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直接FKならMOVINGいらず レビュー -大宮戦

FC東京

そして着いたは味の素スタジアム。真っ先に目指すはフェジョアーダ。
今年2度目の「猛烈にフェジョアーダ喰いたいスイッチ」にこの週は悩まされた。本場ブラジルじゃあ恐らく大衆食、なんてこと無いメニューなはずなんだけど、だからこそあるんだろうなぁ中毒性。どうしても喰いたい喰いたい、脳内では振り付き(山上兄弟まるパクリ)でフェジョアーダをずーっと連呼していた。そして出会ったフェジョアーニャもといフェジョアーダは…
さて、大宮戦。
前半は良くも悪くもなくニュートラル。ただそれは全体がそつないという意味ではなくて、良い選手と悪い選手が混ざってプラマイゼロな感覚。
良かった選手はカボレと羽生、主に左サイド組。前半終了のブーイングに疑問を感じた人、そんなに悪かったか?と感じた人は恐らくこの2人の印象が強いかと。ある程度スペースへの飛び出しがあって、受け手と出し手が填ってチャンスがあったりもしたが、その飛び出しのほとんどは羽生によるもの。moving師範代である羽生の飛び出しにボールが出るようになってきた部分は、東京が右肩上がりで確実に成長してきた部分。アドリブに対応できる視野の広さは確実に上がってきていると思う部分。
方や右側のエメ・赤嶺の部分はあまり良くなかった。この日のエメは相手の網にかかるエメだった。TMでの調子の良さを観てきただけに意外でもあった。この辺り、エメが活躍するかしないかの相手シチュエーションによる法則がありそうな気がするけど、それはまだ見つけれてない。振り返って考えると3トップの一角よりかは3ボランチの方が良いのかもとか考えたりもしたんだけど、結局の所エメの適性ってどこなんだろう?簡単なようでいて実はまだ自分は分かってなかったりする。
攻撃時の両SBの所作、ダイナミックに攻撃に絡むことが思いの外少なかった事については実は予想通り。プレビューまがいであんな事書いておいて、実はそうなんです。特に長友のことに触れなかったのが実はミソで。恐らく、長友の攻撃のスタート位置について、多くの人はもっと高い位置でボールを受けれるように、オーバーラップするにしてもデフォルト位置をもっと高く、思い切りよく飛び出してくれよっていういわゆる「ムダ走り思想」が恐らくあるかと。かく言う自分もそうで、この点での長友の思いきりの悪さへの不満が、北京以降からの一貫しての低評価に繋がるんだけど。
で、それを練習でこの前観た時に、どうもその辺のリスクは採らない方針にしているような雰囲気だった。梶山のサイドチェンジが「来そう」って時にはもうダーッと上がって欲しいのに、指摘するのはそこではなくて長友にボールが入った後、誰を相手にワンツーを仕掛けるか?(つまり、壁の相手をナオにするか梶山にするか)という話だった。ラストパスに向けて、長友に入った時にはもう手数的に最終局面に入っていて欲しい自分の願望とは裏腹に、どちらかというとまだ起点に近い話を詰めていた。今シーズンの前半、壮大な理想とは裏腹に現実路線で勝ちを拾ってきた(ともっぱらの評判)の城福監督の、現時点でのリアリティは恐らくSBに表れていると考えてよさそう。
話が大きく逸れたので戻すと、対する大宮はラフリッチによる1得点のみ。ラフリッチ、期待して観たけど自分には正直、何が良い選手なのか全く分からなかった。倒れる・ファウル貰う前提でオンプレーを組み立てている感じが非常に印象悪い。失点場面も徳永がボケーッと離しただけでしょう(徳永ァ)。一応次回観戦の課題として残してはおくけど、大宮らしくない中身の伴わない外国人選手。それにつられて大宮のスタイルも…とか思っちゃったりはした。シンプルさと危険さは前回対戦に比べてかなり落ちた。
何かお互いにあまり印象良くないから、前半終了時のブーイングはどうなのって話は余りよく分からない。てか前半終了時の観客の意思表示に、種類がないから困るんだろうな。拍手するかブーイングするかの二択?もっと五段階評価くらいで出来れば良いんだけどねぇ。
後半。HTでエメ→ナオと早いタイミングで交代しかけてきたのにはちょっと驚いた。0-1がそうさせたのか。結果大正解。ボール動かす前にまず自分が動くわ、そんな石川は今日みたいな展開にはうってつけだったみたいで、中に外にガシガシ行くスタイルで、じわじわと東京寄りに地ならししていく。
ただ、それを決定的にしたのは煌めく個の才能。持って生まれた星の強さをまざまざと。大竹洋平。直接FK。
前回のプレビューまがいで書き忘れてて、西が丘に行く朝に慌てて書き足した大竹評。それがそのまま出た場面もあったりで、試合前に書いておいて本当に良かった(笑)ただ予定では次節多摩川クラシコでの復活の予想だったけど…まぁこんな嬉しい誤算ならいくらでも。そして直接FKのきっかけになったチェイスも、大竹に蹴らせた英断も(笑)、何もかもがナオらしい。最近のナオは何やっても格好良く見える、ジュリーの域に近づきつつある。
また締めに登場した鈴木達也も、彼らしい仕事ぶりで試合を締めてくれた。ワンツーリターンを受ける時なんかは過剰なくらいに身振りで要求を示してみたり、分かりやすく馴染もうとする様には好感。彼が試合の締め方を知っていたのが何より助かった。
そう、試合の締め方にこの日の東京の問題があった。結果ロスタイムにカウンター一発追加点を決めて試合を終わらせては見せたが、それまでの展開は冷や汗もの。相手の攻撃を防いだら、ボーンと蹴ってまた守備をやり直す。耐えるだけしかしない80分以降のゲームメイクは明確に課題と据えるべき。この辺はまだ、勝ち慣れてない脆いチームだなぁと思う次第。

見終わってみて正直な感想とすれば、「中位同士らしい試合だったなぁ」。名は体を表すとはよく言ったもので、たとえ一試合の勝敗で大きく順位が変動するどんぐりJリーグの中でも、順位というのはチームのことを非常に良く表しているとつくづく感じる。前回対戦では共に上位の大一番で、結果3-0で予想外の完勝だったと言えども両者が見せた内容はなかなか上位対決にふさわしいものだった。方や今回。大宮の思想は中位レベルに落ち、我が東京も順位が示す程度の隙が見え隠れしていた。自らの順位が内容に影響される事をこの試合では学んだ気がする。
「上位のサッカーをするために、上位に行かなければならない」順番が逆だけど、けど実際にそういう事ってあると思う。ならばやはり、目指すは上位。上位を目指し、上位に居続けることで自らを上位らしくしていくアプローチ。ビッグになるためには、例え貧乏でもベンツを乗り回し自らがそれにふさわしい所有者となれるように努力していく、みたいな。勝ち方をまだ知らない東京にとっては、順位にこだわって、勝ち慣れていくことが今もっとも必要なことでしょう。