福島遠すぎ 予選二日目 FC東京U-18-福岡U-18 準々決勝 FC東京U-18-湘南Y と他チームいくつか

って事でクラ選のお話。
せっかくJヴィレッジなんてド田舎にまで来るんだから、どうせだったら総勢24も来るチームを色々見たかったんだけど、今回はどうもそれが出来なかった。まともにしっかり見れたのは水曜日の第1試合、マリノス-セレッソ、京都-札幌くらいなもので。


京都-札幌は前半と後半最後を観戦。2-0と京都がリードしたが、札幌が1点返してからは札幌のターン。その猛攻にはよもや?を感じたが、そのまま京都が勝った。
京都は評判の2年生軍団に1年も混ざりながらの若いチームながら、なかなかしっかりしたチーム。攻撃の仕方をしっかり知っている感じで、タレントな部分とテンポ良くサイドを回す部分とが上手く混ざっている。左利きの右サイドアタッカー19伊藤のテクニックと、33駒井のドリブル、FW久保は1年ながら9番を背負い、既に完成された体格を感じる。若い選手が多く入りながら、しかしそれ故のゲーム運びの拙さも感じられ、終盤は札幌の猛攻にあう(「いつもの時間帯」って関係者の話を盗み聞いた)。
対する札幌。どうも濡れたピッチに足を滑らす選手が多く、それも含めて守備陣がちょっと心許ない。ショートコーナーを続けて2度もあっさりやられるなど、必要とされる最高レベルな危機管理がどうも徹底されてない様に感じた。それに引き替え攻撃はパワフル。右SBの奈良は一年ながら178の68とガッチリとした体格で、なかなか堂々たるSBぶり(案の定U-16代表に追加招集された)。2トップの11三上と北海道プリンス得点王9工藤の2トップは京都よりも断然得点の匂いがした。この2トップはチャンスがあればまた見てみたい。高円宮杯でか、はたまたJユース杯予選でか。


マリノスセレッソは後半と延長戦を観戦。まぁ何というか、試合が決まる気がしない試合だった。PKかなぁと思った延長後半に、右サイドからのアーリークロスを7杉本が右足インサイドで面を作ってのボレーを流し込む決勝ゴール。
見始めた後半はセレッソマリノスを(何となくな感じで)一方的に攻める展開。マリノスは技巧を見せようとするんだけど、最後はCBを越えなきゃいけないパスになってしまい、それを7杉本なり6夛田が跳ね返すみたいな。まぁ元々通ったところでその位置は「得点」と直結しないから、セレッソ的にはリカバリの余地があったわけだけど。ウチのユースだとか、最近の石川ナオだかを見慣れている青赤サポからすると、「ゴールに直結する危険さ」ってのにそれこそドシンプルに向かっていく、みたいなのにスゴイ見慣れるてるから、その辺に不満を感じやすいのかもしれない。スゲェ技巧を発揮してても、それがどこで使われるのか?決定的なクロスを上げるために使うのか、決定的なゴールのために使うのか。この価値は差が無い様でいて非常に大きい。
セレッソはまずそのマリノスを止めた守備陣が目立つ。6番すげーって言ってたら夛田だったんだそりゃそうか。8細見も攻守に良く動いていた。攻撃でも途中出場の20風間ワグネルケンジがなかなかの持ってる感。っていう個での押し出し相撲がセレッソって感じ。このチームはホントよく分からない、7健勇然り5扇原然り、いろんな巨大駒をいろんなポジにコロコロ入れ替えてみたいなこの感じ。カウンター鋭く攻撃で長いボールを入れるにも、もっと出し手と受け手を疎通させる『鍛え方』がある様な気がするけど、こういうチームの戦い方だとね。それでもたぶん強いんだろうな、Jユース杯での恐怖症が(笑)。CKでの7健勇は、分かっていても止められない絶対。そんな健勇の守備での制空権ぶりに付き合わないボールをどう入れられるか?サポと選手が抱き合って喜んでたのが、両者との関係の近さを思わせる(それが良いのかどうかは分からないけど)


