いつも決勝しか見なかった人間が語る、M-1 2008

金曜夜に夜行バスで仙台へ。天皇杯でノドを潰してその日の夜行バスで新宿へ帰る。そして…
はてなハイクでちょい書いたように、寝ないでそのままM-1の敗者復活戦を見に大井競馬場へ行って来ましたよ。軽く死ねるくらいに眠くてやばかったですけど、今年しっかりM-1を体験しておこうかなって(だって今年は有馬と被らないし)。
ってことで、去年も書いたM-1感想ですが今年は表題のように変更となっております。とは言っても無知、上から目線は従来通りですけど(笑)では今年も意識をフルフラットにリクライニングにしてM-1 2008を語ってみるよ。敗者復活戦についての感想はあした以降に書く予定です。

予想はしてたけどやっぱり完璧な司会ぶりでむかついたぜ。「審査員の皆様採点をお願いします」アナウンスがキレイだった。お客さんイジりはいつ覚えたんだよ(笑)チクショー

  • ダイアン (619点 6位)

津田がビックリするくらいに正面・カメラ・お客さんに目線を向けなかった事にビックリ。いつもこんな感じ?緊張のせい?絶対知ってるモノ(サンタクロース)を知らないおかしさ、それをもっと大きく巻き込むのに、「ねぇ皆さん?」的なお客さんに問いかけるような目線・仕草はもっとあっても良かったような。目線も動きも西澤に向けてだけで、小さく漫才やってしまった。お客さんを「掴む」のが遅れた一因にもなったろうし、目線落とさないでそれで良く「手応え」を感じたって言うよなぁ。センターマイクがある、ってのはそういう事な様な気もするんだけど。

掴み抜群。笑い所も強さもあった。ギリギリまで暫定ボックスにいた事実がそのまま笑い飯への評価の高さと取ってもいいかと。M-1に向けて修正された笑い飯らしさだった。重箱の隅を突けば、最後の肝心Wボケがちょいと雑だった気が。畳み込みのテンポってこんな感じだったっけ?もうちょい詰めれてたと思ったけど。「何回も出ている弱みと強み…」のくだり、巨人師匠はガチだなぁ。

ザ・パンチに隠れて、こちらもかなり緊張してたかなぁ。リーダーのコメント通り、説明過多。本の贅肉の問題、やり方の問題か。
贅肉に関連して、ただでさえ漫才コントは飽き飽き(極私的好みによって)なのに、その導入にすらこだわりの少ないコンビはやる気あるの?とは思わずにいられない。トータルテンボスサンドウィッチマンも、表に出てこれたコンビを見て学習して自らを推敲すれば、普通な導入に疑問を感じて創意工夫で弄りたくもなる様な気がするけど。敗者復活戦も含めて、「漫コンの導入をイジりすぎてて逆に…」ってコンビばかりを期待したのにその域にすら行ってない、チャレンジしてない率が高すぎてそこはガッカリだったなぁ。
話は戻して。動きももうちょっと詰めれる?握手のくだりはもっと怖がっていいし、そこに触れるセリフがあればもっとポイントになってたかな。細かく詰め込めばもっと面白そうなんだけど。
けどまぁ、何か上戸彩のカットインに全て持ってかれた感が(笑)

  • ナイツ (640点 3位)

ナイツのネタがM-1向きとは言いづらいって前提で、面白かったし、いや良く空気作ったよコレ。「4分間に何個笑い入れとんねん」今年はいちいちコメントが的確だなぁ。ボケだけしか捻らないところで終わりそうな所をツッコミもしっかり捻って、詰め込みって印象以上に丁寧な本作りに好感。いや、ツッコミの捻りを全くしないコンビとかあったからさ、敗者復活戦で。芸の作り込みを感じれて良かったッス。

溜めて溜めて、我慢出来ずに沸点越えちゃって「ごめんねごめんね〜」が欲しかったけど、そこに向けたテンションの上げ方が急だったかなぁ。「ごめんねごめんね〜」待ちな点、ザブングル的に陥りかけて。紳助はフォローのつもりで「好みの問題」ってコメントしたけど、コレ言っちゃダメじゃないの?暗黙の了解というか、それじゃあ腐女子さん達と変わらなくなっちゃう。手を挙げてコメントしたがっていた、ちょい低評価だった巨人師匠のコメントが聞きたかったなぁ。

「死んで〜」解禁。そんなにキラーワードかなぁ?封印して幅が広がったのに。緊張しまくって失敗しちゃったって事ですか、大御所さん達のフォローが豪華すぎ(笑)ネタ的には、全体でセリフ無い側の作り込みが足りないですね。鉄板所な蹴りツッコミが弱くなっちゃったのも、死に間ができちゃったのも。

