹴りでパスを繋げてきた。パスという名の意思疎通は、焦ってダイレクトで繋いでた時代の、具現化できずにいたイメージをバチンを共有・実現させ、そして本来のタレントぶりを発揮した仕掛け場面もゆとりができたのか増えてきた。

ダイレクトパス「でなければならないタイミング」だなんて本来、限定されたシチュエーションでしかなく、むしろ待つことで生まれるパスコースもあり、肝心なのはパスコースが生まれた瞬間を「見つけ」、「タイミングを逃さない」こと。それこそが求められるべき本質なはずなのに、そこを放ってただダイレクトであることだけを求め、結果ブレたパスばかり見せていた浦和Yは無くなった。そして、ようやくパスサッカーの本質を求め始めたように思う。

守備でもホルダーに対しての複数でのサンドは東京相手にしっかり効いていたが、その質も昔のようにただガチャガチャと、それこそオランダ戦での日本代表の様な子供プレスだったのが、狙いどころを定めて確実にサンドを狙っていたように思う。深くクリーンに当たれてしまえる東京の選手達に臆することの無い、本来の鼻っ柱強い浦和レッズらしさみたいなのが気迫としても出ていたんじゃないかな。


どうにも気に入らなかった浦和ユースだったが、そんな自分の感情が「浦和レッズ」という看板に対する嫌悪感混じりのせいかも、なんて懸念を感じた事もあったけれど。しかし今回観た浦和レッズユースのサッカーは、何というか大人になっていた。選手はもちろんのこと、クラ選の出場権を逃してしまった堀監督自身も何かが変わったのか。そのリスタートに感じた好感ぶりに、逆に安心したというか。良いサッカーが見れる事は嬉しいことだし、それを私情抜きにサッカーだけを見て判断できていた自分に対しても安心したというかね。

だからこそ、スタンドにいた浦和サポこそ、もっと大人になれ!と強く言いたいのだが。ユースっ子たちの確かな変化があっただけに、情けないこと極まりなかった。


…と、こう書くと浦和ユース賛歌みたいになっているが、だからといって浦和ユースがこのベクトルで伸びしろを埋めきったところで、東京がかなわなくなってしまうかと言えばそんなことは全く無くて。例えどんな相手であろうが、自分がやれることをしっかりと選択し、やれば負けることは無い。絶対。

だからこそ、東京は自分をしっかり出しきらねばならなかった。

重松は異議でイエローをもらい、試合終了後にGK崔に提示されたレッドカードの理由も異議によるものだったらしい。事の是非はスタンドにいた自分には全く分からない代物だったが、それが自らの首を結果、締めることになりかねない事は間違いない。

第2戦の米子北がかなりの強敵であることは、第1試合を観戦した方なら皆さん十分に分かったことなはず。プレビュー時に考えていた以上に強力なブロック守備に、2トップ。形への意志には確かな強さがあった。一気に大一番の第2戦となった。

「FAIR & FEARLESS」とは、今回の高円宮杯応援Tシャツに刻まれた言葉。背負う言葉の意味を表現する試合となることを青赤戦士達に望みたい。


今回のナクスタでは本当に多くの方に応援に来ていただいて。しかも、高円宮杯応援Tシャツ、本当に多くの方々に着ていただいてて。大したことやっていない自分ですが、すごい嬉しかったです。今回の企画に賛同していただいたすべての皆さん、何より可楽blogさんお疲れ様でした+ありがとうございました!いろいろお話伺えましたが、いやーまずはゆっくり寝てくださいね(笑)

さァ、あとはオレ達が声援で選手を後押しする番!

第2戦、実は大事な用事があって行けないつもりだったんですが…まいった行かねばなるまいなぁ。待ち合わせに90分遅刻しても通用する言い訳を、皆さん考えてくれませんかねぇ?(笑)