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掴みきれず、停滞 湘南-山形

サッカー

今更ながら、先週水曜日の湘南-山形戦から。
超個人的事情がきっかけで、J2では湘南と山形を気にしながら追いかけている。その両者は共に昇格争いのメインキャストを堂々と演じ続けていると言えよう。しかし、湘南は連敗、山形は連勝ストップとネガティブな要素を持って挑んだのがこの試合。共に再浮上、上昇気流を掴むきっかけを欲する試合となった。舞台は平塚競技場。湘南造園の完璧な仕事ぶり、その成果である素晴らしいピッチの元、小雨交じりのキックオフ。
湘南は田村をボランチに、そしてボランチ起用が多かった(はずの)大卒ルーキー永田を右サイドに配置と、セレクトだけを見れば非常に守備的な布陣。FWは得点ランク2位の絶好調石原と、我らが阿部吉朗。対する山形はほぼ不動のスタメン、なのだろうか。得点者として目立つ宮崎が控えスタートなのも、「いつものこと」らしい。
山形の基本は同サイドで繋ぐか、15番長谷川へのロングボール。しかし、同サイドに人数をかけて局面を突破しても中央に人が揃ってないことが多く、結局中央待ちで時間がかかってしまう。またその同サイドも、13番石川竜也の左サイド偏重であまりバランスがいいとは言えない(湘南の永田右サイドは、この対策か?)。またロングボールではボランチに散らしの意識はあまり無く、フィードを蹴るのはDFと徹底されていた様子。しかし、前半はそのフィードが長谷川ではなく16番北村に向けられることが多く、ちぐはぐな攻めの印象は否めない。
湘南は相変わらずのトライアングルサッカーというか。長い距離を走りながらトライアングルを形成。トップに当てたクサビに向けて追い越すランの意識は徹底されていた。それがチームで出来ているのは確かだが、それでも危険を発する選手となればやはりアジエル。一人くらいなら簡単にひょいと交わせてしまうから、山形としてはしっかりチェックを行っても交わされ一転大ピンチ、となりやすい。そうしてワイドに展開されると、阿部にとってはお誂え向きのグラウンダークロス。それにスライディングで飛び込みながら確実にニアであわせるんだから、相変わらずの阿部吉朗である。嬉しすぎてニヤニヤしてしまう。得点場面は42分、石原がスルスルとミドルゾーンに侵入するも山形のチェックが非常に緩く、そのまま右足ズドン。山形としてはお粗末な失点、せめてシュートに対して身体を投げ出して欲しかった。
対する山形の得点は後半開始直後、出会い頭の47分。石原のデジャヴのように侵入する佐藤は一転、ダイアゴナルに流れてくる宮崎にスルーパス、足元に入るやいなや迷い無く左足を振り抜き、コロコロとファーのサイドネットに収まる。HTに投入された宮崎、いつも通りの大仕事。
その後は山形ペース。フィードが確実に長谷川に向けられることが多くなり、低いパス高いパスそれぞれがナナメにトップに当ててくる。長谷川も北村も共にそれを良く収め、逆サイドに展開できていたと思う。ただ、更に先を目指すならばよりゴールに向けたプレーを志向していくべきだろう。叩くパスがマイナス方向にしかならないのは未だ成長中だから、ということだろう。
湘南はがむしゃらに加藤・リンコンと投入し、システムを崩すくらいに攻撃的選手を投入。その投入の甲斐は残念ながら無く、力ずくで狙いに来た勝ち点3は取れなかった。1-1。勝ち点1を分け合う結果となってしまった。
気になったのは湘南の終盤のプレー。がむしゃらに勝利を取りに来ているのは分かるが、どうもヒートしすぎていて、選手からもスタンドからも、審判のジャッジ一つ取っては猛抗議。ジャッジに対する不満はあったのかも知れないが、勝利を取りに行くという現状を考えると「そんな場合ではない」はず。率直に思った感覚は「ガラが悪くなったな」。どうも微妙なボタンの掛け違いを、こんな所から感じてみたりみなかったり、である。
山形は思ったよりも長谷川がハイタワー系FWとして悪くなかったのが観戦上での収穫。流経柏出身、187cmの20歳。って若いな!!所属歴だけ見たらちょいベテランでもおかしくないからビックリした。レンタル元が柏ということで、柏に戻ることでどうなるのかどうにかなるのかは全く分からないが、山形としては大島に続くハイタワー系FWに成長してくれる「かもしれない」期待は沸々と感じる。
両チームとも、停滞を吹き飛ばす「再上昇」のきっかけを掴んだ試合とは言い切れない。J1を目指すチームとしてはメンタルも甘いし、イージーミスも多く見られた試合だった。このちょい先を懸念する気持ちも正直あったが、共に次節で湘南は甲府相手に4-0、山形は首位独走中の広島を撃破ということで、初戦がイヤの杞憂で終わってとりあえずひと安心といったところである。