差を付けるべき部分に差を感じた ラグビーW杯 日本-オーストラリア

今の選手とか細かいルールは未だ分かってないものの、昔は非常によく見に行ってた。それは今も変わらないがそれでも好きなスポーツの1つであるラグビーラグビーワールドカップ。我らが日本はグループリーグの中では一番の格下で、毎回の対戦がチャレンジとなる大会である。
パワー系に代表される諸外国との圧倒的な体力差をいかにカバーするか、というのは日本スポーツ界が世界と戦うには避けては通れない重要課題。その回答を日本はオール・ブラックスの至宝ジョン・カーワンに託した。タックルにしろラインアウトにしろ、日本独自の技術でその体格差に対抗した。
結果は3-91。日本はノートライ。
しかしそれが結果そのままに「日本が全く通用しなかった」とは言いきれない。前半は3-23とギリギリのところで持ちこたえていた。前半15分頃までの日本の集中力は素晴らしくギリギリのところでの奮闘はめざましかった。しかし後半開始直後のトライで、こらえていた堤防は決壊され、ズルズルと差は開いていった。
負けてはならない状況判断、頭脳の面での差を感じた。
相手の嫌らしい地点へのパントを受けた時に、後ろも横も日本の枚数は揃ってないのに、なのに相手目がけて突入して行かねばならない。辛くても先が見えなくても、我慢してキックで少しずつでも返していくしかないのに。
追い込まれた時に必ず仕掛けられたチップキック。率の薄い賭けでもその率を上げるためにはそのキックに対し連動した周りの動きが必要だった。オーストラリアにはそれがあったが、日本は傲慢な連動のないキックしかなかった様に感じる。
パワーで勝てないのだから、スピードだ技巧だという面で相手に挑まなければならなかった。しかし日本は良い形でバックにボールが廻ってもそれが出来ない。上半身を大きく揺らして相手を揺さぶる前にまず先にトップスピードに自身を乗せる事が先決な様な気がした。スピードに乗れないままに相手に向かっていき、パワー有利なマッチアップのまま突撃して潰される様が非常によく見られた。オーストラリアでさえ、まずトップスピード、次にステップワークという優先順位で仕掛けてきていたのに。
日本人の体格で世界に挑むためには相当の工夫と技術が必要なのは予想していた。しかし、ラグビーは80分間。何より必要なのはその厳しいタスクを80分間続けてこなし続けるだけの集中力だったのかも知れない。言われてみれば当然の話ではあるが、それをまざまざと見せつけられた、教訓とすべき試合であった。
そう、だからこの試合には収穫があったのだ。まだあと3試合。収穫を自らのモノにして、もっと魂を燃やし尽くす様を今後も見届けたい。