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「緑の物差し」で計る成長 何と贅沢か! レビュー -ヴェルディ戦

FC東京

お互いに見えるのは、強烈な裏への意識。満腹感でいっぱいの今年3度目のダービーだが、見せる景色は常に微妙に違う。
ヴェルディ側の要因としては、ディエゴの不在。ブラジル人選手が一人減り、その分日本人選手が入るというのは、そのまま11人個々の選手のチーム貢献度が今までより一人分上がるという事。去年からの大黒柱であるディエゴに関しては多少違うかという戦前予想もしていたが、結局は当初の予想通りの内容に。またそれだけでなく廣山・飯尾といった選手を使ってきた事によって殊更チーム貢献という面ではカラーが強まった。ショートパスを挟んで裏へ狙う姿勢は、シーズン序盤の、自分がヴェルディの試合内容に対して悪い感触がなかった時期に近い感覚を受けた。
東京側の要因は、カボレの裏への動きの良さと、そこにシンプルにパスを狙う梶山・ブルーノの両ボランチのホットライン。オフサイドライン上を横に、もしくは戻る様な予備動作の後にアイコンタクトでバチンと通るパス。1点目のシーンのみならず、手数は少ないながらもゴールに直結する狙いが強いのがこの日の東京と言えた。ちなみに1点目はオレの梶山からバックスピンで止まるパスでアシスト。
いや、梶山が素晴らしい。守備での貢献がここまで安定して見られる様になるとは。ボールキープ時のフィジカルの強さだとか「ぬめり感」が、そのままボール奪取時のストロングポイントとして使いこなせてきている感が。対戦相手からすれば、アフリカ系ボランチと対峙した様な脚の出方をしているのではないだろうか?また攻撃ではもはや当然の安定感。ブラジルトリオからの信頼も、試合中試合後を見てると客観でも分かるくらいに勝ち得ているのだろう。また攻撃面で成長したなと思った点は逆サイドでスルスルと上がろうと見せる椋原を、確実にパスの選択肢として視野に入れながら「選択した結果パスを選ばなかった」プレー。約束事の様に逆サイドにベタ張りで選手を置きボールを受けたらとりあえずサイドチェンジ、というような単調なオシムジャパンみたいな選択の(世間的には暴言)さらに一つ上、高みへと登った瞬間に見えた。これがもっとこなれてくれば、トップにクサビが入ったタイミングでSBがオーバーラップを仕掛ける事が出来、タイミング的にもっと急所をえぐった展開が見られる事になるかも。ちょっと梶山、宮沢どころか俺の愛する名波の影がちらついたわ。東京の10番は〜おぉ〜梶山陽平!(しかし好きな選手が名波であり宮沢であり、そして梶山だなんて何と分かりやすい趣味してるんだオレは)
イイ時期(と個人的に思っている)ヴェルディと重ねて見ていただけあって、前回対戦に比べればよっぽど良かった気がするヴェルディ。けど結局は選手層が薄い、そして守備から崩れた、ということか。土屋不在が大きかったのか、富澤がショボかったのか。
それを打ち破ったのが平山。堂々のハットトリック。当然、予想だにしていなかった。
駒大TMの時も含めて、平山は一時期のボロカスに言った時に比べればよっぽど良くはなっていた。ムダなタッチは減ったし、勝負所をわきまえる様になっていた。スタメン起用を続けていた事にも意味は感じていたし、これ以上の出来にまで引き上げるには後はゴールのみ、という段階には来ていただろう。しかし、とは言っても最後の最後のブレイクスルー、そのカギである「ゴール」という結果は、何だかんだ言って取れないまま終わるんだろうなってのが正直な感想。それがハットトリック。いやはや恐れ入る。0国立競技場は平山にとってどんなスタジアムなのだろう?
飛び出し。東京流に言えばMoving。それに大きく手助けするのは前線での懐の深さ。さっきの梶山のくだりでも言った通り、トップで収まる信用が高ければ、その後ボランチに叩いてワイドに展開するっていう定型手法の際に、キモであるSBのオーバーラップのタイミングが1手速く、トップに収まるタイミングで上がる事が出来る。トップで収まるっていう信頼は、大きく追い越し飛び出す選手にとって非常に心強いものになる。今季開幕当初はその点での平山の優位性を説き、その点で平山に劣ると考えていた赤嶺の、生きる道は果たしてどうなるかと考えていたものだが。そんな赤嶺の結果は周知の通り。赤嶺があそこまでMovingに対する貢献部分で成長するとは思わなかった。選手の成長とは、そしてサッカーとは、ほんと難しいものである。
軽く脱線してしまったが、それは椋原を例にとってもそうだし、何より選手の成長がチームの厚みとなり、そして結果に直結して見せてきた。この試合をもって一時の中断となるが、しっかりと右肩上がりを見せた、中断前ラストにふさわしい試合をしてくれた。
個人的には、それは小学生の時から。憎きヴェルディとのダービーで、『緑色の物差し』で我らが東京の選手の、チームの成長を計り楽しめるなんて、何と贅沢極まりない事か!それは子供が伸びた身長を柱に刻んで成長を楽しむかの様に。気分良く中断を迎える事が出来て良かった。
子供の身長のくだり、例えが古い気がしてきたなぁ。平成生まれの少年少女達はもうそんな事しないのか…?