二日目の日曜日は、湿気+日射しで酷暑の気候。気温的には30度前後かもしれないが、分厚い熱気というか。蒸された木々の葉っぱの匂いも助長して。とにかく厳しい気候。
前日の第1戦ガンバY戦は1-1のドロー。プリンス2部降格という結果になってしまった今年のガンバユースだが、そこまでどん底の印象はなかったらしい。普通に出来る、と。しかしだからといって東京の分け試合だったわけでもなく、曰くどうも身体が重くて試合に入りきれなかったらしい。本来の調子を取り戻すために、福岡Yは確実に叩きたいところ。
立ち上がりを見ると確かにセカンド奪取率が非常に低い。運動量の問題もあるんだけど、もっと予測の方面の問題というか、勝負カンが目覚めていない様な印象。更には福岡が荒く来るのに対して審判がどうにも捌ききれない。終いにはプレスをかっさらって無人のゴールに流し込んだ9山口のゴールも直前の福岡側ファールを取って取り消した。明らかにイライラを募らせる東京。
しかし実力差は明らか。出来る事をやり続ければゴールは生まれる。セカンドボールをやっとしっかり拾った9山口はそれをしっかり収めて反転、空いた左サイドに展開すると、受けた11梅内がそれを右足ダイレクトで遠巻きに流し込んで先制。すると続けて18山崎はDFのウラを抜け出して1vs1になるとそれを華麗に冷静にループシュート。華麗な18山崎ナオにはやはり「Down Beat Stomp」で祝福、山崎な〜お〜!
後半にはまたしても抜け出した11梅内が右足で今度は芯を射抜く豪快な一振りでネットを揺らす。昨年のJヴィレッジで大活躍した梅内は今年もJヴィレッジで躍動する。夏オトコ!Jヴィレオトコ!!だから「な〜つだなつだ、尖ろう!」のチャントで祝福(してるのか?)。シメは左からのCKを24前岡がニアで綺麗にヘッダー。2年のハイタワーFWはJヴィレッジで公式戦初得点(?)を記録。即興で「シンゴゴーゴー・シンゴゴーゴー・シンゴゴーゴーゴー!」とチャントして祝福(我ながら安直すぎる笑)
正直に、実力差のあった試合。10吉原なんかは代表に選ばれているけれどこの日はまだまだの出来で、同じタイプのセレッソ7健勇に比べれば偽物だった。また血気盛んな感じが時々危なっかしい。4-0はちょっと不満、前半のウチにもっと大量得点で決めなきゃ行けない試合だったと思う。おかげで余所のチームを抜け出して観戦する事が出来なかった(笑)。けど確かに伝え聞いた昨日の重さをどこかに感じさせる出来だったのは確かで、それを楽にさせる勝利だったと思えば非常に価値のある勝ち点3だった。
これで勝ち点4。余所の状況を計算すると、明日の養和戦で勝たないと予選通過は無理。厳しい第3戦への弾みという意味でも、確実な勝利は重要だった。

一転して、分厚い雲に覆われた雨交じりのこの日の気候。加えて強烈な濃霧が発生して対岸が見えない状態。この試合が始まる頃は、雨は止むものの霧の強さは増す一方で、昨年の準々決勝を思わせる涼しさに。昨年のクラ選勝ち上がりに比べると過酷な勝ち上がりでここまできただけに、涼しい気候は素直にありがたい。
相手は湘南Y。関クラ2次予選で同組に当たり、元々印象として湘南Yにそこまで悪いイメージがなかったので、変わらず厳しい試合を予想していたが…。
湘南はトップチームと同じ4-1-2-3の扇形。U-18日本代表で3阿部巧の同僚である8古林が右ウイング、10鶴見がセンターFWを務める。普通に見劣りしないメンツであり、8古林と3阿部のマッチアップは一進一退で非常に見応えがあった。
前半は東京が攻勢。立ち上がりいきなりの10分過ぎ、右からのボールを受けた10重松が超高校級反転トラップ一発で相手を抜くと、ウラに丁寧なスルーパス。抜け出した9山口はGKを交わして流し込む。すぐの時間で4廣木の浅い位置からファーへの大きなクロスを10重松が対空時間の長いヘッダーでファーに折り返して決めた。いきなりの2-0。これで安心したというわけではないが、次第に10鶴見が佐藤寿人的な受け方で起点になり始め、8古林vs3阿部のマッチアップが見られ始めたのはこの辺りからだった様に記憶する。


前半終了で準決勝の対戦相手になる川崎F-新潟を見に行く。せめてスタメンだけはメモっておきたかった。スコアは1-2で新潟リード。ひとりで観戦していた「某ユースチームが宿泊していた民宿の親父さん」から色々と話を聞きながら、そのおっちゃんが「立ち上がり10分が勝負だ〜」と言うのでその立ち上がりの様子だけを観戦。
すると、向こうのピッチで歓声が!湘南サポが喜び始めた!!湘南が1点返したらしい。
バッチリ見逃したオレ(笑)その後結局4-3にまでスコアが動く事になるわけだけど、そのきっかけとなった得点を実はオレは見てないっていうね。「おっちゃん、オレ戻るわ〜」と親父さんに挨拶して東京が試合しているピッチに急いで戻る。

