ケチな点棒拾う気無しっ・・・! レビュー -千葉戦

チケットも取り損ね、J SPORTS Plus生中継にて。まず何より、悪天候の中現地へ足を運んだ方々お疲れさまでした。
しかしこの日の解説の田中さんは、今まではあまり印象がない人だったけど、当事者として聞いてみると、あまりにも解説を向けた対象者に対して「愛がない」。
例えばこれは某有名な方から聞かせて貰った話だけど、日本のスポーツジャーナリズムにとって一番大事なことは、対象者に向けて発言する時に、その根底に何が流れているかだと思う。そしてそれは全ての場面で「日本のスポーツが強くなるために」であるべきだ。だから、外国人が書いた記事を翻訳しただけの記事なんてものは日本には必要ない、読んだとしてもその根底にあるモノを理解した上で吸収すべきであり、翻訳記事で埋められたワールドサッカー誌とか読んでいてもあまり面白く感じられないと。これには自分も非常に共感した。
これをもっとミクロの場面で、例えばJリーグの試合の解説に置き換えて考えると、解説の発言には「この2チームが今後良くなるために」といった愛情がないといけないと思う。これが田中さんはなかった。流しで見たから細かいセリフ回しを抜き取っての指摘は出来ないけど、見ていた人はそれぞれ受け取ったニュアンスで理解してもらえないだろうか?基本、FC東京はアウェーとしてきた対戦相手なので、あくまで「お客さん」の立場ではあるけど、だからといってジェフの事しか詳しくない解説ならば、そんなのジェフサポの一人に任せておけばいい。ジェフのスタメン11人+交代3人+監督1人の採点しかまともに出来ない、アウェーの採点は適当になる程度では、これは「プロ」とは呼びたくない程度の代物であると言わざるを得ない。それで例えば専門誌を謳われても、130円払う気にはならないのである。
話が非常に飛んでしまったが、東京。
この試合について書けなかったが、もしプレビューを書くとしたら自分が見たかったポイントは「交代選手から未来が見えるか」だった。初の四連勝の達成感を経て向かう次の試合は、「勝ち点3のみが重要」から「結果と内容」が求められる転換点だったと見る。そこで欲しかった内容は、バックアップメンバーの勢い。梶山が離脱し、五輪代表の日程も今後更に厳しくなり、しかも現在のスタメンにはイエローカードの累積が溜まっている選手が非常に多いなど、四連勝と好調の現在の東京には満足にメンバーが組めなくなる要素が多く含まれている。それを補って余りあるだけの活きの良さを来月の試合に向けて、そして来期以降の未来のために、求めたい試合だった。
ハッキリ言って、残留さえすればもはや何位でも関係ない。今年残り試合の負けを支払ってでも『後の3年を買う』『ケチな点棒拾う気無し』だ(@赤木しげる)。早いところ残留安泰のゆとりの中で、未来に向けた実験をして欲しいというのが思うところ。この試合は、良い千葉と悪い東京の出た、ある意味よく見た風景であった。その結果負けてしまったわけだけど、生憎現地に行ってない自分には「勝ち点3惜しかった」というセンチメンタルはあまり浮かばなかったので(サポ失格ですが)、この途切れた記録はむしろチャンスと見る。今の好調の形を崩さずとも、出来ることはいっぱいある。五輪でバタバタする前に、ルーカスを一度控えに下ろして今の好調な平山を先発で試しておきたいだとか。
平山の件と共に最重要なのが、自分は伊野波と見る。今季始まる前に願いとして、昨季に比べて池上が伊野波に、伊野波が今野に、そして今野がよりスペシャルへとそれぞれ階段を上らなければいけないと話をしたが、それが全く出来てない。特に伊野波は五輪という最高にはねるチャンスを前に、いまいちブレイクスルーを果たせていない。今の東京の内容の違いについて違和感を感じる人たちは、福西の代わりに伊野波をボランチに据えてくれと求めることになるかも知れないが、それをやったら間違いなくこれまでの好調さは消える。福西が現在の攻撃陣に与える影響は確実で、そこまでのパフォーマンスは伊野波はまだ出せない。それは横浜FC戦を見れば明らかだ(清水戦はがむしゃらにボールを追う場面を一度は見れたが、単騎としての出来はまだまだ。福西の代わりに入れたところで、守備が締まるとは思えない)。次節は徳永が出場停止、今一度改めて、まずは右サイドバックを奪い返すパフォーマンスを出せるか。東京にとっても、伊野波自身にとっても、問われる次節となるだろう。
どんどん下からの突き上げが「モノ」になって貰わないと、来季が困る。今季みんなに夢を見させてくれなかったクラブには、来季の夢を、そしてクラブの未来を見せる義務があるんじゃないか?成績には興味はない、残留さえしてくれれば。そしてその対価に、このクラブの未来を見せてくれ。ピッチの中から。