漫才とは言っても、板の上に立つ人間なんだから、セリフの無い人にも作り込みは当然必要なわけです。この点を一番やってくれたのがノンスタだった。密度は一番高いしネタを作り込んだ感がM-1向き。激流っぽい漫才だけど、間を詰めてるのとあまり重要でないセリフを早読みしているだけで、大事なセリフ、笑い所はハッキリしっかり聞き取りやすく喋るのね、好感触。評判だけは知ってて、東京進出した「はず」なのに全く聞かれなかったのでどうしたのかな?と思ってただけに、コレでテレビで見かけれそうかな?と観てる側が手応え掴めるくらいのインパクトを残せたですね。東京で見られる機会は増えそうです、吉本だし。

梶原の挙動不審は何で拾わなかったんだろう?全く意味のない動きになっちゃった。それ以外でも、キンコンらしいテンポもTV慣れした余裕・ゆとりも無くなっちゃった。キンコンらしいテンポが出なかったのは、テンポを止めるほどでもない小ボケも全て大きく拾ったせい。小ボケはサクッと突っ込んで、大ボケをガツンと。そしてそれに併せてそれぞれのボケの質の調整。失敗だったかなぁ。
しかし巨人師匠・カウス師匠の愛のあるコメントには涙が出そうになったなぁ。西野は今回も涙を流すだろうけど、それは悔し涙というよりも愛を受けての申し訳なさ・情けなさに泣くんだろうな。
けどそんなくだりを見て逆に、これで将来キンコンがM-1チャンピオンを取るフラグが立った、そう直感が感じ取ったのだが。賛否はあろうとも、事実彼等は人気番組はねトビを引っ張るスター。スターにふさわしい、シナリオラインがコレで出来上がったなと。また逆説的に、自らにこのシナリオ引っ張ってこれるキンコンは確かにテレビに愛されてるんだろうなぁ。
M-1 2009の優勝予想としてキンコンを挙げておきます。プロレス的感覚でしかないかもしれないけど(笑)あれ、来年出れるよね?

  • オードリー (649点 1位)

敗者復活戦で一番笑いを取ったのがオードリーだったので、選出は至って順当。いやね、キャラもんって、安易で単純そうで、けど受け入れられなきゃ悲惨でしかないからね。それでいて受け入れられるのって恐らく案外難しい、かなりのウデが要る。その中で大井の会場でオードリーのネタを観て、そのキャラの浸透ぶりに驚きましたよ。浸透度の実績が、そのまま実力を示しているんでしょう。ちょっと見直した。それがそのままこの舞台でも出た。いやぁバカにしちゃあいけない実力を感じずにはいられなかったなぁ。「のりお・よしおを思い出して」好みの部分で点を下げた紳助だけど、ここのコメントセンスは的確で絶妙だなぁ。

  • 最終決戦

ナイツ・ノンスタ・オードリーのメンツを見て、M-1的相性でみても多くの人がノンスタの優勝を確信したかと。結果案の定だったし、実力的にもふさわしいノンスタの戴冠となった。そういう意味では期待を裏切らなかったノンスタの2本目はしっかり良かった。
ただそれだけに、オードリーの食い下がり、善戦も評価されていい。立ち位置、はけ方も分かってないコンビが勢いのままにやり切った成果としては、十分賞賛の価値がある。「何か変だな→ちょっとツボってきたかも」のタイミングでネタにねじ込んできた「ウィ」のタイミングは完璧すぎた。
こうなるとナイツが厳しいのは仕方がない。下ネタな時点で簡単にナイツを毛嫌いして突き放す様なM-1好き観客(隣の隣くらいの人がそうだった)の空気内で、こちらもまた善戦でしょう。これからM-1の空気を変える先駆者となるのかな?
しかし春日のあの唐突タイミングでの「(自信が)無けりゃ立ってませんよここに」発言は格好良すぎて卑怯だ(笑)

  • 空気を知ったからこそ、ナイツの健闘を称えたい

今回は敗者復活戦を見てきた上でのTV視聴となりましたが、恐らく見てきたかどうかでナイツの評価は変わってたかも知れないなぁ、と振り返ってみて思った。敗者復活戦の感想の項で触れるかも知れないけど、自分はM-1の空気感がこういうもんだとは知らなくて、それを知った上でだとナイツは頑張ってたなぁフロンティア的に凄いなぁという感想しか出てきません。チャンピオン取れるかは分からないけど、ナイツのチャレンジについては今後も応援したい気持ちが強くなりました。是非M-1の観客を「悔しいけど大爆笑」状態にさせ続けて欲しいです。


あー今年も楽しかった。あとはこれからイッパイ出てくるであろう、エライ人の考察を期待します(笑)