エリア27を死守せよ! プレビュー -清水戦

アウェー日本平では、欲しいタイミングで会心の勝利を得ることが出来たが、聞けば清水にとってもあの試合は今季ワーストに数えられる試合でもあったという。当然だろう。抜群のスカウト網の成果と言える自慢のダイアモンドは影を潜め、優位に立ちたい中盤で完全に主導権を握られた。何よりチョ・ジェジンが居なかった。困った時に収めてくれる存在、高い打点で空中戦を勝ち続けてくれるエースがいなかった。清水にとって辛い試合だったのは間違いない。しかし、今は何より勢いが違う。
対する東京。攻撃は調子が良いと言っていいだろう。赤嶺中心にFW陣は比較的調子が良い。悪いなりに飛び道具でも点が取れる様になってきたと思う。しかし今の清水守備陣は非常に調子が良いから例えウチがどうであれ難しいことになるのは間違いない。それよりもポイントは東京の守備。キーは3つ。
一つ目は今野のコンディション。前節横浜FC戦での中盤の機能不全は、もちろん福西とのコンビネーションの難も要素としてはあるが、何より今野の不調があった。チェイスをかいくぐられた後の粘りというか、そういう途切れない運動量が、前節では皆無だったと言っていい。ヨーロッパ遠征の影響があったという想像は容易に出来、今野・福西のボランチコンビはこの試合でこそ真の評価を下すべきだろう。東京の要は毎度ながらボランチの成否。今野がチームの推進力とならなければいけない。
二つ目は空中戦。前回はチョ・ジェジンが居なかったが、今回は出場が予定されている。前回対戦との一番の違いは空中戦だろう。リーグ屈指の強さと巧さに対し、対峙するのは茂庭・藤山のCBコンビ。一筋縄ではいかないこの空中戦に対しては、競った後の二の矢・三の矢といった細かいアタックを続けるだとか、藤山ではなく徳永が競るだとかの工夫が必要になる。何よりそれぞれを続ける集中力は90分間続けて必須となるだろう。
三つ目は栗澤側のSB。栗澤の長所として横浜FC戦でもよく見られたのが、ボランチのケアを中心とした機動力・運動量。これを清水戦でも発揮してもらう事になると、しかしそのサイドには大きくスペースを生むことになる。栗澤には引き続き自分のサイドを置いてでも、引き続き危険を察知したらガンガンにその運動量を発揮して貰いたいが、前節では全体の運動量不足の影響で栗澤が動いた後のケアが十分に出来ず、大体がその広大なスペースをSB一人で攻守に奔走する状況となった。前節ではその辺りの巧さを金沢浄が見せてくれたが、難しいタスクである事には変わりない。石川が出るのかどうか、それによって栗澤がどちらのサイドに置かれるかは分からないが、その栗澤のエリアに生まれるスペースに対し、金沢であれば相手攻撃の中心である兵頭と市川、徳永であれば対峙するであろう藤本・児玉(もしくは戸田?)とのエリアマネージメント勝負が重要になるだろう。恐らく、ココが一番のキモになる。
相手は6連勝中、しかも4試合連続無失点中。強固な守備陣相手に非常に難しい試合。しかも4連勝がかかるだとか、未央が来るかもだとか、アマラオが来るよだとか、フードコート売り切れだゴルァとか、色々と勝負に対してアヤがつきまとう。しかし、千葉は勝った。神戸も勝った。甲府では増嶋が頑張った。梶山が居ない分、芝に文句を言えるほどにボールも大して回せないだろう。そんな中でも久しぶりの味スタ、やはり気持ちの入った試合が見たい。