上昇気流を取り戻すためのリバウンドメンタリティを プレビュー 湘南-山形

中断期間もとうとう終わった。
厳密には再会初戦の日曜日が中断明けとも表現できるだろうが、その日曜千葉戦へと向けたウィークデイの準備から、そう、小平からJは始まっているのだ。そうだと思うと気が気ではない。エメカボのホットラインがホンモノか、また見せてくれるのか?FWのスタメンは誰が出てくるのか?対するミラー千葉がどのような変化を遂げて味スタに望むのか?「既に中断明け」の感覚で、少なくともこれらのことを思うと、もう胸がいっぱいなのである。
だから、明日はJ2湘南-山形戦へ。もう我慢ならないのである。
しかし、ガス抜きの一戦とは思う無かれ。個人的に思い入れの強い両者であり、昇格争いの主役をそれぞれ演じている両者である。こちらも間違いなくビッグカード。最高に楽しみである。
とはいっても、J2は今季初観戦。今回は今年のそれぞれを、まずは「確認する」試合である。データでの確認しかできないが、予習ついでに、プレビューと冠して書き残しておく。
まずはホーム湘南。オフシーズンは意欲的な補強に成功し、揺るぎない昇格候補として迎える初めてのJ2。出足好調で昇格圏内をキープしていたが、第2クールでやや失速か。出足でアウェーながら愛媛に引き分け、その後ホームで横浜FCに大勝するものの、その後ライバルの一つ仙台とドロー。そして悪夢の3連敗。何より連敗スタートの広島戦では5失点の大敗。アジエル・ジャーンの軸が欠けていたとはいえ、端から伺えば昇格への自身を打ち砕くには十分のスコアである。
とにかくここ最近は、失点数の多さが目に付く。斉藤・ジャーンの2CBを揃えて堅守を誇った昨年の面影が見あたらない。失点数は19試合で28失点の8位タイ、現順位7位なりの数字で落ち着いてしまっている。失点数の少ないチームが綺麗に上位に名を連ねている現状を踏まえても、守備の立て直しは急務であり、現在の湘南がどう守備で拙いのか、またその改善を感じる試合を行えるのかが個人的な観戦テーマと言える。
対する山形は失点数が20試合で18失点の2位。現在3位でこちらもやはり、失点数なりの順位である。試合数より失点数が少ないのは広島と山形だけで、何よりこの点での安定が上位躍進に繋がっていることは言うまでもない。またそれだけでなく、得点数も35でリーグ2位タイ。守備が堅く、得点も奪える。選手の頑張りももちろんながら、何よりさすが名将・小林伸二である。
今まで恥ずかしながら、小林伸二という監督についてのイメージが全くなかった。「小林監督ってどんな監督?」と聞かれても「分からない」なんてくだらない回答しか出せなかった。しかし、去年の監督就任記者会見と、先日のみちのくダービー大勝での記者会見を読むにつれ、その答えがココに隠されている様な感覚を掴んだ。つまるところ「マネジメント力の高さ」ということになるのだろうが、その詳細にまで突っ込むまでのイメージはまだ出来てはいない。実際の小林監督率いる山形を観ることで、その明確な回答に少しでも近づければと思っている。いや、これらのコメント観るだけでも凄いヒトだって分かるもん。今週のサカダイだかの特集読んだってそれは強く思う。
とは言っても、山形はチーム初の6連勝が丁度ストップしたタイミングでのアウェー湘南戦。求められる精神力は、湘南と同じくこちらも難しい。
この試合、問われるのはリバウンドメンタリティ。お互いに躓き、しきり直しとしたいこの一戦は、恐らく戦闘力も精神力も原点回帰となるだろう。そんなむき出しの原点のぶつかり合い。そしてそこから見える、原点とJ1の距離。
原点の立ち位置が勝敗を決めるであろう、極私的ビッグカード。上昇気流を掴むのは、果たして?

※参考:【J2:第22節 湘南 vs 山形】プレビュー:両者にとって仕切りなおしの大事な一戦。勝利のリスタートは湘南か、山形か。