凌ぐ・奪う V・チャレンジリーグ FC東京-ヴェルディ

ガン降りの雪の中、東京体育館に行って来ました。
江戸川での警視庁戦以来二度目の観戦だが、江戸川以上に人が多い様に見えたのはやはり「ダービー」のブランドによるものか。けどおかげで、規模はどうあれダービーらしい雰囲気があの一角には確かにあった。観戦二度目のド素人なので、座って、メモ取りでしっかり見るつもりだったのにYou'll Never Walk Aloneの時には大声で謳ってしまった。ガス抜きどころか悶々と開幕への待ち遠しさが増しただけだったけど。
第1セット。
ボカスカ打ち抜いてた感じの警視庁戦に比べたら、ブロックの間をするりと抜ける様な柔らかいアタックが多く見られた。ブロックアウトを狙って打っているのか、技術の方が目立つ東京。対するヴェルディは、練習の時から細身ながら高い打点でスパスパ打っていたのにそれが決まらない。印象レベルだけど、ヴェルディのスパイクには東京のブロックがしっかり3枚行けていた場面が多かったと思う。東京の落ち着きのお陰で終始東京リード。ヴェルディに比べて楽にポイントを取っていた感じは、技術が試合で発揮できている証。25-22で東京が取る。
激動の第2セット。
第1セットがゆとりを持ちつつセットを奪えたのがうって変わって、ヴェルディ寄りのペースで試合が進む。ヴェルディ12番の選手がケガで退場し(あれはアキレス腱?早期復帰を祈ります)中断の後6番の選手が入るが、ここで流れを掴んだのは逆にヴェルディの方。交代で入ったセッターの選手のトスワークが東京のブロックをかいくぐる様になってきて+味方のケガで周囲の目が覚めたのか思い切りが出てきた様で、ブロック枚数の減った状態で20・21が力強いスパイクを叩き込む場面が増えてきた。
流れが完全にヴェルディに向かった中で、それに何とか食らいついて行けたのは、第1セットでも見られた渋い技術。特に8番大庭と9番伊東の心憎い技術が東京を助けてくれた。さすがベテラン、バレー素人でも唸ってしまうプレーで何とか繋いだ。ここで東京はピンチサーバー投入で、何とか食らいつく厳しい流れをうっちゃり、完全に自分に取り戻そうとするが、二回試して二回ともミス。目立つプレーで流れを引き寄せる狙いは失敗するが、一発勝負の難しい要求だけにこれは仕方がない。ここで第2セットは正直諦めた。これが、FC東京バレーボールチームをここまであまり見てきてない人間の発想。
ヴェルディのセットポイント。しかしここで「目立つプレー」が爆発した。チーム全体の粘りのレシーブから14加賀の怒濤の連続ブロック!ここで出るか、ここで決めるか!大逆転で26-24第2セット奪取。東京側スタンド沸騰!!
第3セット。
またしても一進一退の展開だが、東京は第2セットの勢いを集中にしっかり昇華して臨めていたのかな。連続ブロックのおかげで加賀の速攻(?)が冴え、綺麗に打ち抜ける場面が増えつつ、キャプテン福田も相変わらず効果的にポイントを取ってくれる。盤石、あまり問題なく試合を締めきった。25-18。
比較的ラリーが続く性質でいて、それでいて少ない思考時間と、求められる多くの運動量とタクティクス。プレーの質にも得点の動向にも「流れ」が顕著に出やすいのがバレーという競技。その流れを掴むための目立つプレー、凌ぐための目立たないプレーが共に「流れ」に非常に影響しやすい恐ろしさが、この競技の魅力なのかと、自分は今回で理解しました。それを教えてくれたのは大庭・伊東の柔らかく得点を取る技術と加賀のダイナミックなブロック、そしてチーム全体の泥臭いレシーブでした。今回も面白かった!次回は守備の様子だとか、ブロック&レシーブの体制の所だとかを勉強できたらいいなぁ。
ちなみに、東京の試合以外は女子の試合をガン見でした(笑)。競技の傾向から雰囲気まで全く違いますね。お気に入りはPFUの9番(「スポーツしている姿はカワイイ」系)と上尾の7番(「みんな頑張ろうよ!が健気」系)。どんな『系』だよ!