湘南の得点はPKだったらしい。「よく分からなかった」とは観戦者の弁だけど、それはジャッジについてもそうだし、何より濃霧で奥側のゴール付近が本格的に見えなくなってきたから。ちょっと安心(笑)けどそうは言ってられない。魔の2-1の時間帯は少しの間だけ。その後続けて湘南は10鶴見がペナ外中央から豪快ミドル。霧に隠れてGK崔の虚を突いた。
2-2。躍動する湘南。けど、それはその場限りの勢い的な強さではない様な気がしてならない。もっとベースレベルの、本物の「強さ」ってのが試合中にみるみると成長し、それが素直に出たに過ぎない様な。的確な声はチームを盛り上げ、カウンターの鋭さは増す一方。まさに湘南ビッグウェーブが大きくなっていく瞬間を見た。
東京は突き放す。ウラに抜けた14三田は中央10重松に戻すと、ゆらり重心移動で冷静にコースを作り、その道筋に確実にシュートを乗せた。しかしそれでも終わらないだろう予感は見事に的中し、カウンターから中央→左と回して受けた8古林はフリーで、豪快に右足振り抜いた。
3-3。とんでもない試合になってしまった。気候は涼しいものの、蓄積疲労は確実に大きく東京の動きを苦しめた。明らかに思考が落ちた選手がちらほらと出始め、文字通りの死闘になった。
そんな焦る我々外野に対して、内野の選手監督達がどういう心境だったのか?彼らに実際焦りがあったのか?はいま思いだしてもフェアな印象は導き出せない。けど確かに、ロスタイムに生まれた勝ち越しゴールの一連は冷静そのものだった。18ナオがカウンター気味に右サイドで受けるとトップに張る14三田へパスを送るのだが、それが相手DFがジャンプしたそのちょっと上を越すくらいの、パーフェクトなストロークショット。CBの間で受けた14三田は胸虎で収めてGKと中央で1対1、ハーフバウンドを冷静にズドンと叩き込んだ!頭を越された湘南CBは悔しさにへたり込むが、GKと相方CBが「まだだ!」と檄を入れて立ち上がらせる様子に「それでも終われないのか?」と湘南魂というか恐ろしさを感じた。結果前述通り4-3でこの試合は終わったわけだが、最後の湘南のあのシーンが忘れられない。


東京としては厳しい試合。思考と行動のラグが激しい選手も続出し、疲労感は大きかったがそれでも価値抜けれたのは非常に大きい。本当に良い経験が出来ていると思う。しかし、見る方としては寿命が縮む思いだった…


  • 三ツ沢準決勝の見どころ

みどころとは言いますけれど、新潟Yはほんの10分しか見ておりません。とりあえずPKを見逃してまでメモリに行った成果を見せるためにもスタメンを。

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____16 9
__7_____ 31_
____4__10___
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_25__5_3__17
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_____22_____

だからって、どうと言えるワケじゃないんですけど(笑)高円宮杯U-15決勝で対戦した選手がいますよ、ってくらい。とりあえず旅館の親父さん曰く「新潟の方がJヴィレッジのピッチに合っている」らしい(意味無ぇ)
川崎戦での2得点は、相手のオウンゴールとCKによるもの。けど、遠目にはなかなかスピーディな攻撃を仕掛けていた様子だった。信用はしないで下さい。
…と、新潟の事は何も言えないので、その分、東京の事でも。


