求めるは新しい風 横浜FMY-FC東京U-18

日曜日は三ツ沢にプリンスリーグを観戦。感想とかを、ここに載せるつもりはあまり無かったけれど、ここに来て、一番大事だろ?!な日曜日の東京ダービーに参戦できないことになり。故にここに遺書を書き連ね、意志を他人に委ねるものとする。
場所は三ツ沢陸上。ちなみに球技場(ニッパツ)では関東一部Y.S.C.C.クラブ・ドラゴンズが行われていた。イキナリ話が脱線するが、この二つのスタジアムで行われたそれぞれの試合、スタンドはなかなかの盛況を見せていた。いくら無料試合といえども、スタンドで子供から大人までフットボールを楽しむ、この柔らかい光景をみると、巷でよく言われる「欧州に比べて日本は草の根でスポーツが普及していない」という説はあながち信じがたい所を感じる。勿論これ(現状)よりもっと上へ!という意欲は分かるが、日本には日本で、学校体育からの体育政策のある程度の成果は感じずには居られない。文句ばかり垂れないで、まずは地域の、地元のフットボールと戯れればいいのに、とはつくづく思う。
関東プリンスリーグも3節目。強豪横浜FMYとの対戦。メンバー・スタッツはオフィシャルその他参照。東京は岩淵が復帰。横浜は榎本を頭に、2トップが縦の関係というのか、4-2-3-1というか。
横浜は引いて守る意識が高いのか、東京DFラインのボール回しも傍観。ある程度まで侵入してこない限りは引いて見守る形。ここまでならば多少は分かるものだが、「その後」も無理に飛び込まずにじっくり守ってきたのは少し意外だった。悠々とボールを回す東京はDFラインからロングパス一本でFWに当てて、そこからの展開を狙うおなじみのスタイル。そのボールを、ケガから復帰した岩淵が、本来の調子とは遠いながらもさすがのテクニックで比較的収めた方ではあると思う。そこから細かい壁パスなりサイドへの展開なりと、東京の意図を感じる攻めは多くできたが、それでも横浜は我慢して、自らの陣形を崩さない。横浜は常に守備で人数が多く、相手に与えるスペースも非常に狭かった。それでもフィニッシュに持ち込む東京攻撃陣はさすがの面もあるが、やはり単純に「人数が多い」というのは、それだけでかなりのアドバンテージ。それを乗り越えるだけのスキルというのは、守備に人数を揃える簡単さに比べたら非常に難しいものが要求される。
この難しい要求に対して、東京は2得点という結果を示して見せたが、その内訳は大貫の単独ドリブル突破からのゴラッソと、三田が相手GKの不用意なスローインをかっさらって無人のゴールにコントロール・ループを決めてのもの。要求に純粋に立ち向かったとは言い切れないところがあったと見る。
東京は、東京らしい攻撃しかできなかった。縦へ素早い、鋭い攻撃は東京U-18のスタイルであり、その武器を研ぎ澄ませた成果が去年のサハラ杯優勝だった。しかしこの日は、逆にそれによる幅の狭さが出てしまった感もあった。横浜は前述通り、東京のロングパスの出し所は無理に潰しにかからなかった。しかしその分、セカンドボールの奪い合いには相当な意識を傾けていた。この意識の成果は、後半深い時間になるにつれ顕著に出始めた。ある程度の「東京対策」があって、それが填ったのだろう。
その傾向がハッキリと見え始めた東京が取った対策が、「須藤投入」。本来DFである須藤のFW投入が、東京の選手交代の『1番目』に行われたところに、意味を感じずにはいられない。須藤は特段テクニックに優れている訳ではない、しかし「其処にいる」スキルは持ち合わせている「持ってるなぁ系」の選手。その交代、使い方が早いタイミングでしかも最初の交代で使うことになったのは。そこから透けて見える、倉又監督のこの試合に対する評価と、東京の現状。そう言うこと、なんだろうな。
これで1勝2敗。11試合で5位までが高円宮杯出場となると、単純発想で4敗までがボーダーライン(無敗が1位、一敗が2位…と勘定していけば)。引き分けが絡めば、実際のところは3敗したら相当まずいか。結構厳しい立場に立たされた。
東京としてはやはり、「新しい風」が欲しいところ。同じ「去年の貯金」での勝負となれば、原口・高橋のいる浦和や横浜の端戸・斉藤のいる横浜との勝負は正直しんどい。貯金で食いつないでおきながら新しい台頭を必要とするプリンスリーグは、監督からすれば非常に難しいリーグだが、今回の連敗の結果は監督としても何か新しい選手起用を決断させる結果となったのではないだろうか。大貫の相方。左サイドハーフ。そしてFW。東京ダービーという崖っぷちの大一番に、06年の塩田起用ばりの倉又采配と、選手のやる気を大いに期待したい。
だからこそ、この試合後に行われたらしいマリノスタウンでのTMが観ておきたかったが…
選手それぞれも、まだ本来の力を出し切れているとは言い切れない。個人的には山浦はもっと出来るはずと踏んでいるが…東京ダービーという「名前に意味を持つ試合」で新しい風は吹き荒れるのか?
見に行ける方は是非、深川グランドへ。強化型メンバー表を片手に、顔と名前とプレーぶりを照らし合わせて「愛着」をどんどん育てていって欲しいところです。頑張れ!やってやれって!!