ACL貯金始めませんか? レビュー -磐田戦

洗面所。
鏡の前に立てば、いつも目にする残念な顔。そんな残念な顔も、真っ赤に焼け、鼻先は皮がメリッと剥けていた。あの日、磐田は強烈な日射しに包まれていた。
そんなあの日を回顧するのに、これだけの時間と、いくつかのまじめなエントリとどうでも良いエントリを混ぜる必要が、まぁ無かった訳だけど。こんなタイミングでレビュー磐田戦。
磐田のチームに潜む危機感は、相変わらず先延ばしなのか気付いてないのかで進んでいる様で安心したが、とはいってもやはり前田が居ると居ないとでは質はガラリと変わる。何と言っても前田。多分、前田ほどファーストタッチにこだわる選手は少ないんじゃないか?ゴールから観た自分の位置、相手の位置、そして味方の位置を全て加味して、トラップしたボールを置く位置を徹底的にこだわるプレースタイルは、毎度唸らされる。萬代を前線に張らせて、「トップ脇」とでも言う様な引き気味の位置取りが何とも憎い。この位置取りの前田が完調ならば、そしてその前田を上手く使うチーム内パス連携がもっと良ければ、もっと言えばボランチ→前田のラインがしっかりしていれば、東京としてはもっと恐い試合になっていたかと。けど、所詮今の磐田。気持ち的にも磐田を上回る今の東京としては、ハッキリ言って負けてはいけない相手だった。
ホントはもっと声高に言いたかった、「今の磐田になんか負けちゃいけないだろ」。恐くて言えなかったけど。
まぁ東京もまだまだそんなもの。HT中の後半への期待感は、後半の「城福スイッチ」への信頼感もあるし、スロースターターな東京への現時点での諦めもある。縦の出し入れからCB-SBの間を突くラン+そこを狙うスルーパスってのは確かにあったが、いかんせん先週の試合を思い出すってなると、どうしても「より」記憶に残るってなると、それは後半。
後半。この日のスイッチはエメルソン。正直、開幕からのたった数試合に出ただけで残りはケガな、「未知の外国人」の復帰にこれだけの喝采が起こるのは、他サポから見れば理解が出来ないのかもしれない。チームの低迷を脱するのに、ワラにも縋る思いで未知の外国人に重い期待をかけるのとはワケが違う。東京サポは皆、その「開幕からのたった数試合」で完全にエメに心を掴まされていたのだ。エメルソンという外国人の助っ人ぶりを完全に信用し、誰しもが「待ちに待っていた」。この辺、ある意味一時期の大竹の様に「まだバレていない」エメルソン。ハッキリ言って「うっひょひょ〜」ってキショイ笑いが堪えきれない。
そんなエメの帰還。期待以上の活躍を見せてくれた。エメに、いわゆるブラジル人らしい超絶技術があるというわけではない。しかし緩急を自在に操り、相手の逆をとことん突くプレースタイル、その思考法にブラジル流の真髄がある。デンと右サイドに張り、相手の逆を突いてひょいとかわせば、丁寧なパスが飛び出した味方に向けて発射される。まぎれもない『司令塔』。エメが司る東京に、ちょっとした『無敵感』を感じたのはオレだけではないはず。勿論、『無敵と書いてエクスタシーと読む』んですよ。
セクシーでも、ラブリーでも、エクスタシーでも、なんでもいいさ。『負ける気がしない』。
またしても、ゴールの網に拿捕された赤嶺。こんなキャッチアンドリリースも珍しい。良い時期は何げに降りてきてMOVINGへの貢献を結構していた。電柱的な身体を張ってのポストプレーではなくて、単純にパス回しの構成員としての貢献、それがここ最近はあまり見られないっていうのは確かにあった。前半なんてのはまさにそう。それが後半は左サイドに寄る様になって、MOVINGへの貢献をしやすくなる緩やかさを采配によって手にし、その充実感が前半からの流れを変えた。といっては言い過ぎか。二代目ジュビロキラー、初代と絡まったらどうなっちゃうの?
心の中では「負けては行けない」って思っていただけに、勝ってみれば実力通りの勝利。もちろん、ドフリー前田ヘッドでうっちゃられる可能性はあったから、その辺の反省は必要だけど、「実力通りに勝てた」事を評価。何より勝ちで中断を迎えられた事で尚評価。現在3位。とりあえず、「ACL貯金はじめました。」
そうそう、最後にアレに触れておく。藤山ボランチ、とうとうやった!!藤山ボランチへの可能性を強く感じていた自分としては、「ほーら言った通りじゃ〜ん。ロックフジヤマじゃ〜ん」(@マーティ・フリードマン)(後半は全然関係なし)とでも言いたげな戦術。その可能性に触れたのは、去年の原博実ラストイヤーだったけど、その可能性にまで導いた「サイドに散らすセントラルMFぶり」は、藤山左足→逆サイドエメがアウトサイドでワンタッチふわり→裏にナオの一連の攻撃でのアレです。詳細までは掘らないけど、とりあえずオレが言った事が現実になったって事でまたしても調子に乗っている、そんな中の人です。
適当に、調子に乗せておいて下さい。生暖かく見守って下さい。こんな感じ〜