現状の東京U-18の定点観測として、まず18山崎ナオの出来がかなりチームを左右している。
10重松と9山口の2トップコンビが改めて素晴らしいという事が分かってしまったので、今のチームはまずこの2トップありきで考えられる。立ち上げ当初は4-2-3-1で試合をし続けてたけど、今は2トップありきの4-4-2で固まっている。
4-2-3-1時代にトップ下として価値を上げてきたのが18山崎ナオ。プリンス開幕前は軽いプレーと守備意識の低さで何度も倉又監督の怒号が飛ばされていたが、プリンス初戦での初ゴールで開眼。以降は今年のU-18を引っ張る存在として言わずもがなの堂々たる活躍ぶり。
それが4-4-2のシステム変更及び2トップの定着があった事で、ナオはボランチに位置を下げた。トップ下としてプレーしていたナオは満点エースにまで成長してくれたが、ボランチとしてはまだまだ。攻撃ではそのキレが確かに増した。長い手足を使ったキープと間合い、ミドルを撃つ貪欲さはそのまま。ドリブルでのカットインは切り返しのストライドが大きくなって、そのスピードと併さって無双の活躍が期待出来るレベルになった。そこは是非期待して欲しいし、新潟戦でも爆発は間違いない。
ただ、その分守備ではまだ心許ない。強く当たって厳しく守備する様にはなってきたが、それでもDF-ボランチ間を相手に上手く使われてしまう事が未だに多い。それは恐らくポジショニングがまだ徹底されてないから。トップチームのTMなんかに出場すると、塩田から「山崎下がれ〜」と強烈な指示が何度も飛ばされ、塩田を通してまだ守備時のポジショニングが荒い事が示されていた。ボランチにコンバートされたのが重松復帰以降でまだ1ヶ月ちょいなので、ボランチとしてはまだまだ新人。恐らく攻撃部分でその華麗さに見とれる東京サポは多いだろうから(笑)その時は一緒に守備も厳しく見てあげて欲しい。とは言っても、今のナオの鋭さは本当にスゴイし、三ツ沢でもゴールは期待出来る。是非「Down Beat Stomp」で彼を迎えてあげて欲しいね。


エース重松は復帰後、相当の慣らし運転を済ませた。おかげでどんどんと感覚が戻ってきた。相手の重心を操作する感覚が増してきて、それがシュートに展開に効く様になった。9山口との連携はさらに深度を増し、山口の冷静なゴールぶりも以前より増した。控えの14三田も絶好調。交代出場では毎回重要な活躍をし、相手DFを破壊し尽くす。他のチームがどこもストライカーと呼べる存在が薄いのに対して、東京は胸張れるTHIS IS ストライカーが3人もいる。この分厚さは潤沢モノだろう。
サイドは7星に11梅内。7星は運動量を的確にチームへの献身に落とし込む事が出来る存在。加えて最近は自らが輝くプレーがどんどん増えてきた。11梅内は夏オトコ。ホームJヴィレッジでの試合のおかげで得点感覚がさらに増した。隠れヘッダーとしても期待。
ボランチは前述のナオに加えてチームキャプテンの8年森。正直、彼の成長が目立たない様でこのチームの生命線を担っていた様な気がする。ナオよりも数段早い段階で守備への切り替えをカンペキに習得し、気の利かせる守備はこのチームに定着した。それでいて元々はパスで攻撃を彩る選手、展開も急所パスも冴えは変わりない。さらにキャプテンシーも随分上がった。審判へのイライラ募る味方をいち早くなだめる選手がまさか年森になろうとは…「言うな言うな、どうせ言ってもヤツ(審判のこと)じゃあ観れねぇよ!」とその内容はかなりキテるが(笑)
DFで台頭してきたのが5角田。ここ数試合はとにかく前へ出るパスカットが冴え渡る。1対1でも、自分の間合いにはめ込む冷静さは素晴らしいし、後ろをカバーする6平出とのコンビは恐ろしい。SBは盤石の4廣木に3阿部巧。廣木はCBとしても計算出来る選手になり、幅が広がった。3阿部巧は相変わらず鉄壁の守備、けど攻撃ではまだ自重ぶりが目立つか。巧のオーバーラップがチーム戦術として狙いが増す様になればもう一段このチームは強くなる。
GKは1崔創喜と書いてチェ・チャンヒ。安心の東京ブランドとして、今年もGKは安心していてほしい。コーチングは質量共に日本一。危ない!と思ったシュートを止めるどころかキャッチングしてしまう能力はキャプテン翼を思い起こしてしまう。贔屓目込みだが、どう見ても世代NO1GKにしか思えない。GKの価値は身長で決まるんじゃないですよ。


…と、何だか盛り上がっちゃってとうとう全員書いてしまった。明日は三ツ沢で19時キックオフ。せっかく頑張って三ツ沢まで戻ってきてくれた選手達です。我々も是非三ツ沢でお出迎えしてあげましょう。今年はとにかく厳しい突破だった、疲労厳しい選手を後押しする皆さんの声が必要です!一丸となって戦うチームに厚いご声援をお願いします。
以上、「こう戦う!」風に締めて終了です。みんな、寝ろ!