水木先生が見守ってくれたから レビュー -大分戦

ゲゲゲの鬼太郎Day」が行われた味スタ、向かう前の調布駅にて。気を抜いて向かっていたら、向かいにおわすのはなんと水木しげる御大ではありませんか?!!鬼太郎Dayというこのタイミングで水木先生をお目にかかれた時点で、あぁこの日はもう勝ったなと確信した次第です。もちろん後付けです。つーか水木先生は味スタ行かないのか、っていう(笑)コンビニ弁当片手に、家でくつろぐ気満々でした。味スタで美味い飯喰わせてやれよ、スタッフぅ〜。
大分は3-5-2。とは言えどもトップにはあまり力を割かないチームコンセプトか。松橋をてっぺんに据え「生け贄」とするというか、狙いは2列目以降のからの飛び出し。悠々とオンサイドの、スピード溢れる選手に向けてDFラインから縦パス一本。速攻だろうが遅攻だろうが狙いはこれ一本のみ。故に軸は鈴木慎吾根本裕一金崎夢生か。東京としても後ろからの飛び出しは狙いとして持っているが、細かく繋いで崩れてから、とどめを刺すかの様に飛び出す選手に配給するのと違って、大分はかける手数が非常にシンプル。ここが違い。
先に総論を述べれば、大分は結局「速攻だろうが遅攻だろうが」ってのがミソであり、ネック。攻撃の手段としてはそれしか無く、さらにウェズレイ・高松の居ない現状ではその現状はさらに拍車をかける。
それに対する東京としては、まずはロングボールに対しての跳ね返し、そしてその後のカバー。役目はもちろん、佐原と茂庭。茂庭の出番は前半に。前半は何故かロングボールに長友が競る場面が多くて、フィフティーな勝率だったが、そのこぼれたボールにカバーに入る茂庭。この日はちょっと気持ちが見えた。ポゼッションのパス回しは相変わらず不安で焦るが、本職の出来は及第点だろう。「ジャーン系」佐原とのコンビはもう、言い訳できない相方。いい加減、高値安定のモニを。
相方佐原は逆に高値安定が続く。(今のところは?)ガツガツ行く場面でのみ身体を張り、確実に相手攻撃を跳ね返す。攻撃では空中戦はもちろん、フィードの丁寧さが非常に目に付く。ボールを持つと必ずカボレを探す、このルックアップはスタジアムで是非堪能して欲しい。例えば増嶋ほど弾道の綺麗さがある訳ではないが、落ち着き払って一連の動作を行う様はこちらもベテランの妙味か。多くのサポーターと共に、個人的佐原への評価は急上昇。
恐いなぁ、大丈夫かなぁ、という不安は1-0なりにスタジアムで感じていたが、振り返ってみれば塩田が大して仕事をしなかったことを思えば内容的にもシャットアウトということだったんだろう。大分を抑えるという面では全く問題なし。
ならば攻撃面。一番嬉しい活躍をしてくれたのは栗澤。ほぼ、ノーミスか。DFラインのパス回しでは、まだまだパスコースが無くて結局縦にボーン!が多いのが現状の東京だが、そのDFに対して献身的にパスコースを作ってあげるのを、梶山と共に栗澤が入ってあげられると、ポゼッションぶりが随分違ってくる。東京がボールを保持し、自分たちの時間を長くする、これまた城福東京の理想に、栗澤がこうしてオンリーワンの貢献をしてくれたのは個人的にも嬉しかった。確かに、梶山ほどの大きな展開は出来ないが、守備で動く、ポゼッションに動く、大竹との違いとしてこんな先発としての貢献を城福東京での生きる道として、栗澤にはホントもっと頑張って欲しい。ちなみにプレースキックもこの日は良好。「ファーであぁ〜」なプレースキックはこの日はなくてこの点も良し。(栗澤の評価となると、どうしてもこの「ファーであぁ〜」でのマイナスが全体評価に影響を及ぼし「すぎて」しまいがちになるがその辺の自身の基準バランスも改めないとなぁ)
緩い相手プレスもあってか、結構しつこくやり直して飛び出しては結局ボールを戻すといった攻撃をし続けたのがこの日の東京。焦れる感じで飛び出し後の選手が前線で待ってしまう場面は多かった様な気がするが、改めてみるとそんな状況でも、しつこくやり直した成果として東京の選手と共に大分の選手もその飛び出しに釣られていって、結局東京も大分も中盤にポッカリ大きいスペースが、なんて場面は多かった様に思う。焦れるパス回しな様に見えて、綻びは実はしっかり作れてた。そこで改めて前線に行ってしまった選手が再び降りてきたりと、いわゆる360度への「動き直し」をしてみると、もっと楽に楔も打てるし、もっとラブリーな崩しが出来るんじゃないだろうか?地味目な今日の内容の中で、結構チャンスを見いだしてみたり。
そのキーになり得てしまったのが赤嶺。まさに「旬」。下りてきて繋ぐ、という場面が驚くほどに増えた。得点シーンも、スローで見返してみると「何故お前だけそこに狙いが向いてるの??」と改めて驚く。ホントあれが「嗅覚」って言うんだろうな。それだけじゃない。東京ダービーで狙った、え!!なループを始め、大分戦でも前半2分のボールを受けてからフィニッシュまでのイメージは、細かいプレーだけど非常に高評価。何というかイメージの種類が格段に増えた印象。キャラに無い「華麗なゴール」が近いうちに訪れてしまいそう。
何だか淡々と、普通に、勝ち点3を取っちゃったのが驚き。何だか、「上位が下位を一蹴」を見てしまった。連敗はしない、強いチームの基礎工事は進んでいる。上を見れば勝ち点2差。良い位置のまま、さらなる熟成を。浮かれないでね。